法人登記(会社登記)は、会社の設立に欠かせない手続きです。特に「司法書士として会社を設立したい」とお考えの方にとっては、必ず知っておきたいことだといえるでしょう。
そこで今回は、法人登記(会社登記)とはどのようなものか、その目的や手順といった基礎知識をご紹介します。将来に向けてしっかりと基本を押さえておきましょう。
目次
法人登記は何のためにおこなうもの?
法人登記は、会社名や会社の所在地、代表者の氏名・住所などの情報を法務局へ登録することを指します。
登記事項は第三者が閲覧できるようになっており、会社の実態を開示することで会社の信用を維持し、取引が安心しておこなえるようになるのです。
法人登記を実施すると「登記事項証明書」という書類が発行されます。これは登記の事実を証明する書類ですが、「会社を設立している証」として、ビジネス上のさまざまな場面で必要になるものです。
特に、銀行で法人口座を開設する際や税務署への届け出をおこなうときなどは、登記事項証明書が欠かせません。
法人登記に必要な準備は?
法人登記をするには、会社を設立してから2週間以内に手続きをおこなう必要があります。
申し込みをする前には以下の準備を進め、必要なものを揃えましょう。
会社の形態を決める
登記上の会社の形態には「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類があります。
しかし実際に法人登記をしている会社をみてみると、「株式会社」または「合同会社」で申請をしている会社がほとんどです。
資金調達をしつつ会社の発展を狙っている方は株式会社を、費用を抑えながら会社設立をしたい方は合同会社を選ぶとよいでしょう。
登記基本事項の決定
登記の際には以下の情報を定めましょう。
・商号(会社名)
・本店(会社)所在地
・発起人
・取締役
・取締役会、監査役の有無
・事業の目的や内容
・資本金
・事業年度
ちなみに、既に存在している商号と間違えやすい商号を付けてしまうと、不正競争防止法などに抵触して争うことになってしまう可能性もあります。
トラブルを避けるためにも、会社設立予定地に似たような商号の会社がないかをリサーチしておきましょう。
法人用印鑑の作成、印鑑証明書の取得
会社設立時には法人実印が必要ですので、あらかじめ作成しておきましょう。
また同時に社印や会社銀行印、会社名や所在地などが入ったゴム印も作成しておくとスムーズです。
登記には発起人の印鑑証明書が必要になりますので、事前に取得しておきます。また取締役がいる場合は全員分を、取締役会を設置する場合は代表取締役の印鑑証明書が必要です。
定款の作成
登記の際は会社の規則である「定款」を作成しましょう。以下は絶対的記載事項ですので必ず含める必要があります。
・事業目的
・商号(社名)
・本店所在地
・設立時の出資財産の価額、もしくは最低額
・発起人氏名もしくは名称、住所
なお、株式会社の場合は定款認証を受ける必要があるため忘れずに手続きをしましょう。
発起人の個人口座に資本金を振り込む
会社設立時には資金を証明する必要があります。発起人名義の銀行口座へ資本金を振込み「払込み証明書」を作成しましょう。
登記の必要書類を揃え、申請する
法人を設立し登記をする際には、以下の書類を揃えたあと、本店所在地の管轄法務局へ提出します。
・設立登記申請書
・作成した定款
・登録免許税納付用台紙(収入印紙貼付のうえ提出)
・発起人決定書
・就任承諾書(取締役が就任したことを承諾したことを示す書類)
・取締役が取得した印鑑証明書
・印鑑届け出書
・資本金払い込み証明書
なお、申請後は税務署や自治体への届け出(開業届など)、社会保険の加入手続きなども必要です。
また、法人登記をすると法人口座や法人クレジットカードを作成できます。登記と近いタイミングで済ませておくと、そのあとの経営がスムーズになります。
コラムの運営会社
株式会社東京法経学院は10年以上にわたり、土地家屋調査士・測量士補・司法書士・行政書士など、法律系国家資格取得の受験指導を行ってきました。
通学・通信講座の提供だけではなく、受験対策用書籍の企画や販売、企業・団体の社員研修もサービス提供しています。