資格試験日に向けて、毎日の勉強計画を立て、昨日は勉強に集中して予定通りはかどったのに、今日はまったく勉強に集中できない! など、勉強の進み具合に大きなムラがある、という方は少なくないようです。
そもそも集中できる日とそうでない日の「波」は、どうして生じるのでしょうか?実は、決して無意識に怠けているわけではなく、脳科学的にちゃんと理由があるといいます。
そこで、勉強の進み具合にムラができる原因と、安定して勉強を進めるための対策方法をご紹介いたします。
なぜ、集中できる時とそうでない時があるの?
勉強に集中できる日とそうでない日の「波」が起きてしまう理由は、脳の仕組みである「ホメオスタシス(恒常性)の原理」が働いていることが関係しています。
脳には現状維持が最も安全な状態だと感じる性質があるため、「普段と違う行動」つまり、この場合でいうと「目標達成に向けて勉強に集中する」という変化を避け、本能的に元に戻そうという働きが起こります。
この脳の働きによって、「やっぱり疲れるから無理だ、面倒だ」などと自然と感じてしまい、集中できた日の次の日は、集中できにくい状況が起こりやすいのです。
安定して勉強し続ける方法
ホメオスタシスの原理によって「過度に勉強に集中したあとは、脳は低活動に陥りやすいことがわかりました。では、安定して勉強し続けるためには、どうしたらよいのでしょうか。
それは、勉強への集中が過度に続きすぎないよう、意識的に休息を入れることです。具体的に一例をご紹介します。
1.15分毎に遠くを見る
まずどんなに勉強に集中し波に乗っていても、15分毎に脳と目をいったん休めましょう。
目の前の参考書やタブレットから目を話し、遠くの景色を30秒間見ます。
2.30分毎に立って水分補給をする
次に、勉強開始から30分経過したら、椅子から立ち上がって水分補給をします。
人間の身体は、座った状態では血流が悪くなり、あるデータによると30分座り続けることで血流速度は70%も低下してしまい、脳や体の疲労物質が代謝されにくくなってしまうといいます。
疲労物質を貯めないためにも、飲み物がデスクの上ではなくキッチン等へ取りに行き、身体を1分程度動かすようにしましょう。
3.勉強サイクルは90分間とする
90分間は、集中力の限界と考えられています。もし、休日などさらに勉強を予定しているのであれば、90分間勉強した後は、趣味や家事などをする時間をしばらく挟み、頭と身体をリラックスさせてから、再度取り組むようにしましょう。
勉強の集中できる日とできない日に波が起きる原因と、対策方法についてご紹介いたしました。
勉強の集中が毎日続かないのは、決して自分のせいではありませんが、原因がわかったからこそ、しっかりと対策して、継続的に安定した勉強ができるよう、取り組んでいきたいものですね。
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