資格取得の勉強をしている方の中には、司法書士や行政書士といった士業の資格をとって独立開業を目指している方も多いことでしょう。
いざ開業しようというとき、何から手を付けたらいいか分からないということにならないよう、開業する前に準備しておくべきことをご案内します。
目次
どんな事務所を開業するのか決める
理念を定め、事業計画をたてる
具体的な開業の準備を進める前に、自分が何を実現するために独立開業したいのか明確にしましょう。
「資格があるから」「家族を養うため」といった漠然とした考えしかない場合は、なぜその資格を取ったのか、その資格で社会や依頼者に対して何ができるのか、何をしたいのか、もっと突き詰めて考えましょう。
自分の大黒柱となる筋の通った理念があれば、それに伴う事業計画も具体的にたてることができますし、開業した後も世間や依頼者の信頼を得て長期的に活動していくことができるでしょう。
業務分野とターゲットを明確にする
自分の理念を実現するために、開業して何を中心業務とするのか、どういった顧客層をターゲットにするのかを絞り込みましょう。
どの士業においてもすでにライバルは多数いますので、自分の持ち味を活かしていかなければ価格競争に陥り、長期的な経営は難しくなってしまいます。
自分の経験や強みは何か、理念を実現するためにそれをどう生かすか、自分の能力がどういった依頼者の役に立つのかを入念に分析し、具体的なコンセプトを作り上げましょう。
開業のための具体的な準備
開業に必要なお金を調達する
開業のための計画ができたら、その実現のために資金を見積もり、調達する必要があります。開業に必要な備品やソフトウェアといった初期費用はもちろん、
家賃や仕入れといった運転資金をしっかりと計算しましょう。
運転資金は3ヶ月から6ヶ月は必要と言われています。
資金の調達方法としては、日本政策金融公庫からの借り入れや、国や地方自治体による創業支援融資制度、開業支援制度、商工会からの融資などさまざまな手段が考えられます。
開業予定地区の行政の窓口に対して、どのような制度があるのか問い合わせてみると良いでしょう。
開業のための場所を確保する
どこで開業するのか、というのも重要な問題です。
事務所を借りる、レンタルオフィスを借りる、自宅兼事務所にするなど、いろいろな選択肢があり、どれを選ぶかによって月々の経費が大きく変わってきます。
一番コストが安く済むのは自宅兼事務所ですが、賃貸の場合は貸主の許可が必要だったりするので確認が必要です。
いずれにしても開業する場所によって集客に差がでる場合がありますので、自分の理念、コンセプトに照らしてしっかりと検討しましょう。
士業での独立開業というのは組織に縛られることなく、自分の思いのままに仕事をする大きなチャンスです。
そのチャンスを生かすためには、事前にしっかりと理念を考えて事業計画を立案し、資金や場所について具体的にじっくりと検討することが重要になります。
ライバルに負けず、安定的に経営していくために、明確なビジョンを定めて開業準備に取り組みましょう。
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