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資格勉強にも最適? 「想起学習」の効果を解説


資格勉強にも最適? 「想起学習」の効果を解説

資格の勉強法にはさまざまな手法があります。しかし中には、残念なことに効果が得られにくい学習法も多く見られます。効率的に資格勉強を進めたい人は、「想起学習法」という勉強法を試してみてはいかがでしょうか。
ここでは科学的根拠のある「想起学習法」の効果やメリット、実際のやり方をご紹介します。

 

資格勉強にもおすすめの想起学習とは? 科学的根拠を解説

皆さんの中には「テキストにアンダーラインを引いたけどそれだけで満足して終わった」という経験のある方も多いでしょう。他には、「模試1週間前に詰め込みで勉強をしたけれど、時間が経って本試験になるころには忘れてしまった」という方もいるかもしれません。
 
これらの勉強法が失敗に終わるのは、「アンダーラインを引いただけで脳に内容がインプットされていない」「一点集中型の詰め込み学習のため脳に記憶が定着していない」という理由です。
乱暴な言い方をすれば、「正しい学習方法ではない」といえるでしょう。
 
本当に効果的な学習方法は、「忘れた頃に思い出すこと」。これが本記事でご紹介する「想起学習」です。

想起学習の科学的根拠

想起学習の効果は、アメリカのワシントン大学でマーク・A・マクダニエル氏らによって行われた実験により実証されています。
 
同国イリノイ州・コロンビアの中学校を対象に行われた実験では、①テスト形式で復習をした範囲、②テスト形式で復習しなかった範囲それぞれの成績を比較しました。
すると「テスト形式で復習をした範囲」のほうが、生徒たちの成績が良かったのです。(参考:http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.621.6379&rep=rep1&type=pdf)
学んだことを思い出すと、脳の“記憶に関わる神経回路”が強化されます。要するに記憶へ定着しやすくなるのです。想起学習はよくある「テキストを見直す」という復習法よりも、記憶への定着率が格段に良いともいわれています。

資格勉強で想起学習をする方法! メリットは?

想起学習をするのに最も適した方法は「勉強したことを忘れた頃にテストをすること」です。
テストは自作でも良いですし、資格問題集のまとめ問題を解いてもかまいません。クイズを作って、一問一答をするのもおすすめですよ。このとき大切なのが「間違えてもいいから、頑張って思い出すこと」です。
 
忘れてしまったことを脳内の手がかりを頼りに思い出そうとする過程や、やっとのことで思い出したとき、記憶が強化されていきます。
また間違えること自体は、決して悪いことではありません。「自分がどこまで理解しているのかが分かる」「間違い直しで正しい知識を再インプットできる」などのメリットもあるからです。
 
想起学習をするメリットは「記憶が定着しやすくなること」「間違えて覚えていたことに気付けること」だといえます。
想起学習法は忘れてからテストをする勉強方法なので、「勉強したことを忘れやすい」という方にとても向いている方法かもしれませんね。

想起学習で記憶定着率アップ! 資格勉強に活かそう!


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「忘れたことを思い出す」という想起学習は、科学的にも効果が検証されているすばらしい学習法です。最初のうちは思い出すこと自体が大変でストレスを感じるかもしれませんが、繰り返すうちに内容がどんどん頭に定着していき、勉強自体が楽しくなっていくはず。
「忘れっぽい」「資格勉強の期間が長い」という方は、想起学習を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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東京法経学院

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