資格勉強を行うのに、手書きでノートにまとめる方法とタブレットなどを使ったデジタルで行う方法とがあります。
どちらの方法でも、自分に合った方法で行うのが一番なのですが、効果的なのかはどちらかという質問はよく聞かれます。実は、手書きノートとデジタルとで、それぞれ適した場面が存在します。
そこで今回は、手書きノートとデジタルとで、それぞれのメリット・デメリット、活用方法について紹介いたします。今一度確認して、改めて自分に合った活用法を探ってみましょう。
「手書きノート」のメリット・デメリット
手書きノートの最大のメリットは、「記憶に残りやすい」という点です。
プリンストン大学の講義のメモの取り方による研究結果では、パソコンよりも手書きの方が、理解度が高まり成績が上がったという結果が出ています。日本においても脳神経の専門家のなかでは、デジタルよりも手書きの方が、手で文字を書くという高度な動作を伴うため、前頭前野を含む脳の広い範囲を刺激すると考えられています。その結果、思考力や記憶力だけでなく感情のコントロールに及ぶまで多くの神経ネットワークの形成に繋がるといいます。
また、手書きノートのデメリットとされる「時間がかかる」という点が、逆に情報が脳に記憶されやすいとも考えられています。
デジタルツールのメリット・デメリット
資格勉強において、デジタルツールを使ってまとめることによって得られるメリットは、勉強の効率化につながる点です。
たとえば、問題集で解けなかった問題とそれについてのテキストの説明箇所を、まとめてカメラなどで記録しておくことで、効率的な復習が実現します。テーマ毎や復習の必要度合いに分けてフォルダーに入れておけば、問題集やテキストなど複数冊を持ち歩くことなく、電車などの隙間時間に簡単に内容の濃い復習が行えます。
また、問題集やテキストを机の上に広げるのには、ある程度のスペースや時間を要するのに対し、ふだんからスマートフォンやタブレットの使用に抵抗がない世代にとって、デジタル―ツールを使用しての勉強の方が、勉強時間への移行のハードルが低くなるといったメリットもあります。
さらに、不明点が出た時にすぐに検索エンジンで調べられるといったメリットもあります。
いっぽうで、デジタルツールを使用してまとめることで、勉強が作業と化してしまい、記憶に繋がりにくいというデメリットもあります。
手書きノートとデジタル、資格勉強でのおすすめの使い分け方法とは
資格勉強では、膨大な単元をこなす必要があり、効率的な勉強は必須です。いっぽうで、いくらサクサク勉強が進んでも、長期記憶に残らなければ意味がありません。
そのため資格勉強では、手書きノートとデジタルとの両方を活用したハイブリッド方式がおすすめです。
まずはデジタル方式で、勉強範囲全般について要点をまとめたり、大切な部分の抜出しなどを行います。問題集の間違えた箇所もまずはデジタルで抜き出してフォルダー分けしておきましょう
テキストや問題集に一通り目を通した後のステップには、手書きノートを使いましょう。この段階では、ノートにまとめる必要がある範囲は、かなり絞られているはずなので、最初から手書きで行うよりも、時間が短縮されるはずです。覚えにくい箇所や苦手な部分について、時間をかけて手書きでまとめることで、記憶にしっかりと定着させることができるでしょう。
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