サブノートをつくって弱点補強|合格体験記|行政書士試験|東京法経学院





行政書士 合格体験記

サブノートをつくって弱点補強

体験記

大西英一郎さん

 


 体験記

◆はじめに

 私は平成20年度の行政書士試験に2度目の挑戦で合格しました。最初に受験したのが17年度でしたので思い付いてから4年経ったことになります。何故これほどの時間がかかったかというと,主因は2つあります。
1つ目は,18年度から試験内容が変更されたことです。個人情報など一般問題がかなり変わったので,数年様子をみることにしました。過 去問が使いづらくなったことで不安な要因が増えたからです。2つ目はテンションが下がったことです。仕事をしながらの受験ですから常にやる気が続く訳ではなく,再び受験意識が高まるまで3年を必要としました。
平成20年は私にとっても大きな転機の年でした。大学卒業後金融機関に勤め,約10年働いて退職。その後は家業を父と共に勤めてまいりましたが,採算改善の見込みが無いと判断し廃業を決めました。在庫処分など終わったのが7月頃でした。就職活動を始めるかどうか考えましたが,世間ではサブプライムローンの問題が顕在化しており景気が芳しくない状況に傾き始めていました。(この後リーマンの破綻により一気に景気悪化へと進むことになります。)
また履歴書に書く資格も無いのが現状で,これまでさぼってきたつけが表面化したように思えました。就職活動のため,あるいは開業のため,私の中で行政書士試験に合格することが必須になりました。家族にも説明し,また廃業したものの事務所業務や来客者もあるため本格的な就職活動は試験以降にすることとしました。

◆学習方法について

 さて,ここからは学習方法の説明に入ります。
通信教育の教材は,過去に受講したものが
1.2005東京法経・要点整理+実戦答練公開模試
2.2006東京法経・要点整理+実戦答練公開模試
これに20年度用として,
3.2008東京法経実戦答練公開模試を加えました。
行政六法は18年に買ったものをそのまま使用。
行政法関係の基本書と一般教養関係の基本書,及び過去問と記述式の問題集とを1冊ずつ買いました。(合計4冊)学習方法は極めてシンプル。まず基本書を一読。その後問題集に取り組みました。まず1回解いて解答解説を読みます。しばらく日をおいて再び挑戦。新たに送られてきた教材は,ちゃんと3時間を計りながらおこないました。 本試験の経験がある方ならわかると思いますが,3時間は短く感じられます。時間配分を理解するために,時間内で問題に取り組んでおくことは大切です。さて,古い年度の教材に取り組んだのは2月くらいからでしたので,新しい物については届いたら結構早めに取り掛かることができました。

◆弱点ノートを作る

 さて,ここで大切なのが問題集に対しての2回目の取り組みです。 すらすらと1回目,2回目も解けた問題はそのままに,1回目は間違えても2回目は理解して解けた問題もとりあえず置いて置きます。解けたもののあいまいな問題,1,2回目とも間違えた問題は,間違えた選択肢及び理解しにくかった選択肢をノートに記入します。つまり弱点中心のサブノートを作ります。このノートはルーズリーフで後から差し込むようにして,法律ごとに分けておくようにしましよう。そうすれば,後で整理のできたとても使いやすいノートが出来上がります。

◆科目別勉強法

 次は行政六法についてです。各法律とも量が多く,特に地方自治法などは読みにくいと思います。しかし行政事件訴訟法や行政不服審査法は条文そのものを聞いてくる場合も多く,問題集を解くだけは不安が残ります。テキストを解きながら関連した条文に目を通すだけでなく,月に1回くらいは読書の時間を取ってもらいたいと思います。
ただし,民法が始めてという人は基本書と問題集を繰り返すことが効果的かと思います。学習していて一番身近に感じられるのが民法です。
試験対策だけでなく,今後自分の知識として一番役に立つものと考えて興昧を持って取り組んでください。条文ではなく問題集と基本書で,行政書士試験の問題傾向及び判例に慣れておくのが民法攻略への近道だと思います。
続いて憲法です。最近は条文そのものの出題は少なくなったと思います。判例,問題集,基本書でクリアー出来るように思えます。よくわ からない憲法理論はあまりこだわらず,試験においても時間をかけずに進めればいいかと思います。
一般問題ですが,はっきり言ってこれが一番の難問です。40%とらなければ足切りです。個人情報保護法と情報公開法及び文章読解,このあたりで点を稼ぐようにしましよう。よく教員試験,国家公務員試験の問題集が参考にあげられます。私も書店で見てみたのですが,厚さと範囲の広さで購入をやめてしまいました。結果,55%の点数でした。正直試験が終わったときは「やっちまった。」と思い,家に帰り夜の解答速報で胸を撫で下ろしました。非常に取り組み方が難しく,勉強法に苦労しました。
記述問題については通常の問題の選択肢を理解して,前述した弱点ノートを作っていれば対応出来ると言うのが私の試験後の感想です。しかし,試験で確実に点をとるためには問題集を加えるべきだと思います。書店に行けば何種類かあり,「本試験で出ました!」と帯が付いています。私はその中から1冊買って,何度も問題と解答を読み返しました。その結果,見事1問が出題され模範解答通り書くことができました。試験後に,「2冊やっときゃよかったかな?」と少し後悔しました。

◆8月・9月

 8月に入れば通信講座だけでは問題量が足らないので,書店で「本年度対策テスト」等の購入をお勧めします。3回分で3000円くらいの問題集です。私は2冊買いました。ちゃんと時間も計り本試験のつもりで取り組みましょう。なかなかの難問もあり,また今までの知識の確認及び今話題になっている一般問題に触れることができて役に立つと思います。
書き忘れていましたが,要点チェック集(A4版の雑誌風)も購入していました。役に立ったかどうかは微妙ですが,気晴らし勉強にはちょうど良かったかもしれません。手軽に民法の基礎などのチェックができるので,民法が初めてという方にはお勧めです。
9月から試験までは新しい問題集には手を出さないようにしました。ひたすら持っている問題集の繰り返しです。東京法経の通信講座,過去問,書店で購入した20年度対策模試,記述対策。それぞれの問題集を解いていきますが,2回正解し問題の趣旨を理解できている問題も3回目の再確認をし,間違えた問題・あいまいな問題は入念に再度チェックしていきます。理解の浅い問題などは判例も含めて「あれ?」と思うことは弱点ノートに転記していると思います。
たまには六法と基本書の読み込みも行いましょう。また学習がすすむと,似たような条文が多くごちゃごちゃになりそうになります。複合問題対策として,弱点ノートに比較整理してみてください。
記述問題は,歴史の年号を覚える感じで記憶してください。部分点もあるので音読の繰り返しの要領でやればよいかと思います。テレビを見ながらついでにとか,家族にクイズ形式で出してもらったりして工夫してください。

◆試験直前〜本試験

 試験前10月後半になると,弱点ノートはかなり厚くなっているはずです。これが試験前のサブノートになります。「あれはどうだったかな?」と,曖昧な箇所は全てそのノートに残っているはずです。この時期はノートも大切なツールに育っています。弱点は克服には時計を持って行ってください。2回目の試験で,私は持って行かずに苦労しました。時計がない会場もあるということです。

◆最後に

 現在私は企業に就職しています。履歴書の資格欄に「行政書士」と記入できたことをちょっぴり誇りに思っています。開業は当面の生活のことを考えると夢のまた夢ですが,再就職させていただいた現在の会社に感謝して,無事定年を違えることができたならチャレンジしてみたいと思います。