司法書士のなかには、一般企業の法務のお仕事を行う人もいます。司法書士の資格を所有していることで企業への就職が有利になることもあり、企業法務に就く司法書士も少なくありません。
そこで今回は、司法書士が関わる機会が増えている「企業法務」について解説していきたいと思います。
企業法務とは何なのか、具体的な業務内容について知っておきましょう。
企業法務とは?
企業法務とは、企業に関する法的な業務を指しますが、企業の法務部で業務を行う場合のほか、企業法務の取り扱いがある司法書士事務所・法律事務所で行うこともあります。
法的業務を自社で行わずに法律事務所へ外注する企業もありますが、大企業を中心に近年では自社に法務部を設置している企業は増加傾向にあります。
企業法務には、「対処法務」「予防法務」「戦略法務」の3種類があります。
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.対処法務
対処法務は、企業経営において起こる法的トラブルを処理する業務です。
対処法務は、通常は弁護士が担当するのですが、簡易裁判所における訴訟で訴額140万円以下のものは司法書士が携わることができます。
2.予防法務
予防法務は、企業経営における法的トラブルを予防する業務です。
最近の会社法の改正に伴い、コーポレートガバナンスが企業に求められ、コンプライアンス遵守の重要性が増しています。司法書士が法律知識を活かして予防法務を充実させることで、安心感のある企業経営を行うことができるでしょう。
3.戦略法務
戦略法務では、企業の意思決定など企業経営上における重要な決定に参画する法律業務です。
具体的には、事業承継やM&A、株式公開や株主総会対策、組織再編など、戦略法務はさまざまなケースにおいて行われ、それぞれのケースに関連する法的問題への対応や登記の実施などを中心に、企業の経営者をバックアップする業務を行います。
企業法務の業務内容
企業法務の実際の業務は、契約書の作成や締結業務が中心となります。
そのほかに、登記手続きや商標・特許関連、新規ビジネスへの相談を含む各部門からの法律相談、社内フローの構築や内部統制業務、コンプライアンス業務などが挙げられます。
予防法務を行っているため、訴訟トラブルが起こることは稀なので、訴訟業務はほとんどありません。
司法書士の企業法務について解説いたしました。
一般企業で司法書士の資格を活かしたいとお考えの方は、企業法務の仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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