「これから測量士を目指したい!」という方にとって気になるのが、測量士の「将来性」ではないでしょうか。
測量士の仕事についてはAIやドローンの技術向上により、仕事が奪われるという話も耳にします。
そこで今回は、測量士の将来性について解説します。将来の需要がどう変わっていくのか、チェックしてみましょう。
測量士に将来性はあるの?
結論から言うと、測量士の将来性は十二分にあります。
公共工事の削減により、測量士の登録は年々少なくなりつつあります。そのため測量士の需要について否定的な意見もありますが、需要は常に存在しているのです。
そもそも測量業務には1名以上の測量士を配置しなくてはならず、建設工事には測量士の存在が不可欠です。新規建設以外の再整備・再開発など、測量士の出番は数多くあります。
【測量士の需要が発生するシーン】
・新規建設工事の測量
・災害復興のための測量
・インフラの再整備
・再開発事業
・Webの地図作成業務での測量
さらに測量士業界では、今まさに「世代交代」が行われている時期であり、高齢化した測量士の代わりに若い世代が登場しています。こうした事業も含めると、測量士の需要が急激に低下する……というのは考えにくいといえるでしょう。
測量士の仕事はAI・ドローンで減る?
今後、測量士の仕事を語るうえで欠かせないのが「AI」や「ドローン」です。
・AI(人工知能)による過去データの蓄積、収集、分析
・複雑な地形でのドローンでの測量、3D化
IT技術の発達により、人間の手で行うよりも効率的に測量ができることから、測量士の仕事が奪われるのではないかとの懸念もあるようです。
ただし、測量士の業務の全てがAIやドローンで代替できるわけではありません。
たとえば、打ち合わせ、ヒアリングなどの高度な思考能力を必要とする業務や、ドローンでできない測量などは人間が行う必要があります。
どちらかというと「測量の効率化は進むが、全ての仕事を代替できるわけではない」と考えてよいでしょう。測量士の仕事が無くなるわけではないので、安心してください。
測量士として今後活躍するには?
測量士の仕事はそう簡単にはなくなりません。
しかしながら、AIでできる仕事やドローンで事足りる仕事“のみ”を行っているようならば、仕事の受注数に良くない影響が表れる可能性もあるでしょう。
今後、測量士として活躍するには「常に知識、技術のアップデートをする」ことが何よりも重要です。
AIでは判断できないような高度な知識を得て、かつ最新の測量機器の操作スキルを持っていれば、安定した需要が望めます。
「コミュニケーション能力」を強化し、AIで代替できない存在になることも大切でしょう。
また、測量士のほかにダブルライセンスを取得するのもおすすめです。
・ドローン操縦を学んで「ドローン測量士」となる
・「土地家屋調査士」の資格を取って、測量と土地の表題登記をできるようにする
・「司法書士」の資格を取り、不動産の所有権を明らかにする登記業務もできるようにする
測量以外の業務にも携わることができれば、仕事の幅が広がり、安定した収入が期待できるでしょう。
測量士も知識や資格のアップデートをすれば将来性はある!
測量士をはじめとする士業には「AIに取って代わられる」というネガティブな声もあります。
しかしながら、AIでは代替できない業務がいまだ多いのも確かです。
これから測量士として生き残りたい方は、「機械や技術が人間の仕事を奪う」ではなく、「機械や技術を使いこなす人間になる」ことを意識してみましょう。そのためには、知識やスキル、資格のアップデートを忘れないことが大切ですよ。
コラムの運営会社
株式会社東京法経学院は10年以上にわたり、土地家屋調査士・測量士補・司法書士・行政書士など、法律系国家資格取得の受験指導を行ってきました。
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