司法書士試験に出題される科目は全部で11科目あります。
どれも司法書士になるためには必要な科目ですが、出題数に占める割合は科目ごとに差があり、「主要科目」と「マイナー科目」が存在しているのが現実です。
受験勉強に使える時間は限られていますから、科目の重要性に合わせて効率よく学習を進めていきたいものですね。
今回は司法書士試験の「主要科目」と「マイナー科目」の解説と、その取り組み方をご案内します。
司法書士試験の主要科目とは
主要科目とは全11科目のうち、民法、会社法・商法、不動産登記法、商業登記法の4科目のことを指します。
これらの4科目の配点は、全出題数(択一式70問、記述式2問)のうち、なんと82%(55問)を占めています。
限られた時間で合格するためには、この主要科目を重点的に、何度も繰り返し学習して基礎をしっかりと固めることが重要になります。
特に、民法は択一式の出題数が20問と大変多いです。
民法を得意科目とできるかが司法書士試験合格のキーポイントとなります。
また、民法は、会社法・商法、不動産登記法といった他の主要科目の基礎となる科目ですので、民法を学ぶことで他科目の理解も深まります。
しっかりと理解できるまで勉強することが、点数の底上げにつながるでしょう。
司法書士試験のマイナー科目
マイナー科目とは、憲法、刑法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、供託法、司法書士法の7科目のことを指します。
比較的配点は低い科目ですが、だからといって捨て科目ではないので注意が必要です。
司法書士試験に合格するためには択一式問題でおおむね85%程度の得点をしなければなりません。
たとえ主要科目が満点でも、マイナー科目をおろそかにしておくと合格はできないのです。
民事訴訟法、民事保全法、民事執行法、司法書士法では、出題のほとんどは条文の知識になります。
ただ、民事訴訟法では制度概念等に関する判例からの出題が過去にあったので注意が必要です。供託法は条文と先例から、刑法と憲法は条文の判例からの出題がメインとなります。
これらのマイナー科目を合格レベルに引き上げるには、早めに取り組むことが大切です。
試験直前期にまとめて勉強するのではなく、主要科目を一巡した段階で勉強を開始し、司法書士試験の全体像をつかみます。
そこから、主要科目に重点を置きつつも、マイナー科目の過去問練習に取り組んでいきましょう。
過去問練習を通じて自分の弱点を見つけ、ポイントを押さえた復習をしていくことで、勉強時間を効率よく使うことができます。
すべての科目を隅から隅まで網羅すれば、もちろん試験に合格することができるでしょう。
しかし、多くの人にとって、受験勉強に割ける時間は非常に限られているものです。
出題科目ごとの重要性を理解し、主要科目は継続的に勉強して基礎を固める、マイナー科目は早めに手を付けて都度ポイントを押さえた学習をする、というように科目ごとに上手に切り替えて効率的に学習することが、合格への近道となるでしょう。
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