ビジネス実務法務検定試験は、営業や販売・総務・人事などあらゆる職種で必要とされる法律知識が習得できる試験です。取引先の会社と契約をかわす際、契約書に不備や不利益がないかといったことに関する知識を得ることができます。業務上のリスクを回避して、会社へのダメージを未然に防ぐことができる資格です。
今回は、ビジネス実務法務検定試験を取得することで得られるメリットについてまとめました。
目次
■ビジネス実務法務検定試験における各級の概要
・3級
ビジネスパーソンとして、業務上理解しておくべき法律知識の基礎情報を学べるレベル。取得レベルでは、問題点の発見ができるようになる。
【合格後の称号】
ビジネス法務リーダー
【対象者】
社会人全般および学生
・2級
企業などにおいて実務経験があり、外部の専門家(弁護士など)に対する相談などの対応ができる一定レベルの法律知識を有しているレベル。
【合格後の称号】
ビジネス法務エキスパート
【対象者】
各部門の法務担当者
・1級
ビジネス全般にわたって法律実務に関する知識を持っており、業務に対して多面的な観点から高度な判断・対応ができるレベル。
【合格後の称号】
ビジネス法務エグゼクティブ
【対象者】
法務部門責任者
■ビジネス実務法務試験のメリット
・ビジネス必須の法律知識を得る
前述した通り、企業などが法律や規則を遵守する「コンプライアンス」と言う考え方は一般的になってきました。それを受けて、会社で働く社員にも法律に関する高いレベルの知識が求められるようになっています。ビジネス実務法務試験検定で学んだ知識は、さまざまな部門で必要とされているもので、コンプライアンスを意識する会社で働く方にとってプラスになると言えます。
・キャリアアップにつながる可能性
ビジネス実務法務検定は、東京商工会議所が1998年に創設したものです。もともと法律的な知識を持った人材を求める企業のニーズに応えるために始まったとされています。
そうした流れもあって、ビジネス実務法務試験の社内での価値が高いものになっています。トヨタ自動車や伊藤忠商事といった有名企業では、ビジネス実務法務試験を社内資格制度に取り入れています。社内での自己評価・キャリアアップにつながる資格だと言えます。
・法律系資格の登竜門
他の法律系の資格を取得したいと考えている方にとっても、ビジネス実務法務検定はメリットになります。ビジネス実務法務試験で学ぶ必要のある範囲は民法・刑法・商法・労働法・著作権法などさまざまです。そのため、司法書士や行政書士・弁理士といった他の法律系資格の勉強にもつながります。今後、法律のエキスパートになるためのステップアップになるのです。
・就職や転職に多少の効果
ビジネス実務法務検定は、就職や転職でも有利に働く場合があります。ただしビジネス実務法務検定は、弁護士などのように資格を取得しないと実務に取り組めない資格ではありませんので、実務経験に比べるとアピールポイントとしては弱くなってしまいます。
それで2級レベルは、実務経験と並ぶ知識を有することにつながるのです。
ビジネス実務法務検定は、2級と3級の試験が年2回(7月と12月)、1級の試験が年1回実施されます。企業内でのキャリアアップや法的知識に関心のある方は、これを機にビジネス実務法務検定を受けてみてはいかがでしょうか。
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