六法全書に掲載されている法律の条文をひたすら読む、素読という勉強法。司法書士試験対策に効果のある勉強法のひとつと言われています。
しかし、ただ文字を追って音読するだけでは充分な効果を得ることはできません。しっかりポイントを押さえて行わないと、ただ読んだだけで終わってしまい、貴重な勉強時間を無駄にしてしまう恐れがあるのです。素読はポイントをしっかり押さえて行うようにしましょう。
素読は本当に効果がある?
条文の素読というのは、六法全書に掲載されている法律の条文を読むことです。そこに書かれている通りに、読書をしている感覚で読んでいきます。法律の条文を書かれている通り読み上げることで、間違いのない知識を取得することができますし、読み上げる作業を繰り返すことで、法律の細かい部分が頭の中に定着しやすくなると言われています。
しかし、何も考えずに素読するだけでは当然そのような効果は得られません。次項以降で、素読をする際のポイントや注意点を紹介していきます。
素読の際は必ず音読する
黙読で素読を行ってしまうと、ただ目で文字を追うだけで終わってしまう可能性があります。素読をする際は、その条文がどのような意味を持っているのか考えながら、実際に声を出しながら素読するようにしてください。実際に条文を読み上げることで理解度が増し、より大きな効果を得られるでしょう。
また、CDが読み上げる条文を聞きながら素読する際も、ただ音声を聞くだけの「聞き流し」は絶対に避け、音声に合わせて音読するようにしてください。
1から順に素読をしない
素読を勉強に取り入れた方がやってしまいがちなミスが、「六法全書の1ページ目から素読を始める」というものです。
このような方法をとってしまうと、多くのケースで「六法全書の読破」が目的になってしまい、素読の効果が薄れてしまいます。六法全書を最初から最後まで読んだだけでは、そこに書かれている知識が身に付くことはほとんどありませんので注意してください。
1から読み進めるのではなく、参考書や過去問を進めていく中で、気になった条文に限定して素読をするという方法がおすすめです。一度参考書などで概要を理解している分、素読をしたときによりしっかりと知識として頭の中に定着しやすくなります。
素読は基礎知識を身につけてから行う
司法書士試験を受けると決め、まだ何も法律に関する知識を持っていない状況でいきなり素読を始めてもあまり効果は得られません。法律の条文は専門用語や複雑な文法が多く登場するもので、法律に関する基礎知識がない状態で読んでも意味がきちんと理解できないことが多くなるのです。
参考書などである程度勉強をして、法律に関する知識の下地を作ってから、知識の確認や強化をする目的で素読をするようにしてください。
素読は何も考えずに行うだけでは学習者の力になってくれません。また、ゼロから始める勉強法としても不適当です。
ただ、参考書や過去問集を使ってある程度学習をして最低限の知識を身につけたうえで、条文に書いてある内容を理解しながら読むことで、素読は大きな力になってくれます。
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