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行政書士 合格体験記

独学での合格方法

体験記

 体験記

1 はじめに

 私は平成16年度の本試験になんとか1回で合格できました。受験指導校の利用は模試を2、3回受けた程度なので、「完全独学」に近いと思います。受験指導校の利用が合格への近道であることに異論はありませんが、訳あって独学で試験に臨まれるという方に、少しでも参考になれば幸いだと思い、今回合格体験記を執筆することにしました。なお、この合格体験記を読む際には、私には、学生で比較的時間がとれ、法律の勉強経験があったので法律科目の勉強時間が短く済んだ、という特徴があることにご留意ください。

2 最初にしたこと

行政書士試験の受験を決意して、最初にしたことは、いわゆるノウハウ本や合格体験記を読みあさったことでした。合理的な勉強法を研究するためです。次に、年度別問題集を用いて、平成15年度の過去問を本番同様に解いてみました。まったく勉強していない状態で過去問に当たることにより、本試験のレベルを知り、合格に足りない部分を把握して、学習計画に反映させようと考えたからです。

3 法律科目の学習方法

  1. (1)テキストを読む
    まず、テキストを通読しました。このとき、心掛けたのは次の2点です。第1に、テキストを一度に完璧に理解しようとしないことです。法律を学ぶ場合、全体をみないと理解できないという場面が多々あります。民法には特に当てはまることですが、分からないところがあっても、とりあえず先に進むほうが、その場で悩むよりも早く理解できるようになると思います。第2に、テキストは読みこむもの(基本書)の他に何冊か用意することです。法律学の教科書は、正確さを保つためか、難解な記述がなされている場合があります。独学の場合は、悲しいことに、質問できる人がいません。そこで、私は、基本書の他に、図書館を利用して何冊か教科書を用意し、自分で調べることにしました。違う表現がなされると理解できるということは、意外とあるものです。
  2. (2)問題集を解く 
    テキストに一通り目を通すと、次に、過去問を解きました。この点、テキストを完全に理解してから問題を解くべきだという意見があります。しかし、私は、早い段階で問題を解くべきだと思います。一度読んだテキストを初めから読みなおすと、分かっているところをもう一度勉強することになります。一方、間違えたところをテキストに戻って確認するという作業は自分の弱点をピンポイントで克服することができます。また、本試験のレベルを知るという観点からも、過去問には早い段階で当たるべきです。私はこのように考えて、あまりにちんぷんかんぷんな場合を除いて、テキストを一読するとすぐに過去問に当たりました。
    過去問を解く際に、留意したのは次の2点です。第1に、全ての肢を検討するということです。たとえ分からない肢がその問題を解くのに影響せず正解を導けたとしても、本試験ではその分からない肢が問題の鍵をにぎる肢となる場合があります。過去問は「肢単位」で潰すべきです。第2に、間違えた肢はできるまで何度も解き、全ての肢を正解できた問題は再び解かない、ということです。これは、前述したように、「間違えた箇所こそが弱点であり、分かっているところをやり直すのは非効率的だ」、と考えたからです。よく「過去問は〜回まわせ」といわれることがあります。この言葉は、「できない問題は何度でも解きなさい」ということを意味しているのだと思います。
    過去問を一通り解くと、次に、受験指導校などが出版している予想問題集を解きました。行政書士試験の場合、平成12年度に試験制度が改変されましたので、過去問のみでは演習量が不足すると考えたからです。また、本試験と同様に60問で構成されている問題集は、受験指導校で行われる答練のかわりという感覚で解きました。
  3. (3)法律科目の学習方法のまとめ
    以上をまとめると、テキストを読む→過去問を解く(間違えたところは基本書で確認)→予想問題集を解く(同じく間違えたところは基本書で確認)→過去問・予想問題集の間違えたところだけを解きなおす、ということになります。これに、通信での模試数回を加えたものが、私が法律科目について行った勉強です。

4 一般教養の学習方法

 法律の勉強経験があり、また、数学嫌いの私にとって、最も脅威に感じられたのが、一般教養でした。最初に平成15年度の過去問を解いたときも、足きりラインすら下回るという状況でした。特に社会の問題が難しく感じられ、一般教養が合格の鍵を握ると考えました。そこで、私は、1.新聞を読む他に、2.「朝日キーワード」(朝日新聞社)などの時事問題集を読む、3.「現代用語の基礎知識」(自由国民社)のうちの本試験に出そうなところを読みこむ、4.IT関連・会計などの入門書を読む、といったことを行いました。また、問題演習については、過去問は、法律科目と異なり、再び出題されることはないだろうと考えたので、5.予想問題集のほうに力を入れました。その結果、本試験では、6.により問題57の、3.により問題51の、4.により問題54の、5.により問題53の正解を選ぶことができました。1〜5の作業は骨の折れるものでしたが、一応は報われたことになります。ただ、社会に力を入れすぎたためか、本番では漢字の問題を間違えてしまい、一般教養は足きりラインぎりぎりの点数となってしまいました。この点、「少しバランスをくずしたかな」と反省しています。

5 おわりに

 参考書・問題集の選択には、「行政書士最短最速合格法」(竹原健、日本実業出版社)が参考になりました。この本は、使用すべき問題集・参考書が数多く記載されているのみでなく、科目別の学習方法も詳しく、何冊か読んだノウハウ本の中ではもっとも役立ちました。ただ、私の知る限りでは平成15・16年度の本試験を踏まえた版はまだ出ていないので、皆さんが使用される際にはこの点にご留意ください。
稚拙な私の文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。