答練生必携!
●書籍概要
本書は、平成28年6月8日民二第386号通達をもって発出された不動産登記記録例のうち、表示に関する記録例に焦点を当てて、簡易な説明を試みるものです。おこがましいことですが、一連の登記記録例について、逐一説明したものは、本書以外には殆ど見当たらないと思います。
その内容は、土地家屋調査士試験の受験生が、基本テキスト(例えば東京法経学院発行の土地家屋調査士合格ノート)で、登記の申請手続等を学習される際に、登記記録において実際にどのように記録がされるのかを確認する場合に使用されることを念頭に置いて、執筆してあります。とりもなおさず、この登記記録への反映のされ方に関する理解は、記述式の問題を解答する上で必要不可欠となっています。したがって、基本テキスト等であまり触れられない実体法に関する規定についても、受験生の理解の一助となるよう、できるだけ盛り込むように心がけました。
もっとも、実務でもしばしば取り扱われる国土調査に関する登記及び士地区画整理に関する登記についても、言及しています。この部分は、上記通達に含まれているものではないため、受験生の方々はもとより、実務家の方々にも何らかの参考になれば幸いです。
〔3訂版〕の発刊に当たり、上記通達の記録例の内容の見直しを行い、関連先例を追加したほか、説明をよりわかりやすくするため、若干の修正をいたしました。また、同通達に掲載されていない不動産登記規則35条7号の事例(表題部の登記事項の変更の登記と形成的登記を一の申請情報で申請した例)、及び表題登記がない建物が合体した場合の合体による登記等の類型についても説明を加えました。なお、通達の通し番号と本解説の通し番号を一致させておく必要上、新たに加えた記録例の番号は、「082-2」のように支号を付してありますこと、ご了承ください。
今後とも、土地家屋調査士の受験生や実務家にご愛読いただければ幸いです。
最後に、本書の〔3訂版〕を発刊するに当たり、東京法経学院の職員の方々に大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。
令和5年6月吉日
山井由典