看板講師がライブで答練の解説|合格体験記|司法書士試験|東京法経学院





司法書士 合格体験記

看板講師がライブで答練の解説

体験記

 体験記

◆司法書士を目指したきっかけ

 私は地元の大学の商学部を卒業し,地方銀行に勤める普通の銀行員でした。
銀行の仕事は楽しくやりがいがあり,お客さんと接する営業も大好きで,住宅ローンや,中小企業の設備投資用の融資などを担当させていただき,それらの融資の担保として,抵当権を何度も設定していただくことになり,その設定をするにあたって,司法書士という職業を初めて知りました。
銀行の仕事も順調でしたが,長引く不況で,銀行業界も再編の波が押し寄せ,当行でもリストラが行われ,お世話になった50代の上司の方が何名も退職することになり,自分も若い今はいいですが,将来を考えると不安がよぎるようになりました。
その点,試験は難しいが,試験にうかれば,一生有効である司法書士という仕事,また,なんでも相談できる社会的な信用と地位に,憧れを感じるようになり,商学部卒業で,法律の勉強とは縁遠いので,不安ではありましたが,宅建試験に合格できたことから,頑張れば司法書士も取れるかもしれないと,自分に言い聞かせるように,思い切って銀行を退職し,司法書士の試験勉強を始めることにしました。

東京法経学院を利用するようになったきっかけ

 そうとう厳しいと思ってた以上に,司法書士試験は厳しく,他の資格学校を利用したものの,あとちょっとのところで合格に届かない成績が続きました。
平成21年7月5日。平成21年度試験は,午前31問,午後30問正解と,択一の成績が合格レベルでしたが,不動産登記の書式で,大きなミスをしていたため,本試験終了後にそれを知ったとき,今年も厳しいかも…と,択一がよかっただけに,相当なショックを受けました。
また1年,司法書士試験だけの一発勝負という大きな賭けをするような生活はうんざりだったため,平成21年8月からは,11月に行われる行政書士試験に挑戦することにしました。7月26日のことでした。
行政書士試験は,なじみのない行政法や,大変幅広くて対策の難しい一般知識からも出題されるという,僕にとっては大変な難関試験でしたが,よき受験仲間に恵まれ,また大変幸運なことに,その年の一般知識は,比較的解きやすい,いわゆる当たり年に,たまたまあたり,本試験後,全然自信はありませんでしたが,自己採点の結果,択一だけで196点取れて,合格点の180点を越えていたため,運よく試験に合格することを確信することができました。11月8日のことでした。
幸いにも,行政書士試験には合格できる見通しがついたので,ふたたび司法書士試験の勉強に戻りました。とりあえず,年内の残り2か月でやることとして,司法書士試験の全範囲を1周確認して,7月の本試験から,4ヶ月お休みしてきた司法書士試験勉強の頭の記憶の取り戻しを図りました。また,司法書士試験は残念ながら,書式で足きりとなってしまったため,その対策を考えるようになりました。
前回涙をのむきっかけとなった書式対策として,近年の本試験では,いろんな出題パターンで受験生を揺さぶってくることが多かったので,今まで利用して問題に慣れてきた資格学校以外の,違う学校の書式の問題を解いてみたくなり,ネットでいろいろと調べました。
そこで,東京法経学院さんを調べたところ,答練の内容が充実しているのに,他校さんより,受講料が安くて,さらに,『他資格合格者割引』という,1年以内の行政書士試験合格者は,30%割引きで,講座を受講できるお得な制度があることを知り,これは渡りに船とばかりに,平成22年試験対策として,東京法経学院の門をたたくことにしました。
年明けすぐにでも,答練に参加したかったですが,『他資格合格者割引』を利用するには,試験に合格したことを立証する必要があったため,成績通知書が届くのを待って,答練の申し込みをしました。行政書士試験合格発表の翌週,2月1日のことでした。
東京法経学院の答練は,秋から科目別の答練と,年明けから本試験と同じ形式で,午前科目の回と,午後科目の回を交互に行う実戦答練の2種類が行われるらしく,僕は実戦答練の申し込みをしました。
僕が申し込みをした時点で,すでに実戦答練は4回終わった状態だったため,3月から,実戦答練の後期が始まりますので,そちらにしますか?と聞かれましたが,1週間でも無駄にしたくなかったので,すでに終わった4回分は,問題と解説冊子をいただいて自分で解くことにして,第5回目から参加することにしました。

◆答練を受講のメリット

 今まで利用してきた資格学校では,答練は問題解いたら,あとは自分で解説冊子を読んで勉強するといったスタイルでした。
一応,解説講義もありましたが,名古屋の学校は,事前に東京で収録したビデオをただ見てるだけ,その解説も,講義というより,ただ解説冊子を読んでるだけという先生もいたりして,しかも有料。ウェブで見てくださいというところもありました。
名古屋の受講生の間では,あまり解説講義に魅力を感じる方はいらっしゃらず,答練は受けたら,解説講義はとらずに,みんな帰ってしまい自分で勉強するといったスタイルが主流だったと思います。
それが当たり前と思っていたので,東京法経学院答練が終わったあと,解説講義があると聞いてはいましたが,どうせ,ほとんどの方が,帰られるのかなと思っていたのですが,ほとんどの方が,答練後,お昼ご飯の休憩の1時間を待って,解説講義を待っていらしたので,大変驚きました。僕も,試しに受講してみることにしました。
東京法経学院名古屋校の解説講義では,まず驚いたのが,答練の分析の早さでした。
他の学校では,答練の正解率のデータなどは,名古屋では2週間たったあとに,公開されるので,そのデータが届くころには,どんな問題だったっけ…っと,記憶が薄くて,もういいや,と,そのうち見なくなりました。
なんと,東京法経学院名古屋校では,答練受講後,1時間後の解説講義の冒頭で,先生から一番最初に講評されるのです。
たとえば,こんな感じです。
『みなさんお疲れ様でした。今日は比較的簡単で解きやすい問題が多かったかな。今日の平均点は,正解数20.4問最高点は,32が1人,31が2人…,そして29が5人,28が2人… 今日の問題で,現時点で取れて欲しいのは,28問かな。』
こんな感じで,受験生全体の答練の出来具合をすぐに教えていただけるので,今回の問題では,どれくらいできてればいいのかな?とか,最高点は何点なのかな?が気になるようになり,自分の点が最高点だった時は,すごく気分がよかったので,解説講義の時間が,毎週の一番の楽しみの瞬間になりました。
また解説も,『それでは,まず正答率が悪かった問題から,解説していくことにします。今日の一番正答率が低かった問題は,憲法の第2問で正答率が9%,正解は1の肢ですが,マークした人は10%弱で,一番人気だったのは,4の肢で30%,3の肢が2番人気だったから,みんなイの足で,引っ張られて間違ってしまったみたいですね。
この問題で大切なのは,アの肢イの肢,ウの肢で,アの肢で踏みとどまることができた人は,なんとか正解することができた問題です。
では,アの肢,イの肢,ウの肢の解説から始めますね。』
といった,プロ野球の名監督のような細かな分析から始まるので,自分も間違えた肢だったりすると,『そっか〜,みんな同じミスしてるんだ。』と,受験生の傾向が分かりますし『どうしてこんなミスしてしまうんだろう』と,その後の解説に自然にとても興味が引かれました。その解説がなぜ,その結論になるのかを中心にされるので,わかりやすく記憶にしみこみやすくて,とてもいいのです。
また,正答率の低い問題を正解できたときは,それはそれで,とても気持ちがよかったりします。
問題の解説の前に,結果の分析を行うことで受験生が講義の内容に興味を持ちやすくなる引き水のような役割を果たし,なんて,受験生を上手に興味を引かせて,解説されるのだろう?と思いました。
また,先生の解説を受講していてとても参考になったのは,択一問題は,1問につき,原則5肢あるのですが,各問題それぞれ5肢全てが重要というわけではなく,特に,組み合わせ問題では,わからない肢はパスして,キーになる肢で勝負して,正解を出すという考え方,流れを教えていただき,解説講義はとても参考になりました。
こうした内容のある解説講義は,先生が講義をされる前に,きちんと問題を予習してきて,かつ,答練後,わずか1時間という短い時間で,名古屋校のスタッフさんが,データを作成されて,きちんとそのデータを講義前に先生が把握されてるからこそできる解説講義だと思いました。
さらに,この解説講義が面白かったのは,先生が解説されている最中でも,疑問点など,わからないことがあったときは,その瞬間に,挙手をして,『先生,それがどうして,そうなるのかわかりません』と質問できるのです。これは,ライブ講座だからできる臨場感です。
そのうち,上級レベルの受験生さんなんかは,常々思っている疑問点やマイナーな着眼点で,問題文を指摘して先生に挑戦するような質問をされたりしてそれに対して,先生がどう回答されるかというやり取りなどが,聞いててとても楽しくなってきました。先生は,大変人柄がいい方で,受験生の疑問点に真摯に向き合ってくださる方で,逆ギレせずに,問題が間違っているときは,きちんと受講生さんの考えも認める方でした。
質問ですぐに答えられない問題は,講義後に調べていただいて,必要なものと思われる資料を見つけては,丁寧にワープロ打ちして,次回の講義の前に,受講生全員に配って,解説講義前に,解説して下さいました。
この解説講義は簗瀬先生という,講師歴が20年にもおよぶベテランの方で,以降,毎週日曜日,簗瀬先生の解説講義を受講することが,一週間の中で一番の楽しみの時間になりました。

◆記述式問題の勉強方法

 答練受講後,出題された記述式問題の正解ページをコピーして,それをまとめたバインダーに綴じていました。
そして,かならず,自分で『採点基準』を参照して,自己採点をしました。
これは,とても大切なことだと思います。記述式は採点していただくだけでなく,やっぱり自分で採点するべきだと思います。
ちょっとしたミスでも,自分が採点者側になってみると,やっぱり減点しなければならず,それが悔しくて,とてもイメージに残り,次はもったいないから絶対こんなミスはしないぞ!ととてもよい意識付けができます。
また,きちんと『減点のポイント』が記されているので,この記述式の問題では,出題者はなにが聞きたかったのか,それがよく理解できるのです。
毎回,自己採点して,2週間後に添削していただいた返却された答案用紙の点数とぴったんこになることも,ちょっとした楽しみにもなりました。
そして,自己採点した点数と,間違えた論点とそれによって減点された点数の3点セットを,自分の手帳に逐一記載していきました。
これが,とても役立ちました。
まず,@整理して記載することにより,自分が間違えた要点を整理して復習できるさらにA胸ポケットに入れる手帳に書くので,電車待ちなどの細切れ時間に,復習しやすい,さらには,B本試験のお昼休みに,簡単にチェックできるので,たとえば混同の見落としとか,共有者持分全部移転を所有権移転と記載するミスをしないようにするなどオリジナル最終チェック集が作成できます。
さらにモチベーションがあがったのは,東京法経学院答練では,毎回成績上位者の名前と成績が公開されることでした。
まだ勉強はじめの頃は,成績上位者に名前を載せることが,一番の励みになるでしょうし,成績上位者に名前が載るにしても,その中で,さらに1位を目指して,勉強を頑張るというモチベーションのアップになると思います。
僕自身,東京法経学院の他の受講生さんとは,お話したことはありませんが,毎回成績上位者の載る常連の上位者は,バリバリに意識して,目標にしてました。
東京法経学院の受講生さんは,みなさん大変よい方ばかりで,簗瀬先生を中心にして,仲がよくて,みんなで合格目指して頑張ろうね!っていう温かい雰囲気があって,大好きでした。

◆質の高い東京法経学院の答練問題

 僕が一番最初に参加させていただいた思い出深い,第5回の答練でしたが,合格後,その上位成績者の名前をみて,驚きました。
なんと,その上位4名のうち,3名が本試験で合格しているのです。
答練で成績がよくても本試験では成績が上がらないので,答練の成績は頑張っても意味がない,答練を受講しても意味がない,などというやる気のなくなるような意見もよく聞かれます。
この東京法経学院答練では,上位者の多くがきちんと合格しているという事実は,来年以降,合格を目指すために,答練を受講される方たちにとって,やる気のあがるデータだと思います。

◆看板講師がライブで答練の解説

 前日受験した,他校の模試の問題で,『共有抵当権者の一人について元本確定した後でも,その根抵当権の元本は全体として確定しないから,その確定事由が発生した共有者についての債務者も変更できる』というのがありました。
こんな感じの趣旨の先例がまだないと思われるような大変難しい記述の論点の出題で困惑し,その学校の名古屋校ではすぐに解説してくれる講師がいなかったので,東京法経学院の答練とは関係がないので恐縮でしたが,答練終了後,初めて残って簗瀬先生に,上記の疑問点を質問したところ,30分以上にわたって真剣に解説して下さいました。
また,とても嬉しいことに,僕は東京法経学院の基礎講座出身ではないのに,分け隔てなく普段の答練からきちんと,目をかけていただいていて,僕の名前と顔までも,しっかり覚えていて下さって,『あなたなら,今年は大丈夫です。僕はいつもそうやって,見てますよ。』と言っていただき,とても嬉しかったです。
多くの司法書士試験の受講生さんは,基礎講座を受講されますが,その主なフォローはその年の受験までで,それ以降は,名古屋地区では,さらに中上級者向けのインプット講座を受講しないと,なかなか講師の方にきちんと解説をしていただけるような講義がなく,答練を受講しても,前述のとおり,収録済のビデオを見るだけなので,東京法経学院の実戦答練のように,看板講師の方が,毎週こうして目をかけていただけるこの解説講義は,厳しい受験生活の精神衛生上でも,とても助かりました。
司法書士試験を一回で合格することは,とても難しいです。
合格するためには,むしろ2年目以降の受験対策が問われる試験であると思ってます。

◆勉強にお休みをとるべきか

 答練はGWお休みがありましたが,僕自身の勉強はお休みを全くとりませんでした。
1週間にお休み,オフの日をとるべきとか,ひとそれぞれで,よく議論になりますし,僕も気にはなっていましたが,結局,僕自身は,本試験前に遊びにいって一日全く勉強しなかった日は,3月24日の岐阜県への一人ドライブが最後で,それ以降は,疲労が蓄積していても,少しの時間でもいいから,必ずなんらかの勉強はしていました。
理由は,一日休んでしまうと,そこで気が緩んでしまって,次の日にふたたび気持ちを奮いたたせることがかえって面倒くさく感じてしまい,逆に,毎日なんらかの勉強をする習慣をつけておいたほうが,楽だったからです。
ただし,体調管理は大切なので,どうしても気持ちがふさぐときは,たとえば,近くの温泉やスーパー銭湯に行ったりして,いい湯につかって,心も体もリフレッシュさせていました。
でも,一番リフレッシュできたのは,実は,毎週日曜日に,東京法経学院名古屋校に行って,お話をすることはありませんでしたが,大好きな名古屋校の受験生さんのみなさんの顔を見て,一緒に合格目指して答練を受けたり,簗瀬先生の解説講義を受講しているときだった気がします。
東京法経学院名古屋校の受験生さんは本当にいい方ばかりで,答練を受けることが,まるで好きなTV番組を見てる時間のような感じで大好きでした。こういったよい環境で勉強をすることが,受験対策として,とても大切な気がします。また,受験仲間はぜひとも作るべきだと思っています。僕自身,以前から仲良くしているよい受験仲間のおかげで今年合格することができましたし,合格後もいろんなアドバイスをいただける大切な存在となっています。通学される方は,ぜひ受験仲間を作られて,合格目指して一緒に頑張られることをおススメします。

◆中間診断模試

 1週間お休みがあって,2回目の模試になりました。普段の答練,そして模試も,特に予習はしませんでした。実力を診断するためであり,むしろ間違えた問題の論点をじっくりと検証する復習に重点をおいた方が,本試験で成績をあげるには良いと思われるためです。
また,今回の模試は,特に午後科目の択一を早く解くシュミレーションをしてみることにしました。さっと読んで,瞬時に答えを出す。復習の択一35問を40分で解くことを目指しました。
結果,成績は午前29問,午後24問,記述54点,総合213点でした。
この回の商業登記は,とても論点が多く時間が足りなくなったという声がたくさん聞かれる中,普段から記述式問題の早解き訓練を行い,今回の模試では択一を恐ろしいスピードで解いたため,きちんと解答をすることができましたが,肝心な択一の点数が,思ったよりかなり低くて,この模試の自己採点をしていて択一問題も早く正確に解く訓練をするようにしなければならないと思いました。(そして正直へこみました。)
でも,模試はいろいろなシュミレーションをして本試験できちんと点をとるために存在するものだと思います。結果は,本試験できちんと点数を取れれば合格できるのですから,模試はかならず受験して,自分の弱点発見など,有意義に利用するべきだと思っています。

◆直前期にやったこと

 @ 基本問題を落とさないように過去問をもう一度解きなおしました。
A 手帳の択一,記述式のメモ書を読んで自分の弱点を確認しました。
B 確実に本試験で30問正解できるように,直前5日間は問題集を解きまくりました。
試験1ヶ月前にして,今まで約半年間かけて,東京法経学院の実戦答練きちんと解いてきたので,合計で,8回分の本試験全範囲を,むらなく回して勉強してきたことになります。(これにさらに模試が加わり,僕の場合は10回分になります)
これだけのことをしてきて,答練を受講する前より,ずいぶんと力がついてきたと自信を持つようにしました。
東京法経学院では,5月末で,演習講座が終わるので,本試験まで1か月期間が空きます。
答練などでわかった自分の弱点の補強をするのに,十分な期間だと思いますし,この1か月をどう使うかで,その年の本試験でさらに数点上乗せできるかもしれません。
僕は,この1か月を使って,必要と感じた科目の過去問集を買ってきて,解くことにしました。特に,午前科目の肢切りが一番怖かったので,刑法と民法の過去問を一番重視しました。
商法については,個人的な意見ですが,会社法施行前の過去問は検証する必要はない気がして,特に解きませんでした。(商業登記法も同じ)6月の過ごし方も,確かに大切ですが,僕は,それよりも,やはり,1月から,ここまでの約半年間にしてきたことの方が,大切な気がしました。自分としては,東京法経学院実戦答練をきちんと受講してきたので,もう大丈夫。あとは,基本的な問題を取りこぼししないように,また東京法経学院の実戦答練でパワーアップした今の自分でもう一度,過去問を解いてみて,どれくらい通用するか試してみたくもなり,過去問を解くことにしました。
本試験の1週間前には,やるべき過去問をすべて回せたので,最後に,本試験のシュミレーションとして,上記のとおり,とっておいた東京法経学院の直前実戦模試を解きました。
ただし,通学されている方は,模試は会場できちんと受験されることをお勧めします。僕の場合は,やむなく直前実戦模試を,本試験1週間前に,こうした形で使いましたが,後述するように,直前実戦模試ではなく,東京法経学院の市販模試として,『司法書士直前模試』が本屋さんなどで売られているので,もし,本試験直前に僕のようにシュミレーションしてみるなら,それを使われるといいと思います。

◆平成22年度本試験

 前日は,少し休んだほうがよいと言われる方もいらっしゃいますが,僕は普段どおりに勉強しました。これはひとそれぞれですが,個人的にとても大切なこととして思ったことは,絶対に直前期は,今まで自分が勉強してきたことを振り返って,感傷に浸らないことです。今までは,本試験前日とかは,ここまで本当によく頑張ってきたな,と振り返り,受験ブログに,明日頑張ってきます。など,後のための記念として感想とか書いていましたが,それは絶対NGです。なぜなら,まだ戦いの最中だからです。
むしろこれからが本番です。そんなことをしていては時間の無駄ですし,なにより今までがむしゃらに頑張ってきた緊張に糸が切れてしまいます。
今年は,本試験前日も朝から演習に明け暮れて,日が暮れて,夜10時すぎになって決めていた勉強終了の時間になっても,TVを見ながら,前述の記述の解答ファイルをペラペラめくって,記述には,どんな却下事由があったか,を確認するなど,最後の最後まで今まで頑張ってきた戦う受験生モードのままで突っ走り,やれるだけのことをやりきり,夜はぐっすり眠って本試験に挑みました。
朝は早めに起きて,ご飯はしっかりとって,早めに出発して会場に到着しました。移動時間中や,開場までの時間は,手帳のメモで午前科目の自分の弱点を確認しました。
午前科目は個数問題が多くて,すこし怖かったですが,問題自体は普段の東京法経学院実戦答練と同じレベルの問題だと思い,今まで頑張ってきたことを信じて普段通りに解きました。
お昼休みは,すぐに外に出て,新鮮な空気を吸いました。
母に作ってもらったおにぎりを食べ,買っておいたブドウ糖の塊を食べて,脳にブドウ糖がいきわたるようにしながら,手帳にメモしておいた午後科目の自分がよくやったミスと,ここまで自分がやってきた記述のミスの確認,さらには,常々,本試験を受ける直前にこれだけは確認して受けるように!と決めておいた注意書きを読んで午後の試験に挑んできました。
午後科目択一は,東京法経学院の問題より易しくて,安心できました。ただやや慎重に解きすぎて,択一35問に65分かかってしまい,記述にうつる時,少しあせりました。やはり,普段の答練から,早く解く練習をもっとしておくべきだったと今更ながら後悔しました。不動産登記は,予想に反して法的な登記事項はとても基本的で,なにか見落としてないか逆に怖くなりました。最後の利益相反についてはすぐわかったものの,特別代理人を選任した事実が何度読み返しても出てこないので,委任状に特別代理人の名前がわからないから記載できず,解答に困りました。結局,特別代理人は,勝手に選任したものと解釈して解答するという,やや理不尽な『空気を読む』ことに失敗して困惑しましたが,時間がどんどん過ぎていってしまうので,通常どおりに申請できるものとして申請しました。(却下も頭によぎりましたが,すでに解答に書いてしまったし,さすがにそれは問題の趣旨からあまりに不自然と思い,踏みとどまりました。)

◆筆記試験の合格発表。母は泣く

 正直,合格は厳しいと思ってました。
でも,午前択一も午後択一も足きり点は超えてると思うし,書式も地雷は踏んでないと思っていたので,落ちる要素も冷静に考えてみると思い浮かばない。なんだか不思議な感じでした。
怖かったので,成績通知書待ちにしようかと思ったのですが,勇気を持って,法務省のHPを見ました。最初は,PDFファイルが壊れていたのか,なかなか見ることができず,ラッキーと思ってましたが,だんだん結果が気になってきたので,時間を待って,もう一度見ました。
遅い申し込みだったので,後のほうの受験番号ですので,愛知の合格発表のページを開き,上の若い順番から恐る恐る,下のほうを見ていき…「1 3 2 2」あった!ウソ!?本当??マジ?マジ?
最初,小さく画面に表示されていた僕の受験番号1322を見たとき,1322が本当に存在しているのか,それが本当に自分の番号なのか,本当に信じられませんでした。
その次に,これは夢で,きっとそのうち目が覚めてしまうんだろうなと本気で心配になりました。去年,まさかの記述足きりにあったため,実際,そんな夢を何度も見てきたからです。
夢かもしれないけど,まずは,ずっと応援してくれた家族に報告しなければと思い,両親に報告しました。母は泣いてしまいました。
母も親戚など,いろんなお世話になった方たちに,電話で息子が合格したことの連絡をしてくれました。その後,家族で食卓を囲んで,お祝いにワインで乾杯をしました。