合格体験記|努力に裏切られることなく、「10度目の正直」でつかんだ合格|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

努力に裏切られることなく、「10度目の正直」でつかんだ合格

体験記

梅田正人さん


 体験記

 11月10日の合格発表の日、私は緊張、不安、恐怖など様々な感情を抱えて恐る恐る法務省のHPを開きました。私の番号があった。「うれしい!」や「よかった!」よりも、まず先に感じた気持ちは、「はぁーしんどかった…」でした。

 

●10度目の正直
 私は土地家屋調査士事務所に勤務しており、勤務しながらの受験であり、今年の試験で10回目、長くかかった「10度目の正直」でつかんだ合格でしたが、本当に長い長い受験生活でした。その間子供も2人が産まれ、環境もがらりと変わった中での合格だったので、喜びもひとしおでした。

 

●独学受験で失敗
 受験開始当初は、「実務経験は豊富で、仕事でもいろいろ困難も乗り越えてきたので、独学でとってやろう」との自負のみで参考書やよく出るキーワード的な本を購入して受験していたのでしたが、やはり本試験でつまづきました。それは、「問われている問題の主旨が判らない」ということでした。
 さすがに3回目くらいの受験で焦りを感じ、あまりにも不動産登記法という法律を正確に覚えていない自分にようやく気が付いて、東京法経学院の答練を受講する事に決めました。
 ところが、答練の問題はレベルが高く、結果はD・E判定ばかり… さらなるつまづきを経験し、まさに負のスパイラルに陥ったような感覚になり、「いよいよ本当に土地家屋調査士の挑戦も潮時かな」と、本気で受験をやめる事ばかりを考えていた時期でした。

 

●再出発し、基礎練習の繰り返しで合格
 しかし、そのような事ばかりを考えていた矢先、妻と長男から「せっかくこれだけ頑張っているんだから、来年は必ず受かるよ!」と励まされ、「もう一度だけ受験してみるか!」と、気持ちを再び奮い立たせて、勉強の方法から見直す所から再出発する決心をしました。
 「自分の力を本試験で発揮するには、何が必要か?」と、自問自答を繰り返した結果、やはり「基礎の反復練習に勝る王道は無い!」との結論に達しました。
 そこから数年間は、基礎練習を何度も何度も繰り返してはみたものの、1点〜2点足らずで不合格となりました。
昨年9回目の受験の時は、3度目の答練受講で2回A判定をもらっただけでしたが、過去8回と比べても自信がありましたし、試験の手応えも上々でしたので、「そろそろ…」と合格発表を見てみましたが、番号は無かった。
 本当に何度も何度もあきらめかけましたが、「せっかくここまでやったんだ、あと少しの点数が足りないだけなんだ、ここであきらめたら今までの苦労・努力がすべて無駄になる、あと少し、あと少し努力して絶対に合格をつかみ取ってやる。」
 この気持ちだけを胸に、今年はあえて答練を受講せず、過去問を新品に買い替えて基礎を確実に固めるための作業に専念するように心がけました。
 4月くらいから、週末は図書館などに通い、最後の3か月は仕事を定時の18時で帰宅し、勉強用の本などは家の車に積んでおいて家には入らずに、そのまま少し離れた23時まで営業しているカフェに通って閉店まで繰り返し勉強しました。
 休日は、近くの図書館に9時から16時まで学生たちに交じって勉強する。これの繰り返しを3か月毎日こなしました。
 その結果、自分の気持ちの中で、「これだけやったんだ、これだけ頑張ったんだ、だから大丈夫」という思いが強くなってきているのを自覚するようになりました。
 そして、本試験当日。やはり緊張しました…余裕なんてものも無かった…
 択一40分・建物書式50分・土地書式60分 試験官の「試験終了です。」の言葉を聞くと同時に最後の図面への墨入れが終わり、そのまま机を抱え込んでしばらくボー然としていました。
 そして、11月10日の16時過ぎに法務省のHPを開き、私の番号を見つけました。

 

●努力は必ず結果に結びつく
 私は、何度も何度もあきらめかけました。夏休みも長男が生まれてから本当にどこにも連れて行ってあげられず、去年長男が夏休み明けに、「他の子はみんな旅行しているのに、僕だけ夏休みどこも行ってないのは嫌や」と言った時は本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そんな息子が、「お父さん、がんばれ」といったポスターや手作りのお守りを作ってくれました。
 嫁もフルタイムで働いているのに、毎晩1人で2人の息子を風呂に入れ、寝かしつけ、一緒に寝てしまっても、私が帰宅すると必ず起きてくれたり、食事が偏るからと、野菜ジュースと栄養ドリンクを常に常備してくれていたり、家族には負担をかけ、心配もかけましたが、息子たちには父親として自信をもって言えることができました。
 それは、「努力すれば報われる、あきらめずやり抜けば必ず結果に結びつく」ということです。
 過去の失敗も失敗の原因を見つけ、それを徹底的に克服していく、他の人の倍、3倍はしないといけないかもしれませんが、それをすることによって克服できるし、自分に自信がつくと思います。

 

●おわりに
 過去問題を完璧にマスターして答練を受験し、訓練を重ねていけば、2年あれば合格できたかもしれない、本当に遠回りしました。でも重ねた苦労は決して裏切らないし、これからの人生、どんな事も乗り越えていける力をつけるための修行を神様が与えてくれたのかな?とふと思う今日この頃です。
 受験生のみなさん、努力は報われる、当たり前のことかもしれないですけれど、努力は決して裏切らない、私が自信をもって言える言葉です。