行政書士は資格試験に合格すると独立開業できるようになります。ただ、実際に独立開業するとなれば、所定の準備が必要です。ここでは行政書士として独立するうえで知っておきたい準備次項をご紹介します。
目次
行政書士として独立開業する際に必要な準備は?
行政書士として独立・開業をするには、事務所と登録申請、開業届の提出などのステップを踏む必要があります。また、これらの段階で必要な資金も確保しておかねばなりません。
ここでは行政書士の独立準備の大まかな流れをご説明します。
1.事務所を開設する
行政書士として開業をするには、事務所が「守秘義務を保てる」「職務を遂行できる」場所であることが必要です。初めての開業では自宅を事務所として使う人も多いのですが、この場合は「居住スペースと事務所が明確に区別されている」という条件を満たしていないといけません。
PCやプリンター、ネット回線といった最低限の設備だけではなく、机やいす、応接セット、電話やFAXなどを用意しておきましょう。守秘義務を守るためには鍵付きの金庫やキャビネットなども必要です。
このような条件があるため、行政書士はバーチャルオフィスでの開業ができません。自宅またはレンタルオフィスを利用して事務所を確保しましょう。
2.都道府県行政書士会へ登録をする
行政書士の資格を獲得してから仕事をするには、「都道府県行政書士会」へ登録を済ませる必要があります。都道府県行政書士会の登録には、申請書の提出に加えて登録諸費用が225,000円(事前振込みし振込票の控えを持参)+会費3ヶ月分21,000円、登録免許税として30,000円分の収入印紙が必要です。
この登録申請をしてから約1ヶ月経った頃に、役員による事務所調査がおこなわれます。
3.事務所調査を受ける
事務所調査は申請書類と実際の状況に相違がないかをチェックするのが目的です。また、事務所が行政書士として仕事をするのに適しているかを判断するために直接調査がきます。印象が悪くならないよう、調査前にしっかりと事務所の環境を整えておきましょう。
4.税務署へ「開業届」を出す
事務所調査が無事終了したら、税務署へ「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」と「青色申告承認申請書」を提出しに行きましょう。両方コピーを取り、届出印を押してもらうと通帳の作成などに役立ちます。
行政書士の独立開業で知っておきたい注意点
行政書士の独立開業で知っておきたいのが、「費用」と「事務所の立地」です。
まず、都道府県行政書士会への登録で約30万円が必要になります。さらにレンタルオフィスを借りるのであれば敷金や賃料が、机や椅子・PCなどを購入する場合はその費用もかかるでしょう。
開業したてのうちは「仕事の依頼がなかなか来ない……」というケースも多いうえ、国民健康保険や年金などの支払いで出ていくお金も多いもの。とりあえずのお金としては、年収1年分くらいの資金を準備しておくと安心して開業できます。
また、独立して新たに事務所を構える場合、人が集まりにくい立地に開業すると集客に苦労するおそれがあります。今後の事を考えて、見込み客が多そうな場所を選ぶようにしましょう。
行政書士として独立開業し、活躍を目指そう!
さまざまな許認可の申し込み手続きに関わる行政書士は、今後もニーズの高い職種です。試験に合格し独立開業を目指す方は、手続きや準備を不備なく確実におこなうようにしましょう。
また、開業後は顧客を増やすため「集客」に力を入れることも大切です。HPやブログなどのWEBツールや、TwitterやFacebookなどのSNS、チラシなどを活用しながらアピールをおこないましょう。
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