「やる気さえあれば、一発ダブル合格は可能!」|合格体験記|司法書士試験|東京法経学院





司法書士 合格体験記

「やる気さえあれば、一発ダブル合格は可能!」

体験記

 体験記

T.Hさん(長崎県)

◆安定した仕事を捨てて

 「波乱万丈の人生を送ってるな」先日,元の職場の上司から,このような言葉をいただきました。私は,返答に窮して笑ってごまかしましたが,悪い気はしませんでした。というのも,私は平成17年度の司法書士,土地家屋調査士試験をともに1回目の受験で合格することができ,その祝いの席上での言葉だったからです。
「波乱万丈」というほど大げさなものではありませんが,私が上記の資格を取ろうと志した経緯を話しますと,大抵の人は驚くようです。
私は,大学の工学部を卒業した後,公務員になりました。自分でいうのも何ですが,20代で係長となるスピード出世をし,何らの心配もなく日々を送っていたのです。
そのようななか,突然,人生の転機が訪れます。それは,結婚して3年経った妻との離婚でした。私は,谷底に突き落とされた気分で,悲嘆にくれましたが,逆に30年という,今までの人生について振り返る機会となったのです。
公務員だけではありませんが,ほとんどの職場は組織で動くものです。歯車の1つとなって働き,自己の判断,責任で仕事をするということは,ほとんどないと思います。
私は,この歯車の1つでしかないことに物足りなさを感じる一方で,組織のなかにいるという煩わしさから抜け出したいと思うようになったのです。
そこで思い立ったのが,資格を取得しての独立開業でした。
私は,大学を卒業する際,測量士補の資格を取得していましたので,この資格を活かせる土地家屋調査士を,また,どうせ不動産登記の勉強をするならば,司法書士の資格もまとめて取ろうと決意したのです。

◆勉強を始めて

 平成16年9月,私は退職し,僅かな退職金と貯金を切り崩しながら,勉強を開始しました。
勉強は,独学で行い,答練は会場で受験する方法をとることにしました。
まずは,司法書士の勉強として,民法や商法等の基本書を読むことから始めましたが,初めは,見たこともない単語に戸惑いました。不安にもなりましたが,何度も基本書を読み返し,六法を引くことにより,次第に意味がわかってきました。
11月頃から過去問に取りかかり,12月末からは,司法書士の答練が始まりました。高速バスで片道2時間,バス代も馬鹿になりませんが,私は会場受験にこだわりました。というのも,会場で受験することにより,本番の雰囲気に慣れることもでき,また,現役の司法書士の先生方から,解説講義を聞くことができるからです。
帰りのバスのなかで,答練問題の解説を読み返し,また記憶が薄れた頃に再度,問題を解き直すという勉強を繰り返しました。
こういった勉強を続けることにより,答練の順位も上がっていきましたが,伸び悩んだ科目もありました。それは,民事訴訟法関係です。
この弱点を克服するには,基礎をやり直すしかないと思い,民事訴訟法の条文を徹底的に暗記しました。そのおかげで,民事訴訟法の点数も一定してきました。

◆土地家屋調査士の勉強

 土地家屋調査士の勉強を始めたのは11月からでしたが,司法書士以上に,先行きは不安なものでした。
基本書を読んでも求積方法がわからない,電卓もうまく使えないという状況でした。4月からは調査士の答練に挑みましたが,やはり成績は散々なものでした。司法書士だけに絞ろうか,と悩む日が続くなか,成績上昇の転機が訪れました。
それは,電卓講座の受講でした。それまで,電卓を使いこなせずに無駄な時間とミスを繰り返してきた私でしたが,この講座を受講することで,さまざまな電卓の機能を使えるようになり,土地の求積も速くできるようになりました。
司法書士試験までは,調査士との勉強時間の比率は8対2程度でしたが,司法書士試験が終わった後は,調査士の勉強一本に絞って1日10時間以上勉強した結果,答練の成績も合格ラインを維持できるようになりました。

◆試験に臨んで

 講師の先生の言葉で最も心に残ったものは,「みんなが取れる問題を間違えば合格しない」という言葉です。
これは,いかにミスをなくすかということだと思います。1点足りなくて,1問,勘違いしたせいでダメだった,という言葉をよく聞きます。合否を分けるラインの周辺には,何人もの受験者がひしめいていると思います。そのなかで合格を勝ち取るには,ケアレスミスをしないことが重要だと思います。
私はミスをなくすため,勘違いして間違った問題を「これは勘違いだから」と片付けるのではなく,ノートに箇条書きしました。例えば,不動産登記なら,「代位者の承諾書は忘れていないか?」,商業登記なら,「取締役の辞任届の日付が○月○日付けで辞任するとなっていないか?」などです。間違った問題について,注意喚起用のノートを作り,毎日,目を通すことにしました。これにより,ケアレスミスが減りました。
私は7月の司法書士,8月の土地家屋調査士試験に臨み,ともに合格することができました。
最終的に短期間で合格できたのは,精神的な部分が大きいと思います。私の場合,仕事も辞め,自分を追い込むことによって,まさに背水の陣で試験に臨みました。その結果,集中して勉強できたと思います。それに,結果的には2つの資格を同時に受験したこともよかったと思っています。やる気のある期間は,そう持続できるものではありません。そのやる気のある時期を有効利用できたからこそ,2つ同時に合格できたのだと思います。
最後に,これから合格をめざされる人には「必ず合格する」という気持ちを持って,合格を勝ち取って欲しいと思います。