司法書士と行政書士。この2つの資格は、名前が似ているだけでなく行える仕事も似ており、いずれの資格も法手続き系の業務を行うことができます。
ただし、司法書士と行政書士の仕事は全く同じということはありません。
ここでは司法書士と行政書士がそれぞれ行える仕事と、両者の違いについてご紹介します。
相続関連の業務
相続関連の業務において、以下の業務は司法書士と行政書士の両方が行えます。
- 遺言書(公正証書遺言書や自筆証書遺言書)の作成
- 亡くなった方の戸籍謄本等の収集
- 相続人の調査、確定
- 遺産分割協議書の作成
しかし次の業務は司法書士が行えます。
- 相続登記(亡くなった方の住宅、マンション、土地等の名義変更、相続手続き)
- 相続放棄の手続き
会社設立関連の業務
会社設立関連の業務において、以下の業務は司法書士と行政書士の両方が行えます。
- 定款の作成、公証人役場での認証手続き
一方で、次の業務は司法書士が行えます。
- 法務局(登記所)に対する、会社設立の登記
司法書士になると行える業務
- 家庭裁判所に対する調停、審判の申立書の作成
- 簡易裁判所における訴訟代理業務(140万円以下の訴訟であれば弁護士同様に弁論なども可能)
行政書士になると行える業務
- 役所に対する各種許認可手続き(建設業許可、古物商許可、飲食業許可など)
- 自動車関連の手続き(自動車登録、車庫証明、名義変更、廃車手続きなど)
- 外国人に対する手続き(在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更、永住許可申請など)
司法書士と行政書士どちらの資格が良いか?
先にご紹介したように、共通して行える業務もあれば、その資格でなければ行えない業務もありますので、どちらが良いかどうかは本人のやりたい仕事内容によります。
ただし、押さえておきたいポイントは司法書士の方が行える仕事の範囲も広く、年収も高くなる傾向があるということ。
難易度としても、司法書士は“非常に難しい”レベルに分類され、公認会計士や税理士に次ぐ難易な資格とっています。行政書士は“難しい”レベルに分類され、日商簿記検定1級など同水準の難易度となります。
なお活躍している方は、司法書士と行政書士の両方の資格を所有している方が多いです。
このように司法書士と行政書士は名前は似ていますが、行える業務に差があります。
どちらの資格を取得するのか、目的がはっきりしたほうが勉強も捗るものです。
自分が行いたい仕事内容と照らし合わせながら、どちらの資格を目指すか検討してみてください。
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