平成27年度に行政書士試験に合格し新規登録した人は1782人いましたが、その一方で廃業した人も1014人にのぼりました。この統計からは、登録を抹消しているという行政書士が少なくないということが分かります。
業務を軌道に乗せるためには十分な工夫が必要といえます。士業の開業を目指す人は、廃業のリスクについて十分に把握しておきたいものです。
そこで今回は、士業の開業に失敗するパターンと、失敗しないための対策法について解説いたします。
士業の失敗パターン1:資金不足
士業の開業には、ある程度まとまったお金がかかるものです。独立にあたっては、それなりの資金を用意する人がほとんどですが、しばらくは収支をプラスにするのはかなり難しいのが現実です。
事務所の設立にはかなりのお金がかかるもの。また、士業の仕事はどうしても成功報酬制となるので、1つの仕事を終えるまでの経費は自費で出す必要があります。結果、資金繰りがうまく行かず運営費不足に陥り、経営が破綻するというケースが多いのです。
士業の失敗パターン2:マーケティング不足
多くの依頼を受けて顧客を増やしていくのが、業務を軌道に乗せるためのポイントです。しかし、独立して事務所を立ち上げたからといって、すぐにお客様が集まるとは限らないので気をつけたいですね。
士業の事務所で顧客を増やすためにはホームページや各種広告を最大限に活用した集客が必要不可欠です。軽いフットワークを意識し、考えられるあらゆる行動を起こすことが、顧客を増やすための極意といえます。
士業の失敗パターン3:経営力不足
士業の開業後すぐに従業員や補助員を雇うのが資金的に難しいということもあると思います。こういった場合には、業務を軌道に乗せるまで1人であらゆる業務をこなすことになります。
通常業務に加え、官公庁や役所とのやり取り、集客活動、請求管理や報酬管理など、士業の開業後にはいくつもの業務を並行して進めることになります。失敗を防ぐためには、計画性をもって効率よく仕事をしていくことが肝心です。
士業の失敗パターン4:体調を崩す
士業として開業した直後には多くの業務をこなしながら事業を起動に乗せていく必要があります。休めない中で無理をした結果、体調を崩して業務が立ちゆかなくなるという人もいるものです。
せっかく念願の開業をしても、オーバーワークに陥って心身にダメージを受け、廃業することになっては意味がありません。開業にあたっては体が資本と考え、体調管理を怠らないようにしましょう。
残念ながら、士業として独立開業した人のすべてが成功者となっているわけではありません。準備不足のまま軽い気持ちで開業をすると、大きなトラブルが起きて廃業せざるをえなくなることもあるので、十分に気をつけたいですね。
開業を目指している人は、士業の開業に失敗する人のパターンをチェックした上で、万全の準備を進めていくのがおすすめです。
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