土木建設工事を行う際の基礎的業務のなかに、工事を行う土地の距離や面積、位置を計測する「測量業務」があります。測量を行う測量業者には、「測量士」の資格を持つ者の配置が義務付けられており、測量士には独占業務というものが存在します。
この記事では、測量士だけが実施できる独占業務とはどのようなものかについて解説いたします。測量士と測量士補の業務内容の違いについても、合わせてチェックしておきましょう。
測量士の独占業務とは?
工事計画の際に土地を計測する「測量業務」を行う際には、測量の資格を持つ「測量士」または「測量士補」が行わなくてはならないことが「測量法」という法律で定められており、測量士による測量なくして建築物が建つことはありません。
つまり、測量業務は測量士と測量士補の独占業務となっており、測量の仕事を行う場合は資格の取得が必須となります。
測量士は、2~5人でチームを組んで現地へ出向き、専用機器を用いた現場測量を実施するだけでなく、測量法に則した測量計画の作成や図面の作成、測量用写真の撮影などといった業務もあります。
誰もが測量業務を行えるわけではない独占業務にあたるため、測量士、あるいは測量士補の資格を有したものだけが行うことができる、土木建設工事に欠かせない業務です。
測量士補はどこまでできる? 測量士と測量士補の違い
測量業務に関する資格には「測量士」と「測量士補」の2種類があり、両者とも測量法に基づいた国家資格です。測量士と測量士補の業務範囲は当然ながら異なり、「測量士」の資格を有した者は測量計画を作成することが可能となり、測量業務の主任者として業務にあたることができるのに対して、測量士補は測量士の支持の下で業務にあたります。
測量士は測量士補よりも求められる知識が多く、「測量技術に関する広く深い知識」のほか、「円滑な実作業を行わせるのに十分な知見」についても求められます。
測量士と測量士補は、求められる知識量に差があり、資格を取得する際の難易度も異なります。
一方で、測量士の資格・測量士補の資格ともに、測量に関する独占業務を行うことができる資格で、建物を建築するときは欠かせない資格となっています。
社会貢献に繋がる仕事を独占実施できる国家資格であることから、就職や転職においても有利な資格として、注目されているのもうなずけるでしょう。
コラムの運営会社
株式会社東京法経学院は10年以上にわたり、土地家屋調査士・測量士補・司法書士・行政書士など、法律系国家資格取得の受験指導を行ってきました。
通学・通信講座の提供だけではなく、受験対策用書籍の企画や販売、企業・団体の社員研修もサービス提供しています。