合格体験記私の合格体験記|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

私の合格体験記

体験記

高尾 祐二さん


 体験記

 私は幸運にも一回の受験で測量士補、土地家屋調査士の試験に合格する事が出来ました。一回の受験で合格しましたが、それまでに失敗もあります。そこで、今回、これから受験をする皆さんの参考になればと思い合格体験記を書かせて頂きました。

 

 平成29年の年明けに私は平成30年度の測量士補、土地家屋調査士のダブル受験をする事を決めました。それは自分の考えの中にいつか独立開業したいという気持ちがあったからです。数ある資格の中から土地家屋調査士を選んだのは、元々、測定の資格を取得したいと考えており、それに関連した資格だったからです。

 そうして資格取得の学校を色々調べたところ合格実績のある東京法経学院に決めました。学院の基礎講座通学コースは 7 月開講でしたが私は 4 月には申し込みをして予習をする事にしました。開講と同時にスタートしたのでは絶対に講義についていけないと思っていました。なぜなら以前、某予備校で弁理士取得を目指しましたが失敗した経験があったからです。その時は通信コースを選択しましたが集中して 1 回約 5 時間の講義を 1 人で聞くのは大変だと感じました。また、予習なしでは講義のスピードについてゆくのがやっとの思いで問題をじっくり解くという事はあまり出来ませんでした。こうした経験から今回受験するにあたり、そのような失敗を繰り返さないようにしました。

 講義が始まるまでの予習はテキストを読んでいましたが最初は何の事を言っているのか全くイメージ出来ませんでした。ただ読んでいても記憶に残らなかったので法令が出てきたら六法でなるべく条文を確認するように心掛けました。六法で確認する事はとても面倒な事ですが、こうする事で少しは記憶に残るようになります。さらに条文を読む事は択一問題対策になる事も弁理士試験の経験から知っていました。 

 

 7 月に講義が始まりました。講義の初日、内堀先生から学習方法、受験生の心得などが書かれた資料を渡されました。そこには、いつまでにやるべき事も書かれていました。予習をしていて余裕があるにもかかわらず、この課題を100%こなすのは難しかったですができる限り行いました。

 そうして講義も進み自分なりに課題をこなしました。年を越え 2 月になると答練が始まりました。自分なりに課題をこなしたので、それなりに解けるだろうと思っていましたが予想以上に出来ませんでした。特に記述式問題では全く解けない問題や最後の一問を解く時間がなく白紙で提出する事も多かったです。少しショックでしたが気持ちを切り替えて午後の解説をしっかりと聞き、理解するよう心掛けました。

 また、解説書には、もう一度解く為の白紙の記述式用紙が一部あるのですが、それを 5 部位コピーして、解けなかった問題はその日のうちに解きなおしその後も何度も解きました。また、記述式問題の解答時間を少しでも短縮させる為、時間を計って解くようにしましたが申請書作成に時間ロスが多かったように思いました。課題にあるように最初はテキストの申請書例を丸写ししていましたがパターンが多すぎる為、なかなか覚えられませんでした。

 そこで、 5 月頃、学院の申請書作成UP講座を受講する為、「不動産表示登記申請マニュアル( 3 冊)」を購入しました。このテキストは登記の目的ごとに申請書が書かれ、その事例も図入りで、載っていて、とても分かり易かったです。また、手軽に読めるので何度も見直す事で少しずつ申請書の内容を理解する事が出来る様になりました。それでも答練での成績は全体を通して悪かったです。判定は大体BかC、悪いときはE判定もありました。ただ記述式問題 2 問とも自分なりに納得のいく解答が書けた時はA判定でした。 2 回しかありませんでしたが自分の納得のいく解答をすることが出来れば結果は良くなると思いました。

 

 7 月初旬に答練が終了しました。本来なら 8月にはもう本試験ですが平成30年度から本試験の日程が10月に変更する事になっていました。この事は自分にとって非常に幸運であったと思います。と、言うよりこの 2 ヶ月の延長が無ければ合格しなかったでしょう。内堀先生も 1 回目の受験生は、この 2 ヶ月で成績がグンと伸びるとおっしゃっていたので、それを信じて今まで以上に勉強しようと思いました。ですがもう一年以上、自分では勉強していましたし答練の成績も良くなかったので段々気持ちが落ちてくる時期でもありました。その気持ちを奮い立たせる為、答練終了後の「総整理・速解答練」、本試験直前摸試等を受けました。

 

 そうして本試験一ヶ月前位からでしょうか、今まで手を付けなかった数年前の本試験問題を本試験のつもりで、解いてみました。やってみると思っている以上に択一の点が取れている事に驚きました。答練では良くて20問中12問、大体10問位の正解でしたがそれが15問、良い時は17問正解していました。本試験では択一の足切りは絶対に避けたいと思っていたので、これはいけるかもしれないと思いました。

 記述式問題ではそれなりに解答出来ましたが、やはり時間内に自分の納得のいく解答は出来ていなかったので択一の解答時間を出来るだけ短くし記述式問題を最後まで解き切れるように問題を解く度にストップウォッチで時間を計る様にしました。具体的には択一、 1 問 1 分30秒以内、記述式 1 問55分以内という感じです。それを本試験直前まで続けました。この頃、本試験では自分の実力を全て出し納得のいく解答をするという目標を立てました。

 

 そして本試験当日です。余裕を持って試験会場には 1 時間前に着くようにしました。30分位前に自分の座席に着いて試験開始まで、六法申請マニュアルを見て自分の苦手な所を確認しました。 5 〜 10分前から試験官の説明があり、いよいよ本試験が始まりました。最初そんなに緊張していませんでしたが択一10問を解き終えて時計を見るともう20分以上経過していました。このままだと記述式を全部解き切れないと思い、そこからなるべく早く解答しようと思いました。ただケアレスミスだけはしないように集中して解答しました。

 択一を終えたのは開始から40分後位でした。マークシートを塗りつぶし、誤記入がないのを確認して土地の記述式に取り掛かりました。土地の記述式は座標値がマイナスという事以外は特に難しいとは思いませんでした。また、幸運にも本来時間ロスの多い論述問題が今回は穴埋め式、しかも問われている内容がほぼ条文そのままというものでした。これで土地の記述式には、そんなに時間をとることもなく解き切る事が出来ました。この時、試験時間は残り 1 時間以上あったと思います。少し余裕を持って建物の記述式に取り掛かりました。ですが問題文を一読しても最初、登記の目的が分かりません。また今回の建物の問題は作図の為の建物の敷地、建物の周囲の長さ等が座標値で与えられ、その数が多く、床面積の算定ラインが今までにない問われ方をしていたので戸惑いました。登記の目的が分からなければ何を書けばいいのか分かりません。頭が真っ白になり暫く呆然としました。その時、一瞬「今年はダメだな、来年頑張ろう」という気持ちが起きました。ですが朝、試験会場前で学院の方から頂いたパンフレツトに「苦しかった答練を思い出して最後まで頑張ろう」という言葉や本試験で自分の実力を全て出し切るという目標を思い出し、とにかく何かを書くようにしました。

 まず、座標値から敷地の長さ、建物の周囲の長さ、敷地から建物の外壁まで距離を出しました。登記の目的は合体による登記等でしたが、これは解答用紙の形式を見ても分かるものでした。合体による登記等は予想外の問題でしたが書式攻略ノート、答練での事例を思い出し申請書の全てを埋めました。図面も、どうにか全て書き切りました。その数秒後、試験終了の合図がありました。とりあえず今の自分の実力は出し切った感じはありましたが択一の点数が不安でした。

 

 その夜、解答速報で答え合わせをしました。なんと、択一18問正解でした。今まで、取ったことのない正解数です。記述式も見ると土地は登記の目的、座標値とも合っていたので、ほぼ正解だろうと思いました。建物は所々、ケアレスミスがありましたが全体的には、まずまずの出来だと思いました。択一18問正解は嬉しかったですが改めて記述式問題を見直してみると今回は基本的な問題だな、と感じました。もしかしたら今年度の合格点も昨年同様80点以上になるかもしれないと思い不安になりました。記述式問題で作図ミスがあって減点が多ければ、やばいなと思い合格発表日まで落ち着かない日々を過ごしました。

 

 合格発表はネットで見ました。合格者の受験番号をざっと見ました。自分の番号はありません。「ダメか・・・」と思いましたがもう一度、順番に番号を確認しました。「あった!よし!」と思わず声が出ました。その時の感想、は嬉しいというよりも正直ホッとした感じの方が大きかったです。と同時に本試験のあの時に諦めないで良かったと、つくずく思いました。あの時諦めていたら確実に不合格であっただろうし諦めた自分に対しての後悔の大きさは並大抵のものでは無かったと思います。

 皆さんも後悔する事なく本試験で実力を出し切って下さい。結果は自ずとついてくると思います。ご健闘祈ります。