私の勉強方法等を紹介することで,皆様の勉強の参考になれば幸いです。そもそも行政書士試験を受けてみようと思ったきっかけは,司法書士試験の勉強をしていたものの,なかなかうまくいかず「合格」という二文字に飢えていたからです。けれども平成19年度の試験では失敗をしました。失敗の原因は,司法書士試験の勉強からの気分転換がしたいという安易な考えだったうえに,行政書士試験で最もウエイトをしめる行政法の勉強が不足だったからだと思います。
そこで東京法経学院の答練を利用したところ,今年度は合格することができました。それは試験の内容からみると,得意にしていた民法が例年に比べて易しかったため全問正解できたことのほか,配点の大きい記述式問題が,模試で出題されたものと全く同じだったことがうまく重なったためだと思っています。
試験の勉強内容とは直接関係がないのですが,六法・テキスト・過去問等といった分厚いものはすべて項目ごとに分冊しました。文房具屋さん等で売られている分冊テープや分冊ファイルを利用すると簡単にできます,単純ですが分厚いテキストよりも薄いテキストの方がやる気が出たり,ひとつの項目を終えるごとに本一冊を読み終わった気分になって達成感・満足感が得られ,勉強するモチベーションが維持できるからです。
19年度もそうですが行政書士試験に向けての勉強期間は,司法書士試験後からの3〜4ヶ月間でした。短い期間のなかで司法書士試験と重なる民法等よりも行政法を中心に勉強をしました。法令科目については,過去問→条文→過去問→条文の繰り返しで分からない箇所にぶつかったらテキストで確認していました。過去問については永谷先生が提供してくださった「過去問の優先順位シート」を参考にして,不要な問題は切り捨てて勉の問題だけを何度も何度も解きました。条文は,過去問の解説で挙げられているものを必ずそのつど引いて読んで確認し,過去問を3,4回解いてから余裕が出てきたので引いた条文の前後も一緒にチェックするようにしました。
また,友人の持っている某予備校から出版されている行政書士用の六法(条文の重要度がレベル分けされているもの)を借りて,自分の六法に重要条文をチェックし,たまに電車の中などで素読みしていました。しかし,行政法に関してはテキストなどで勉強してもうまくイメージを?むことができず興味がわかなかったため苦手意識がありました。これに関しては,まず行政書士試験の初心者のために簡単に書かれている「漫画」を本屋で探してきて,法律の趣旨や全体像を把握するように努めました。この漫画に関しては試験の直前まで電車の中などでよく読んでいました。それでも最後まで行政法に対する苦手意識を払拭できなかったので,答練で永谷先生が重要と指摘されていた問題だけにポイントを絞り込み,他の問題よりも復習に力を入れました。そこを最低限度としたうえで,その周辺の論点についても確認するようにしました。
一般知識については,答練で出題されたものだけを押さえるようにして,手を広げないようにしました。いろいろ手を出すと,あれもこれも分からなくなり自信喪失してパニック状態に陥ってしまうからです。なので,答練では一般知識の成績が悪くても気にせず,毎回インプットだと思い復習を中心にしました。
平日は,家の近くの市民図書館の自習室で勉強をしていました。その自習室の開放されている時間が9:00〜21:30だったのでその時間は自習室の机に向かっていられるように図書館に毎日通っていました(もちろん,昼食・夕食の時間や休憩の時間はとっていました)。といってもやる気がでないときは早めに切り上げたり,全く勉強しない日が何日も続いたこともあります。
また,図書館に通いはじめたときから9:00〜21:30まで勉強していたわけではなく,はじめのうちは昼過ぎに到着し18:00位に切り上げていました。しかし,毎日通っているうちに私よりも早く来て私よりも遅く帰っている方(法律関係の勉強をされていました)がいたので,その方が何時に来て何時に帰っているのか確かめていたら,9:00〜21:30の間ずうっと机に向かっていたのです。「その人がまだ勉強しているから私も頑張ろう」と思い,一方的にその人に「勉強時間では負けないぞ」と心の中で張り合うようになってから,机に向かっている時間が自然と徐々に長くなっていきました。
週末の答練では,分からないところがあれば質問するようにしていました。「はあ?」と思われるようなことも質問していたと思いますが
不安なところや心配なところが少しでも減れば,気持ちの面でも安心して勉強に取り組めるからです。
当日を迎えたらもう試験を受けるしかなく,あとは今までやってきたことを試験で発揮できるかどうかが勝負となるので,変に新しいものに手を出さずに今まで使ってきたテキストや条文に目を通し「いま自分は何を理解していないのか」を確認するのではなく「いま自分はここからここまで理解できている」ということを確認し,気持ちの面でもプラスに考え自信をもって試験に臨むように心がけました。また平常心を保てるよう日常生活のように朝起きて朝食を食べ,昼食を食べ本試験に望みました。
私は基本的に勉強が嫌いな人間です。なので,どうやったら自分にとって苦なく勉強できるのか,またその勉強を毎日続けられるように,どのようにモチベーションを維持できるかが最大の課題でした。私は単純な性格で意志が弱い人間なので,上記の通り少しずつでも自分に達成感や満足感が感じられる勉強方法や,勝手に周りの人と張り合える環境に自分を置くことにより勉強に対するモチベーションをある程度維持できたと思っています。私に合った勉強方法・勉強環境があったように,人それぞれの性格に合った勉強方法・勉強環境があると思います。
それに言葉は悪いのですが,予備校等の利用できるものはうまく利用することも大切だと思います。「コツコツ毎日勉強する」というのは簡単なようで実際は難しいし,人間ですから気持ちの浮き沈みもあります。逃げ出したくもなります。しかし,そんな勉強とうまく付き合っていくしかありません。
大学時代のゼミで,恩師は常に法律用語で冗談ばかり言っていました。それは同じ知識の習得ならば楽しくやったほうがいいからなのだと改めて感じます。私も次は司法書士試験に合格できるように頑張ります。一緒に頑張りましょう。
最後に東京法経学院の方々にはたいへんお世話になりました。本当にありがとうございました。