働いている人なら、「これはコンプライアンスに違反していないだろうか」という考えが頭をよぎることが多くなってきているのではないでしょうか。
ビジネス実務法務検定は、主にビジネスに関わる法律の知識を持つことができる資格です。
1級から3級までありますが、実務レベルなら2級、3級で十分。ところで、2級と3級の違いをご存知でしょうか?
ビジネス実務法務検定とは?
ビジネス実務法務検定は、ビジネスに関わる法律の知識を持つことができる資格です。東京商工会議所が年に2回、検定試験を実施しています。
たとえば、取引先の企業と契約を交わすとき、法律の知識があれば契約書類や契約内容の不備に気づき、トラブルを未然に防ぐことができます。ビジネス実務法務検定は、正しい知識を持つことで会社の不利益を回避し、自分の身も守ることができる、ビジネスパーソンにとって心強い資格のひとつです。
1級から3級まであり、1級は記述式、2級と3級はマークシート方式。2級と3級の合格点は7割以上で、2016年の合格率は2級が41.3%、3級の合格率は73.6%となっています。
ビジネス実務法検定の3級と2級の違い
ビジネス実務法務検定の1級はすでに法務に関わる業務に就いており、ビジネス全般に渡って法律の知識を持っている人が対象の検定です。
2級はビジネス分野の法律にある程度の知識がある人が対象で、主に管理職や管理職候補向けの内容となっています。一方3級は、ビジネスパーソンとして知っておくべき基本的な法律の知識を学びたい人が対象となります。3級はビジネス法務の入門資格と言えるでしょう。
試験内容も3級は民法、2級は商法・会社法について問われます。
3級の内容は「ビジネス実務法務の法体系 」「取引を行う主体」「法人と従業員の関係 」といった基本的なものなので、具体的な事例は取り扱いません。
これに対し、2級では3級の知識があることを前提に事例を挙げながら、「こういう出来事には、こういう法律が適用される」というように法律知識を使って法律問題を解決する、実践的な内容になります。
ビジネス実務法務検定の対策方法
企業からすれば、3級取得者はゼロから「法律とは」ということを教えなくていい存在、2級取得者は「企業のリスク回避ができる知識を持つ」存在という扱いになります。
入門編である3級は独学でも対策可能ですが、2級と合わせて取得するのがキャリアアップの観点からはおすすめです。3級に比べ難易度が格段に高くなる2級の受験を考えるなら、独学よりは通信教育、スクールへの通学などを利用すると、効果的に学習を進めることができます。
独学の場合はいきなりテキストの最初から始めるのではなく、まずは過去問題を解いてみて、どれくらいの実力か把握してからわからない分野を学習していくのが効率的です。
法律の知識は持っていて損はありません。ビジネス実務法務検定を受けるなら、3級だけでなく、2級までの取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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