司法書士は、個人事業であれば定年などのリミットが無いため、一生涯でも働ける仕事です。そのため年齢や性別を問わず幅広い方が受験する資格となっています。
司法書士試験に合格するために、年齢制限などのルールは存在するのでしょうか? また“受験に適した年齢”などはあるのでしょうか?
今回は司法書士試験合格者の年齢やその割合についてご紹介します。
平成28年度 司法書士試験合格者はおよそ4%
平成28年度の司法書士合格者の受験者情報を見てみると、出願者20,360人、受験者16,725人の中から合格を勝ち取ったのは、わずかに660人。合格率にして3.9%でした。このような数字を目の当たりにすると、司法書士試験の難易度ばかりに気が向いてしまいますが、実は受験者資格のハードルはとても低いものなのです。
・司法書士試験受験に年齢制限などは無い
司法書士の受験には、年齢や学歴など受験するために必要な規定は設けられていません。
平成28年度試験の最年少合格者は若干21歳、最高齢合格者は71歳という年齢の開きがありました。
・学歴・職務経歴も不問
司法書士試験の受験資格には、学歴や職務経験等の条件も設けられていません。実際、高卒の合格者も多いと言われています。むしろ自らの劣等感をバネに専門的知識を身に着け、見事に司法書士の資格を勝ち取ったという方もいることでしょう。
さらに年齢分布を見てみると、働きながら司法書士の勉強を進めている方が多いことが分かります。
司法書士試験合格者の年齢分布
それでは平成28年度の司法書士試験合格者660人の、年代別合格者数の分布と全体に占める割合を見ていきましょう。
・20代受験者数 113人 (約17%)
・30代受験者数 281人 (約43%)
・40代受験者数 187人 (約28%)
・50代受験者数 55人 (約8%)
・60~70代受験者数 24人 (約3)
この数値を見てみると、30,40代の受験者が半数以上を占めていることが分かります。
本来、司法書士試験の受験資格には年齢規定が無く、高校・大学在学中から勉強を始め、卒業した直後にでも受験することができます。ただ、この数値からも分かる通り、ある程度の社会人経験を積んだ後、働き盛りの世代で試験を受ける方が多いのです。
司法書士の資格を得た場合、すぐにでも司法書士事務所で働き出すことが可能です。資格さえあれば即戦力になれる反面、学生などはビジネスマナーを身に着ける機会がありません。そのためある程度の社会人経験を積んでいる司法書士の方が、採用の場面においては優遇されやすくなるのです。
司法書士試験合格者の年齢情報を見てみると、人生を改めて見つめ直す30代から40代の合格者が多いことが分かります。司法書士の資格を得ることは、法律家としてのステップアップや、キャリア再構築に有効な手段なのです。
コラムの運営会社
株式会社東京法経学院は10年以上にわたり、土地家屋調査士・測量士補・司法書士・行政書士など、法律系国家資格取得の受験指導を行ってきました。
通学・通信講座の提供だけではなく、受験対策用書籍の企画や販売、企業・団体の社員研修もサービス提供しています。