私がこの歳(52歳)で行政書士試験を受験したのは,仕事の関係で訴訟(被訴事件)に係わる機会があり,法律事務所との打合せ等において一定レベルの法律知識の必要を感じたこと,また,私の勤務する会社は建設業界で先行き必ずしも安泰とは言えず,自分の今後のためにも何らかの備えを始める必要を感じたことが大きな理由です。
私は,大学も法学部卒業でしたし,はるか昔に宅建の試験も合格しており,法律の学習には抵抗ありませんでした。このような背景の下で平成19年3月に行政書士試験の受験を決意し学習を開始しましたが,自分の仕事を考慮し,時間に制約されない通信教育で学習を進めることとしました。
東京法経学院の最短合格講座(CD 付)を選択したのは価格がリーズナブルであったことが最大の理由です。試験は11月で学習開始から約6ヶ月,初回合格を目指して通勤時の電車の中でも過去問集に目を通すように決めて実行しました。一日の平均学習時間はすき間時間の利用も含めて平均2〜3時間だったと思います。通信教育の場合,自分ひとりで学習を進めるためモチベーションの維持が重要と思っていましたが,CD で聴く先生の講義の声に励まされて最後までやり通すことが出来ました。結局,平成19年度は試験の出題範囲を一通り学習し終えたのが9月頃で,通信の模試を2回受験し,あとは市販の問題集で答案練習を繰返しての本試験となりましたが,結果は不合格に終わりました。
点数は択一式154点,記述式16点,合計170点でした。敗因は記述式で得点できなかったことで,試験後に各校から発表される解答速報で自己採点した時点で,残念ながら今年の合格は無いと確信しました。記述式が全く出来ていなかったので,部分点を多少もらえても択一式の154点と加えて合格点(180点)を超える可能性は無かったからです。しかしながら,約半年の学習で170点は,考えようによっては健闘と言え,翌年の合格に希望をつなぐものでした。課題は明確で記述式における得点力のアップです。記述式でどのような問題が出ても一定の得点が出来るよう,穴の無い学習をすることが必要だと痛感しました。記述式は20点×3問,計60点で択一式の15問に匹敵し,合否を分けると言っても過言ではないと思います。
試験後,年末年始は試験勉強から少し離れて,試験勉強中はあまり出来なかった読書(歴史小説等)をしたり,サボりがちだったスポーツジムへ通ったりしてリフレッシュしました。やはり試験勉強は長丁場になるため,短期的にも長期的にもある程度のメリハリ,気分転換は絶対に必要です。平成20年度の試験に向けての学習は,同年2月頃より再開しました。教材としては東京法経学院の再受験者対象講座である「行政書士上級者コース(標準)」を申込み,教材の送付開始までの間は,前年使用した「最短合格講座」を再度学習して基礎を固めました。2年目になると基礎は出来ているので,いかに問題数を多くこなし,それを身に付けていくかがポイントです。また,前回の敗因である記述式対策は最重要課題でした。
私の実践した記述式対策は,単語の暗記カード(やや大きめのもの)を利用したものでした。行政法と民法で答案練習や問題集で間違えたところ,重要と思われるところを簡単な問題形式で暗記カードにメモしていきます。最初は数枚でしたが,試験直前期には行政法・民法ともそれぞれ120枚程度になっていました。東京法経学院から送付される通信教育の教材等で学習し,間違えたところやポイントをカードにメモしてそれを暗記するという地道な作業の繰返しです。
行政法の重要条文の文言,民法の重要判例等の独特の言い回し。これらが記述式問題においてはキーワードとなり得点を大きく左右します。
最初は薄かったカードも最後には各100枚を超える厚さとなりましたが,少しずつ自分で書いては加えていき,通勤途上や喫茶店等で繰り返し見ることによって,着実に記憶に定着しました。この方法は単に記述式対策にとどまらず,正確な知識が身に付くため択一式対策としても大きな効果を発揮したと思います。択一式は正確な知識で肢を確実に絞り込むことが正解に直結します。平成20年度は,試験直前期には東京法経学院をはじめ他の学校の模試も受験しましたが,ほぼ合格ラインの得点は確保出来る状態になっていました。
2度目の試験は,転勤及び業務の引継ぎ期間とも重なりあわただしい状況での受験となりましたが何とか合格することができました。点数は択一式148点,記述式48点,合計196点でした。
昨年よりも択一式での得点が下がってしまいましたが,記述式で自分としては十分な点数が得られ合格出来たので,「記述式での得点力アップ」の方針及び学習方法は正しかったと満足しています。
最後に,拙い文章ではありますが私のこのような拙い体験談がこれから受験される皆様の参考になれば幸いです。また,現在行政書士試験合格を目指して勉強されている皆様も,最後まで初志貫徹されることを願ってやみません。そして,最後までご指導していただいた東京法経学院の講師・スタッフの皆様ありがとうございました。