行政書士の試験合格後、業務を行うためには行政書士登録を行う必要がありますが、合格者の中にはしばらくは登録しないという方もいらっしゃいます。
そこで今回は、行政書士試験への合格後、登録しないことによるデメリットと登録することで得られるメリット、そして登録の流れについてご紹介していきたいと思います。
行政書士の登録は必要?
行政書士法第6条において「試験に合格した資格保有者が行政書士になるためには日本行政書士会連合会の行政書士名簿、そして各都道府県の行政書士会に登録・所属する必要がある」と定められており、行政書士を名乗って実際に業務を行うためには登録が必須となっています。
つまり、行政書士の試験に合格しただけで行政書士になれるわけではなく、登録をして初めて行政書士を名乗ることができます。
また、行政書士の登録をしていないと、行政書士会の研修を受けることもできないため、行政書士に関する最新情報を収集しにくいといったデメリットがあります。
行政書士登録のメリット
行政書士の登録を行うことで、次のようなメリットがあります。
1.行政書士を名乗って仕事を行える
行政書士の登録を行うことで、正式に行政書士を名乗って仕事を行うことができるようになり、また、独立開業も可能になります。
2.行政書士会の研修を受けることができる
行政書士会の研修では、法改正の最新の情報や業務上の注意点など、行政書士の業務にまつわる大切な情報を得ることができます。また、行政不服申立手続を行える特定行政書士になるための研修を受けることができます。
・行政書士同士の交流が行える
行政書士の登録によって、行政書士同士の交流ができるのも大きなメリットです。
特に、行政書士として独立開業を考えている方なら、同業者と人脈を形成しておくことで業務を進めやすくなるでしょう。
行政書士の登録手続きの流れ
登録までの流れは以下の通りです。
1.申請書を提出
都道府県の行政書士会へ「行政書士登録申請書」の提出を行います。申請時には、履歴書、誓約書、本籍地の記載された住民票の写し(提出日前3ヶ月以内に交付されたもの)、身分証明書(提出日前3ヶ月以内に交付されたもの)が必要となります。
また、独立開業をする場合は、事務所の所在を確認するための書類も必要となります。
申請書などの様式は、日本行政書士会連合会の公式ホームページよりダウンロードすることができます。
2.現地調査
行政書士事務所を設置して独立開業をする場合は、都道府県の行政書士会による現地調査が実施されます。
独立開業の場合は、登録申請を行う前に事務所を用意しておきましょう。
既存の事務所に勤務する場合は、勤務先の雇用契約書などを提出します。
3.日本行政書士会連合会による審査
日本行政書士会連合会による審査が行われ、問題がなければ行政書士名簿へ登録されます。
審査は一般的に1カ月程度で完了します。
行政書士の登録は、試験に合格したらすぐに行う義務はありませんが、登録することによるメリットは大きいものです。
登録に期限はなく、いつでも申請が可能なので、ご自身で登録する時期を決められるといいでしょう。
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