本番での解答力と妻子への思い|合格体験記|行政書士試験|東京法経学院




行政書士 合格体験記

本番での解答力と妻子への思い

体験記

 体験記

はじめに

 私は,妻子を持つ30代の中小企業に勤めるサラリーマンです。おかげさまで,今回2回目の受験で合格できました。
勤務先は国内ですが,遠方への出張もあり,毎日コンスタントに学習時間を確保することは困難でした。なので,時間に余裕のある日や土日を中心に学習するというスタイルでしたが,土日でも,子どもと接する時間や家事を行う時間も大切にしたかったので,長時間学習もそれほどできません(しません)でした。
そこで,時間が限られているからこそ集中して濃い内容で,いかに効率よく学習できるかがポイントになりました。

試験制度変更で学習しやすく

 2006年度試験は「新試験制度」へ変わる第1回目で,試験前から各方面で様々な憶測と情報が飛び交っていました。
大きな変更点は,「法令科目の変更(憲法・行政法・民法・商法)」,「一般知識の変更(政治経済・読解・情報通信・個人情報保護)」,「より法的思考力を問う問題」,「40字程度の記述」の4点でした。
結果からいえば,法令科目が絞られたことは,私にとって非常に学習がやりやすかったといえます。
前回は,様々な法令の学習で精力を分散してしまったのですが,今回は法令科目が絞られたことにより,集中して学習できました。また,一般教養もある程度絞られたことにより,学習しやすかったといえます。
「より法的思考力を問う問題」,「40字記述」については,従来どおり基本的な条文知識や判例知識のしっかりとした基礎がなければ始まらないと思っていたので,特に気にしませんでした。実際に本試験では,択一,記述ともに,基本的な条文知識と判例知識で十分に対応できたと思います

本番に強くなるには

 1回目の受験では,学習教材として市販の書籍と過去問,予想問題集などを用いて,独学で勉強していました。各社の直前模試も2冊購入して,すべて取り組みました。
模試などでは,6割〜7割の得点がコンスタントに取れていましたが,それをいいことに,直前期は間違えた問題のみの復習など,単純な学習を1時間ほどしか行わず,本番では見事?5割の得点しか取れませんでした。
原因として,過去問や模試と,最終的に合格率2%台になった本試験との難易度の差によるものがあったと思いますが,なによりも,テキストや問題集で見たことのない問題に対して,動揺して舞い上がってしまったことです。
また,比較的簡単といわれている,憲法や一般教養に対する認識の甘さと油断が大いに出たものでした。問題集や模試の正答率が高いといっても,本試験で6割取れなければ意味がありません。
そこで,2006年度の試験において,本番に強くなるにはどうすればよいか考えた結果,どんな難易度でも6割とることのできる真の実力をつけるには,「たくさんの問題を解く」という結論に達しました。
どのような問題にでも動揺せずに対応できることと,「だれでもできる問題,得点しなければいけない問題」,「5割以上の率で得点できる問題」,「できなくても仕方のない問題」とを見分けて解く力は,とにかく問題の量をこなして「問題自体」に慣れる事でした。
本試験では,どのみち初めて見る問題に取り組まなければなりません。同じ過去問題集や予想問題集を繰り返し解くことも,傾向を見るうえでは大切ですが,基礎力は前回受けた試験である程度ついているからこそ,「本番の力」を重視しました。

先生の言葉が指針に

 メインの教材として選んだのは,東京法経学院の「ペースメーカー本試験対策答練’06」でした。通勤時間に講義を聞くことのできるCD付であることも,ちょうど私の状況に適したものと思いました(価格も他校と比べてリーズナブルでした)。
実際に受講してみると,講座の名前のとおり,確かにペースメーカーのように計画的な学習ができることはもとより,講義CDを反復して聴くことによって解答力はもちろん,自分の苦手箇所が認識できました。
特に,「だれでもできる問題,得点しなければいけない問題」,「5割以上の率で得点できる問題」,「できなくても仕方のない問題」といった明確な指摘があるので,必然的に,問題を分析判断する力も養え,時間をかけて勉強する問題と,そうでない問題とを分けて効率的に学習できたと思います。
また,時折出てくる担当講師の永谷先生の心構えとしての言葉が,私の試験に対する認識の甘さを糾してくれていたような気がします。
そのなかでも,「あとで復習するからと言ってきれいにファイリングしても,後で絶対やりませんから今復習しましょう。」とか,「本番では緊張して80%ぐらいの力しか出ませんから,たくさん勉強しましょうという言葉は嘘です。国家資格は,本番で100%の力を出せなければ,いつまで経っても合格しません。」という言葉は,私の学習に対する姿勢の指針にもなりました。
また,この講座以外にも市販の過去問題集,各学校・出版社の予想問題集,直前模試を各2 〜3冊こなしました。反復しないで1問1問,問題を解き,その場で復習という形で,とにかくあらゆる問題を数多くこなしました。
先にも述べたとおり,本試験では,すべて見たことのない問題や期待を裏切る問題が出てきます。見たことのない問題を解く力は,たくさんの問題を解くことにより生まれると思います。基礎知識は多少自信があっても,解答力に不安があったので,この「あらゆる問題をたくさんこなす方法」も功を奏したものと思います。
また,一般的に同じ問題集を繰り返すことが良いとされますが,一つの学校教材,一つの出版社では傾向に偏りが出てくると感じました。

直前期と記述対策

 新試験制度での40字記述対策には,択一問題を丁寧にやって基本的な知識と解答力がついていれば問題はないと思っていました。しかし,実際には本試験ではどうなるか分からないので,念には念を入れて「総合的なポイント横断復習」も兼ねて「東京法経学院直前記述対策」を受講しました。
フタを開けてみれば,択一よりは難易度は高くない,基本的な問題が中心でしたが,講座で出た問題が1問,ほぼそのまま出題されてきたのは幸いでした。
直前期(2週間前)は,とにかく体と精神を休めることに集中しました。1日最低6時間,仕事で疲れたときは早めに就寝して,8時間以上睡眠をとることもありました。学習時間が全く取れなくとも,平日の夜は2時間程度で勉強を切り上げ,とにかく睡眠を(子どもとの遊ぶ時間も)優先しました。直前2週間前になったらジタバタしてもはじまらないと思って,睡眠をしっかり取るのも,気分転換するのも,受験勉強の一環として「必要的」に休みました。

試験開始後の秘訣

 本試験では,新試験制度ということもあり,おおよその解答する計画や難易度を計るために,試験開始後10分ほど,最初から最後まで少し時
間をかけて問題を見ました。
これは,「東京法経学院ペースメーカー本試験対策答練’06」の永谷先生の講義CDのアドバイスによるものです。このやり方だと,見て取り組みやすい順序から,簡単に解けそうな問題は素早く,時間をかけるところはかけて慎重に取り組むことができます。
問題をざっと見たところ,試験終了時ではなく,開始10分で「これはいける」と確信しました。
なぜなら,おおよそ学習で取り組んだ問題が少し変わって出たような感じに見えて,それぞれの問題に対しての「動揺」や「不安」を感じなかったからです。
試験開始後には少し時間をかけて,すべての問題に目を通すことは,あらゆる意味で必要ですので,是非お勧めします。

体調管理術

 服装ですが,黒系の服は,日向の席だと薄着になってもかなり暑いです。また,トイレは遠慮せず,試験中何度でも行ってください。日向では,黒い服で暑くて汗をかいて集中できません。
体調管理のためには,ビタミンの補給と風邪対策にサプリメントを使い,脳に良いといわれるDHAもサプリメントで補給しました。本試験直前にはもちろん,毎回の学習前にはバナナ,チョコレートなど,糖分の補給も欠かせませんでした(気休めかもしれませんが)。

最後に

 心構えとして感じたことですが,国家試験というものは,どれだけお金をかけて努力しても,合格しなければ何も受験勉強していない一般人となんら変わりませんし,評価されません。完全な絶対評価です。今までかけたお金と労力,そして,一番は,家族の応援と苦労を無駄にしたくないという気持ちが大切ではないかと思います。妻子がいる受験生にはお分かりだと思いますが,受験のときは,受験者本人だけでなく,家族も大変なのです。もしかしたら本人より大変なのかもしれません。その思いを考えれば,「合格しなければならない」という気持ちもより高まってくるものと思います。
社会人の場合,時間が限られているからこそ,「集中力の密度」が高いと思います。一見,時間の多くある学生などと比べれば不利かと感じますが,時間が制約された集中力は,逆に考えれば,社会人の非常に有利な点といえると思います。私はこの点は絶対に有利だと思います。最後となりますが・・・行政書士試験を応援してくれた家族,特に妻と子どもには気苦労をたくさんかけました(パパのわがままをごめんね)。
東京法経学院講師の永谷先生をはじめとする,講師の先生方とスタッフの皆様のご尽力を,ここをお借りしまして御礼申し上げます。本当にありがとうございました。