専門用語などを暗記するには、コツコツ勉強をすることが大切。しかし暗記したいことが多い場合、すべてを順に覚えていくのでは多大な時間がかかります。通勤時間などのスキマ時間を使って覚えるにしても、覚えることが多いとなかなか大変なものですよね。
そんなときに知っておくと役立つのが、「ライトナーシステム勉強法」です。ここでは「ライトナーシステム勉強法」とはどのようなものか、そのやり方や、メリットをご紹介します。
ライトナーシステム勉強法とは?やり方をご紹介!
ライトナーシステムは、1970年代のドイツで生み出された暗記法です。この勉強法は、人間の記憶力についての研究である「エビングハウスの忘却曲線」をもとに考案されたものです。
人は一旦覚えたことでも20分後には4割、1日後に7割、1ヶ月経てば8割程度忘れてしまいます。こうした忘却率を曲線グラフにまとめたものが、先述の「忘却曲線」です。
ただ、人は日々覚えたことを忘れゆく一方で、適度に反復学習をおこなうと記憶が定着し、長期的な記憶として忘れにくくなります。この性質を利用した効率的な勉強方法が「ライトナーシステム」なのです。
ライトナーシステムのやり方
ライトナーシステムは単語を暗記する際におすすめの方法です。
①まず5つの箱を用意して、A~Eの印をつける。覚えたいことを書いた暗記カードを作っておく
②Aには「毎日」Bには「1日おき」、Cには「3日おき」Dは「7日おき」、Eは「15日おき」と書いておくと後々分かりやすい
③暗記カードを全てAの箱に入れる
④暗記カードを1枚ずつチェックしていき、正解したものはBへ、不正解のものはAに入れる
⑤次の日に1の箱の暗記カードをチェックし、正解したものはBへ。Bの箱で正解したものはCへ、という風にどんどん移動させていく
⑥B以降の箱は決められた間隔で暗記カードをチェックし、間違えた場合はAへ、正解の場合は次のアルファベットの箱へ入れる
「覚えている度合いによって暗記カードを振り分けていく」というシンプルな方法ですが、習熟度の優先順位を機械的に決めることで、覚えにくいものを暗記する機会が増やせます。
ライトナーシステム勉強法のメリット
ライトナーシステム勉強法の最大のメリットは、「苦手な単語だけを反復して学びやすくなる」という点です。
単語の中には覚えやすいものと覚えにくいものがあります。覚えやすいものはたまに復習する程度でも忘れにくいですが、なかなか覚えられないものに関しては単語に接する機会を増やすことが重要です。
ライトナーシステムで習熟度に応じて暗記カードを振り分けられれば、苦手なものだけを集中的に練習することができます。
また、暗記カードを順に見ていくだけでは本当に覚えたことにはなりません。順番通りに答えを丸暗記してしまっているだけでは、バラバラに出題されると正解できなくなるからです。
ライトナーシステムならくじ引きのようにランダムに暗記カードを引いて答えるので、単語そのものの名前や意味を覚えやすくなります。
忘却曲線に沿って学んでいくので定着率も良く、忘れにくい暗記ができるようになるのも魅力ですね。
暗記の時短に! ライトナーシステム勉強法を試してみよう
ライトナーシステム勉強法を活用すると、暗記対象を「覚えていること」「忘れかけていること」へと振り分けて効率的に学習が進められるようになります。暗記をするタイミングが分散するので、他の勉強に時間をさけるようになるのもうれしいポイントですね。
勉強をする時間が限られている方や、暗記が苦手な方は、ライトナーシステム勉強法を活用してみましょう!
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