資格取得のために勉強をしているのに、どうしてもモチベーションが保てなかったり、努力が続かなかったりすることは、誰しも経験するものです。それは「意志が弱いから」ではなく、脳の働きのせいかもしれません。
勉強中の中だるみや目標を見失いかけたときは、「メタアウトカム」という考え方を取り入れてみましょう。
ここではメタアウトカムの概要や、資格勉強への取り入れ方を解説します。
目次
「メタアウトカム」とはどのような考え方?
人間の脳には「理性・思考」をつかさどる新しい脳「本能」をつかさどる古い脳の2つがあります。資格の勉強をするにあたって「1日2時間勉強しよう」「資格試験で〇〇点以上取ろう」と決意するのは新しい脳です。しかし、2つの脳のうち強い働きを見せるのは「古い脳」なのです。
古い脳は変化を起こしたときに悪い結果になることを避けようとする「現状維持」の本能が強く働く性質があります。新しい脳で「現状を変えて頑張ったほうがいい」と考える一方で、古い脳が「今まで通りが安心」「勉強はやめよう」と強く反発すると、一気に勉強に対するやる気がなくなってしまいます。
こうした脳の働きや葛藤を乗り越え、資格合格を目指すために役立つ考え方が「メタアウトカム」です。
メタアウトカムは「目標を達成すると得られるもの」という意味です。
例えば資格試験におけるメタアウトカムは「合格すること」ではなく、「合格したあとに得られるもの」と考えればよいでしょう。得られるものは人からの賞賛であったり、資格手当であったりとさまざまですが、こう考えた時点で「合格=ゴール」ではなくなります。
つまり、“目標を達成したあとのビジョン”をはっきりと描くことで、長期的なやる気を引き出せるようになるのです。
メタアウトカムを資格勉強に取り入れるには?
資格勉強にメタアウトカムを取り入れるには、以下の手順どおりにしてみましょう。
1.目標を達成したあとのビジョンを具体的に描いてみる
「試験合格後に資格手当をもらえる」「周囲にほめられる」など、目標を達成したあとの自分の姿を想像してみましょう。
2.前向きな目標を決める
例えば「勉強をサボるのをやめたい」なら「1日30分でもいいから勉強して知識を身に付けたい」というふうに、メタアウトカムに必要な目標を前向きで肯定的な表現にしましょう。
3.目標達成までの道筋や足りないものを探る
目標を達成するまでにやるべきこと(苦手な分野のあぶり出し、単語暗記など)や、自分に足りていないもの(勉強時間、適切な勉強方法など)をしっかりと確認しましょう。
4.目標の達成に必要なもの(リソース)を考えてみる
目標を達成するために使える経験や時間、人脈などをリソースといいます。これらを考えつつ、足りない場合は何としてでもリソースを手に入れましょう。
5.メタアウトカムがふさわしいか再確認して、行動に移す
最後は「考えたメタアウトカムが自分に合っているか?」「目標実現に邪魔をしているものは何か?」を再確認しましょう。ここで問題がなければ迷いも取り払われますので、すぐに行動に移すことができますよ。
メタアウトカムを明確にして、資格勉強のモチベ維持につなげよう!
資格勉強はモチベーションの維持が大きな課題となります。目標を見失いそうなときや、やる気が出ないときは、メタアウトカムを明確にしてみてはいかがでしょうか?しっかりとしたビジョンを持つことで、目標に向かう姿勢にも迷いがなくなりますよ。
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