行政書士は幅広い業務を手掛けられる職業ですが、その仕事のひとつに「事業承継業務」というものがあります。事業承継に関する業務は今後ますます需要が高まるといわれており、これから行政書士としてデビューを考えている方はぜひ注目すべき仕事です。
ここでは、行政書士の「事業承継業務」についてご説明します。
行政書士の事業承継業務とは?
そもそも「事業承継」とは、会社の経営、および事業を他の人に譲ることを指します。
事業承継をすることで会社はそのまま経営・事業を継続することができ、雇用や取引を守ることができるのです。
事業承継には「親族の承継」「第三者(従業員や社外の人間など)の承継」「M&A(会社の売却)」といった方法があり、それぞれ必要な準備・手続きが異なります。
行政書士の中には、この事業承継に関する「事業承継業務」を行っている方もいらっしゃいます。
・後継者の決定
・後継者の教育
・後継者の資金調達
・相続に関する手続き、準備
・相続税や贈与税に関する問題
こうした事業承継に関するさまざまな事柄に対し、法的・税務的な観点からアドバイスやプランの作成を行うのが「事業承継業務」です。
行政書士の「事業承継業務」は需要増が予想されている
行政書士の事業承継業務について注目が集まっている理由には「経営者の高齢化」が挙げられます。
帝国データバンクによる全国「社長年齢」分析調査(2021年)によれば、2021年の社長の平均年齢は60.3歳と、かなり高齢であることがわかります。特に不動産業や製造業、卸売業などの平均年齢は、全国平均を上回る61~62歳と高齢化が進んでいるという結果に。
また別の調査では、毎年約7万社もの中小企業が廃業しているというデータもあります。
その理由は、ずばり「後継者がいないから」。事業承継さえできていれば、会社を畳まずにすんだかもしれないのです。
このように、事業承継の必要性が高まっていることから、今後は行政書士の事業承継業務の需要も増えると予想されています。
経営者の高齢化が進んでいて、かつ廃業する会社の数が実に多いという事実を考えれば、行政書士の「事業承継業務」がいかに重要な役割を担っているかが分かります。
事業承継へのアドバイスや、事業承継をするためのプラン作成などを通じ、会社の事業存続をサポートできるのです。当然ながら、そのやりがいは行政書士にとって大きいものとなるでしょう。
行政書士になったあとの業務のひとつに事業承継を検討してみよう
行政書士にはさまざまな業務があり、「事業承継の手続き」はそのうちのひとつとして、今後需要が高まると予想されています。
需要があるということは、安定した収入につながりやすいということでもあります。また事業承継業務を手掛けている行政書士はやや少ないため、業務として掲げることで他の行政書士との差別化もできるでしょう。
行政書士デビューしたあとは、業務選びの選択肢のひとつとして「事業承継業務」を検討してみてはいかがでしょうか。
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