行政書士の資格は法学部などの文系学生が目指すイメージがありますが、実は理系の学生が目指すメリットが大きい資格だということをご存知でしょうか。
行政書士の業務自体に理系分野を学んだ経験が大いに活かせる場合がいくつもありますし、行政書士の資格が理系の仕事のキャリアアップにつながることもあります。
理系の学生が行政書士の資格を取るメリット、学習する上での強みをご説明します。
目次
理系分野で活かす行政書士資格
行政書士登録から弁理士へ
大企業においては特許業務を扱える弁理士の資格が重宝されます。
特許と言えば最先端技術に関するものなので、理系出身の弁理士は大きな力を発揮するでしょう。
実は行政書士の資格をもっていると、弁理士試験の論文試験で1科目免除が受けられます。
手始めに行政書士の資格を目指すことで、法律への初歩的知識を深めて自分の適性を確認し、将来のステップアップへつなげることができます。
理系の申請業務に特化した行政書士になる
医療系、農学系、新技術開発などの理系分野において各種申請業務は必須となります。
それらの多くは行政書士が携わる業務ですので、理系分野に見識のある行政書士は依頼者にとって安心して仕事を任せることができるでしょう。
例えば、薬剤師資格と併用して薬事法申請専門の行政書士として活動したり、知的所有権に関係する契約書作成を引き受けたりといった活躍が考えられます。
農学系の知識を活かして、農業の新品種登録である種苗法申請を武器にすることもできるでしょう。
自分の専攻分野に特化し、さらにその周辺の権利関係の仕事も併せて行えば、文系学部出身者が太刀打ちできない行政書士として活動できるかもしれません。
理系学生が法律を勉強するときの強み
言葉の定義を明確にする学問
理系の学生は法律の勉強になじみ易く、学習を始める際の敷居はそれほど高くないと言えます。
法律というのは、まず言葉の定義が重要です。
法律の条文は必ず最初にさまざまな言葉の定義を規定しています。
例えば民法では権利とはどのようなもので、誰が行使できるものなのかが最初に定められているのです。
これは理系において条件付けや前提となる環境を明確にした上で実験、観察を進めていくアプローチによく似ています。
法律の勉強には理系の論理的理解が役立つ
法律の効果を適用するには、対象となる物事が、なぜ条文の条件(法学においては「要件」と言います)を満たしているのかを客観的に証明しなければなりません。
証明はあいまいなものではなく、圧倒的に論理的、客観的である必要があります。
法律の勉強においてはその論理的な証明の仕方を学んでいくのですが、これは、客観的な事実や数値に基づいて論理を組み立てていく理系の手法と極めて近いものとなります。
このため、理系の学生がもつ論理的な理解力が法律の勉強に役立つと言えるのです。
行政書士とは許認可申請のプロフェッショナルであり、契約書等の書類を扱うスペシャリストです。
理系の企業では特許をはじめとして官公庁などへの申請業務が多岐にわたって存在していますので、その分、行政書士が活躍できるフィールドが広がっていると言えるでしょう。
理系学生であるという自分の強みを活かして、行政書士資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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