内需振興、調査士測量科目の試験免除で人気!!
測量士・測量士補とは
測量とは?
測量とは?
測量とは、平たく言えば、A地点とB地点の位置関係、例えばそれぞれの位置の高低を明確にし、それぞれの地点がこの地球上のどこに存在するのかを誰に対しても明らかにするための科学技術のことです。司法書士や土地家屋調査士が登記によって法的に土地の存在を立証・保証するのに対し、測量士は測量によって物理的に土地の存在を立証・保証するといえるかもしれません。土地の存在なくして登記があり得ないことを考えると、測量という行為の重要性がお分かりいただけるのではないでしょうか。
測量士とは?
測量士とは?
測量といえば、街なかで「なにか」を「のぞいている」というイメージをおもちでしょう。しかし、測量の仕事はこれだけではありません。
例えば、カーナビやスマホの地図やライフラインの調査・設計など、測量とは「いのちと生活につながる地図を作ること」なのです。
だから、測量には「確かな技術」が必要になります。
国家資格の測量士とは「確かな技術をもつ人」であることを証明し、測量を行う職業および専門職のことです。社会的地位としては、測量士は技術的な職に従事対応し、フィールドサービスをほとんどこなし(外業と呼ぶ)、その後の解析計算までは事務所で実行(内業と呼ぶ)します。教育訓練をとおして独立して働くことも可能です。土地計測に関しては特に困難な作業については、測量技師の支援が不可欠となっています。
主な定義は、
・ 現地調査(位置)
・ 地積調査および関連調査
・ 関連するステークを含む技術および建設測量
・ 原料鉱床調査(採石場、鉱山)
・ 産業測量(機械工学)
・ 環境保護
です。測量士の仕事は、「外業」と「内業」に分かれ、それぞれ仕事内容が異なります。
- 受験ガイダンス(レクチャー:黒杉 茂 専任講師)
試験概要 (2024年12月8日現在)
●令和6年 測量士補 試験概要
- 公告日:2023/11/30
- 試験日:2024/5/19
- 申請受付日:2024/1/5〜1/30
- 合格発表日:2024/6/27
- 申込者:17,302人(6年度)[前年比+187人]
- 受験者:13,633人(6年度)[前年比+153人]
- 合格者:4,276人(6年度)[前年比-66人]
- 合格率:31.4%(6年度)[前年比-0.8%]
- 試験科目
各測量作業科目(汎地球測位システム・多角・水準・地形・写真・応用),地図編集,測量に関する法規
- 形式
上記科目について択一式。
- 合格ライン
450点以上であること。(注)700点満点(1問25点)換算で計算されている(平成26年より)。
- 受験資格
年齢、学歴等に関係なく、だれでも受験できる。
- 受験手数料
2,850円
- 試験機関リンク
国土交通省国土地理院ホームページ
●令和6年 測量士 試験概要
- 公告日:2023/11/30
- 試験日:2024/5/19
- 申請受付日:2024/1/5〜1/30
- 合格発表日:2024/7/9
- 申込者:5,640人(6年度)[前年比+188人]
- 受験者:3,717人(6年度)[前年比+50人]
- 合格者:485人(6年度)[前年比+106人]
- 合格率:13.0%(6年度)[前年比+2.7%]
- 試験科目
(1)測量に関する法規及びこれに関連する国際条約 (2)多角測量 (3)汎地球測位システム測量 (4)水準測量 (5)地形測量 (6)写真測量 (7)地図編集 (8)応用測量 (9)地理情報システム
- 形式
[1]午前の試験は、択一式とする。出題数は計28 問とする
[2]午後の試験は、記述式とする。出題数は、必須問題1 題と選択問題4 題(基準点測量、地形・写真測量、地図編集、応用測量)とし、設問数をそれぞれ4 問の計20 問とする。
[3]選択問題は、4 題のうち2 題を受験者が任意に選択できるものとする。
- 合格ライン
配点については、択一問題が1 問25 点で700 点満点、記述問題が必須問題300 点と選択問題400 点(1 問200 点)で700 点満点、合計1400 点満点です。
1400 点のうち910 点以上、正答率65%以上で合格となりますが、択一問題だけで450 点以上(正答率65%以上)ないと、全体で910 点以上の得点があっても不合格となります(令和6年より)。
- 受験資格
年齢、学歴等に関係なく、だれでも受験できる。
- 受験手数料
4,250円
- 試験機関リンク
国土交通省国土地理院ホームページ
測量士補資格の概要
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測量士補資格の概要
元祖測量士といったら、1821年に完成された「大日本沿岸実測図」作成のために、蝦夷地の東南海岸より測量に着手し、18年もの月日を日本沿岸の実測に捧げた伊能忠敬が挙げられるかもしれません。その是非はさておき、測量士及び測量士補正度が誕生したのは昭和24年、測量法の成立にまで遡ることができます。
数ある国家資格のなかでも測量士補は,簡単で,比較的取得しやすい資格といわれています。取得方法は、次の4つが考えられます。
- (1)独学で取得
測量士補試験は、年齢・学歴等に関係なく誰にでも受けられるので、独学での取得も可能です。しかし、測量士補試験の出題範囲は7科目あり、広範囲に及びます。また、新しい測量技術の導入により,さらに学習の範囲が広くなっています。独学での資格取得には相当の準備を要するので,根気と努力は並大抵ではないと思われます。
- (2)受験指導校に入学して取得
- (3)専門学校に入学して取得 「国土交通大臣が指定する測量に関する専門の養成施設において1年以上測量士補となるのに必要な専門の知識及び技能を修得した者(測量法)」には,測量士補となる資格が与えられます。
入学条件は,高等学校卒業者(卒業見込者を含む)以上で,修業期間は1年〜2年のコースがあり,学費は1年制コースで100万〜130万円位です。卒業と同時に測量士補の資格が付与され,さらに実務経験2年(1年=225日)で国土地理院に申請すれば,測量士の資格が取得できます。
- (4)大学,短大に入学して取得
上記(3)と同様,文部科学大臣の認定した大学,短期大学,又は高等専門学校において
測量に関する科目を修め,当該学校を卒業した者も,測量士補となることができます。
測量士資格の概要
- 【1】はじめに
皆さんは日常生活で、地図やナビゲーションシステムをよく利用されていることでしょう。自分の位置を知り、目標の位置を知ることは、私たちの生活に欠かせないものとなっています。しかし、その情報も時間の流れとともに内容が変化するため、定期的に更新していかなければなりません。日夜位置情報の整備に技術者として取り組んでいるのが、測量士です。
- 【2】測量士とは?
測量士は、昭和24年に制定された測量法に基づく国家資格で、国土交通省国土地理院が所管機関となっています。
測量士は、「測量」と名のつく作業のうち、基本測量及び公共測量に技術者として従事するための資格です。基本測量とは、国土地理院が計画する測量のうちすべての測量の基礎となる測量を言います。三角点の管理や水準点・電子基準点の設置、2万5千分の1地形図の作成などがこれに当たります。公共測量とは、国または地方公共団体が、基本測量の成果等を利用して、主に都市整備のために計画する測量を言います。これらの測量は公共性が高く、その費用を税金で賄うので、一定の技術水準を担保するために国家資格として位置づけられています。したがって、測量士は基本測量及び公共測量の業務独占資格であり、同じく測量を業とする土地家屋調査士であっても、これらの測量に従事することはできません。
測量士と測量士補の違いは何でしょうか。測量士は、測量に関する計画を作成・実施するための資格です。つまり、受注した基本測量または公共測量の測量業務の管理技術者として、作業計画から精度の管理に至るまで、業務全体を管理・監督します。したがって、測量業者(測量会社)は、一営業所につき必ず1人以上の(国土地理院に登録した)測量士を配置しなければなりません。測量士補は、測量士の作成した計画にそって、技術者として実際の作業に当たります。
- 【3】測量士になるためには?
測量士はご存知のように、国家資格になります。
資格取得には2パターンがあり「測量士補の資格を取得して測量士をめざす」方法と、「初めから測量士をめざす」方法があります。
測量士補の資格は、測量に関する科目が学べる大学や短大、専門学校などを卒業するか、国土地理院が行う測量士補試験に合格することで取得することができます。
取得後は、実務経験を積むことによって測量士の資格を得ることができます。
初めから測量士をめざすには、測量士補と同様に、国土地理院が実施する測量士試験に合格する必要があります。
測量士の多くは、測量会社や建設会社、不動産会社の社員として工事現場で働きますが、国家公務員として国土地理院に勤務し、地図の製作にかかわる人や、都市計画のデータ作成を行なう人もいます。
また、精度を上げるために、測量技術は日々進歩しています。ここ数年で測量機器の性能がかなり上がっており、より効果的に測量が行えるようになっています。
新しい測量技術を身につける姿勢も大切なことです。
土地家屋調査士とのダブル取得
土地家屋調査士試験を受験する人の実に90パーセント以上が、測量士補もしくは測量士資格を取得しています。なぜでしょう?調査士試験は午前と午後に実施されますが、測量士補もしくは測量士の資格を取得していると、午前の測量・作図の実技試験が免除され、午後の試験のみに集中できるという大きなメリットがあるのです。それに、測量とは切っても切れない関係にある調査士業務。測量士の資格を取得しておくことは、試験の一部免除という一時的な得になるのみならず、測量に関する深い知識と技能を獲得することで、調査士としての信頼を強固にしてくれるのではないでしょうか。その意味で、測量士補と調査士のダブル取得は現実的で、しかも実利的なのです。
測量士補資格の展望
測量技術の進歩に伴い、年々試験内容が難しくなっている測量士補。とはいっても、基本と更新されていく測量技術の情報をしっかり抑えておけば、必ず合格できる資格であることには変わりありません。不動産系の資格を取得し、それを生かして人生を歩んでいこうという方にとって、登竜門とすべき資格であるかもしれません。土地家屋調査士や不動産鑑定士とのダブル・トリプル取得を目指されるはいかがでしょうか?
測量士の実務について
- 【1】就職するには
測量士として実務に就くには、資格取得後国土地理院に登録し、測量会社に就職するか、開業する(自分で測量会社か測量事務所を設立する・ただし測量士に限る)ことになります。土地家屋調査士事務所でも、測量士・測量士補の有資格者を優先的に補助者として雇用するところもあります。不動産登記法の改正により、土地の測量に基準点測量の知識・技術が必須になりました。
- 【2】開業するには
「測量士資格の概要」のところで触れたとおり、測量士補の資格では独立開業することができません。測量士の資格を所持していれば、以下の流れで開業し、基本測量・公共測量を受注することができます。
- @ 国土地理院へ測量士として登録する(個人登録)→登録証明書と登録番号が交付される。
- A 国土交通大臣あてに測量業を営む者として登録する。(業務登録)→登録証明書と登録番号が交付される。
- B 開業届を、事務所所在地を管轄する税務署に提出する。
- C 国・都道府県・市区町村に、入札参加資格審査申請(指名願い)する。→入札参加資格が与えられる。
- 【3】開業後の業務拡大方法
基本測量・公共測量は、競争入札により発注されますので、入札参加資格を有していれば、入札に参加して、自身の入札価格が最低価格となれば落札し、その業務を受注することができます。
業務を拡大していくには、まずできるだけ多くの地方自治体の入札参加資格を得ることでしょう。営業所の所在地で、入札参加可能な地方自治体を調べ、入札参加資格審査申請をし、入札参加資格を取得します。指名競争入札を実施しているところでは、測量業務の発注部署に営業を行うことにより、入札参加の機会を増やすことができます。その際、単に開業したことを知らせるだけでなく、自身の得意とする測量分野をアピールすると効果的です。測量の関連資格(日本測量協会が実施する各測量分野についての認定資格や地籍調査関係の公的資格等)を取得していれば、高い品質の業務が行える者として、一層効果的な営業活動が行えるでしょう。
測量士・測量士補は、公共測量としての用地測量(公共用地取得のための境界確認・境界測量)も受注可能なため、測量士による官民境界明示申請を可能としている地方自治体もあります。その場合には、個人や民間を対象に営業活動を行うことで、業務の幅を広げることができます。
- 【4】実際の業務
測量士の業務は、外業と内業に分かれます。外業とは主に現場における観測作業、内業とは主に事務所内で行う作業です。
観測作業は、トータルステーション(角度と距離を測る電子機器)やGNSS測量機(人工衛星の電波を受信し、解析する電子機器)、レベル(目盛付の尺を読む光学機器)などの測量機器を使用し、目標物の位置や高さを求めます。トータルステーションとレベルは、通常2〜3人単位で作業しますが、GNSS測量機は1人でも作業が可能です。測量機器も電子化・自動化が進み、簡単な操作で高精度な観測ができるようになっています。作業の現場は、市街地だけでなく、山に登り、川に入ることもあります。コンクリート製の杭を埋設するときなどは、穴を掘りセメントなどで根固め等を行いますので、文字どおり力仕事になります。内業は、主に観測終了後、測定データを整理する作業です。具体的には各種測量計算、平面図や断面図等の図面作成、提出書類の作成などです。測量の専用ソフトウェアを使用すれば、これらの作業を一連の流れで効率よく行うことができます。とりわけGNSS測量機は、専用のソフトウェアを使用しなければ解析計算ができませんので、パソコンの基本的なスキルは必須となります。測量会社によっては、外業と内業を分けて、グループで実施しているところもあります。
作業は、発注機関や関係機関の担当者と打ち合わせを繰り返しながら進めていきますので、1日役所回りとなる日もあります。打ち合わせでは、単に発注機関の指示を仰ぐだけでなく、こちらからより効果的な技術の提案をする場合もあります。あらかじめ請け負った業務の内容に精通しておく必要があります。
測量士の実務は、体を動かし、パソコンやソフトウェアを含む電子機器を扱い、会議にも出席する…バラエティに富んだ内容の業種と言えるでしょう。測量機器や測量技術の進歩も早いですので、そうした変化についていくため、日々研鑽を積んでいく必要がありますが、都市整備の基盤に関わる業種ですので、目に見える成果も多く、やりがいの感じられる業種と言えます。
- 【5】測量士と土地家屋調査士の業務の相違点
測量士と土地家屋調査士は測量業務の点では共通していますが、発注先と業務の目的で大きな違いがあります。測量士の測量業務の発注先は主に公共機関で、公共工事に先立つ測量が対象となります。土地家屋調査士の発注先は主に個人で、登記行政において不動産の現況を公示するための測量が対象となります。測量士の測量業務の中には土地の境界を扱う分野(前述の用地測量や地籍調査)もあり、それについては土地家屋調査士の測量業務と内容が同じになります。したがって、測量業務に関して言えば、測量士のほうが範囲が広いと言うことになります。測量士と土地家屋調査士の資格を有していれば、官・民のすべての測量を受注することができます。