数ある法律系の資格の中でも、よく知られているのはやはり弁護士資格でしょう。ですが法律系の資格には他にも、司法書士や行政書士といったものがあります。弁護士とはどのように違いがあるのかご存知ですか。
仕事内容やできることに違いがあります。
今回は行政書士に注目していきます。弁護士や司法書士との違いを中心にまとめましたので参考になさってください。
■弁護士、司法書士、行政書士の違い
弁護士は民事・刑事の法律相談や訴訟の代理人になることができます。司法書士は司法関係、主に裁判所に提出する書類を作成する職種です。行政書士は行政関係、主に公官庁に提出する書類を作成するのが仕事になります。
弁護士は司法関係・行政関係の書類も作成できますが、活動のメインは訴訟の代理人になることです。わざわざ書士の資格を取らなくても、司法書士や行政書士の仕事はできます。
司法書士は主に不動産登記の書類作成を行い、手数料をもらいます。
一方、行政書士は依頼人から公官庁に提出する書類を代理で作成し、手数料をもらうのです。
司法書士と行政書士はそれぞれ担当する分野が違うので、司法書士の仕事を行政書士はできませんし、行政書士の仕事を司法書士が行うこともできません。
■行政書士の仕事内容
建設工事会社が、道路やトンネルなどの工事を請け負うには「建築許可」が必要になります。飲食店やショップなど、新たにビジネスを始める際には条件に該当する許認可を受ける必要があるのです。こうした許認可を受けずに仕事を受注すると、無許可で業務を行ったと罰金や営業停止といった厳しい処分を受けることになります。場合によっては、会社存続の危機に陥ります。
会社の設立・お店の開業をはじめ、自動車関連・産業廃棄物関連といったビジネスの許認可のための書類を作成するのは、行政書士の仕事です。
またビジネスだけでなく、相続や外国人の在留・帰化申請・クーリングオフ・離婚・ペット・自転車事故など、行政書士が扱える仕事は多岐に渡ります。第三者に内容を証明してもらう「内容証明郵便」の作成も行政書士の仕事です。
■コンサルティングも行う行政書士
もちろん、依頼人から頼まれた書類を黙々と作るだけが行政書士の仕事ではありません。依頼人の問題を速やかに解決するための方法などを提案するという、コンサルティング業務も含めて行政書士の仕事になります。
公官庁に提出する書類の作成だけなら、行政書士に頼まなくても自分でできます。そこをあえて行政書士に頼んで行ってもらうのは、ミスなく速やかな書類の作成・手続きの完了を期待されているばかりではなく、法的な問題に対しスペシャリストの視点からアドバイスをもらえる点にあります。
行政書士が扱える書類は1万種以上。依頼者の代理として、一般の方は存在も知らない手続きを行うだけでなく、依頼者の権利を守るためにアドバイスするのが行政書士なのです。
■行政書士は法律のサービス業
行政書士の主な仕事は書類の作成ですが、仕事を依頼してくれる顧客がいなくては仕事ができません。ですからデスクワークだけでなく顧客の開拓をはじめ、顧客との打ち合わせなどコミュニケーション能力が必要です。
次の仕事に繋がるように顧客を満足させるだけの提案力や知識も必要になります。行政書士は、法律をサービス内容として提供するサービス業でもあるのです。
今回の記事をご覧になられて興味を持たれた方は、行政書士を目指してみてはいかがでしょうか。
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