土地家屋調査士は、土地や建物の大きさや形、用途などについて調査、測量を行い、図面を作製、登記の申請手続きなどを行う専門家です。
建物を新築した際に必要となる測量および法務局への届出(表題登記)、土地の境界が曖昧なときに測量を行い確定させる業務(筆界特定)などは、土地家屋調査士だけが行える業務です。
土地家屋調査士になるには、国家試験である「土地家屋調査士試験」を受けて合格する必要があります。
この試験の難易度は、どのぐらい高いのでしょうか? 今回は土地家屋調査士試験についてご紹介します。
土地家屋調査士試験ってどんな試験?
土地家屋調査士試験は、年1回行われる国家試験です。
合格することで、土地家屋調査士として仕事に従事できる国家資格を得られます。
試験は、毎年10月中旬に全国9会場で実施される筆記試験と、翌年1月に筆記試験の合格者に対して行われる口述試験の2段階で行われます。
筆記試験は、午前の部と午後の部の2部制です。
午前の部では測量や作図に関する内容が出題され、午後の部では不動産の登記に関する内容などが出題されます。
筆記試験午前の部については、測量士や測量士補、建築士(一級、二級)といった資格を保持している人、前年度および前々年度に午前の部の試験に合格した人は免除されるという制度があります。
土地家屋調査士試験合格者のほとんどは、この制度を利用するためにあらかじめ測量士補試験を受験し合格することで、午前の部免除を受けています。
また、筆記試験合格者に対して行われる口述試験は、欠席者を除いてほぼすべての受験者が合格します。
実質的には筆記試験午後の部が、土地家屋調査士試験の要であると言えるでしょう。
土地家屋調査士の難易度は?
土地家屋調査士試験は、年齢や性別、学歴などにかかわらず誰でも受験可能です。
受験者の平均年齢は39歳と高めで、会社員や公務員、自営業などの方が受験者の8割近くを占めることがアンケートでわかっています。
土地家屋調査士試験の合格率(受験者数に対する合格者数の比率)は、ここ数年はおおむね8.5%前後となっています。
この数字だけを見ると、かなり難易度が高いように感じられるかもしれません。
しかし、仕事をしながら勉強して試験に臨む人が大多数を占めるという受験者の傾向を考えれば、この数字はそこまで低いものではないと言えます。
独学で合格する人もいるため、要点を押さえてしっかりと学習した人であれば十分に合格できる可能性のある資格だといえます。
ただし、専門的な内容も多いため、早期合格を目指すのであれば、通学や通信などスクールで学ぶことをおすすめします。
コラムの運営会社
株式会社東京法経学院は10年以上にわたり、土地家屋調査士・測量士補・司法書士・行政書士など、法律系国家資格取得の受験指導を行ってきました。
通学・通信講座の提供だけではなく、受験対策用書籍の企画や販売、企業・団体の社員研修もサービス提供しています。