最後の1ケタ挑戦となる還暦までには達成したい。」との,3度目の仕切り直しもむなしく,それどころか,「七転び八起き」ならぬ十転びで,ようやく合格できました。
受験を思い立った当初は,当時不動産の調査・評価の部署にいた関係で,調査士資格をめざせば仕事にもプラスになると思い,決めたのが始まりです。
ところが,いざ始めてみて,作図と,特に求積には苦労しました。学生時代,数学が苦手だったことを思い知らされた次第です。
11年もの長丁場でしたから,その間に択一が15問から20問となり,民法が3問出題されることになったり,法改正があったりと大変で,年々衰えが目立つ頭との闘いでもありました。
一番大変だったのは,土地の求積問題で,まるで化け物が進化していくように見えた多様化で,ついていくのに精一杯でした。
「まとめ」の段階では,過去問及び東京法経学院の実戦答練で間違った問題,間違いやすい問題とその答えを中心に,ワープロを入力することにより,さらに重要項目も加えて,時には修正・削除して,年々データを積み重ねたものをまとめていきました。
年々ボケていく頭では,読んでいるだけではなく,活字にすることにより,頭の中に少しは残っていくように思えたからです。
勉強時間ですが,平成17年までは会社に勤めていましたが,晩酌後は疲れで眠くなり,起きていても集中力を欠くため,早起きし,出勤前喫茶店で勉強しました。
平成17年当時の出勤日の一日は,朝の電車内で択一を30分,喫茶店で書式を45分,帰りの電車内で30分を,カセット「調査士試験に必要な区分所有法」・全4巻・東京法経学院ほか)を聞いたり,又はまとめに目を通したりしました。夕食後には45分は書式などを解きました。計2時間30分の学習でした。
東京法経学院の答案練習会がなく,所用もない休日は,6〜8時間を答練の復習,書式,まとめにあてました。
平成18年は退職し,引き続き東京法経学院の答練に通いましたが,どちらかというと自宅学習を主体にしていました。
教材は,[1]手作りのまとめ(主に択一と書式の記述)と,書式は[2]「新・申請書作成マニュアル(全3冊)」(東京法経学院)の旧版を適宜コピーしたもの,[3]答練及び過去問でできなかった書式問題のコピーを主体とした問答集を3点セットとして活用しました。
土地の問題の解答順については,作図よりも求積結果を解答した方が良いのでは との思い込みでいたために求積を優先していましたが,ある時に「本試験では,図面を書いてない答案は,いくら他ができていても採点されない。」との話を耳にしました。
「採点されない」かどうかはさておき,求積と作図とにおいて,求積は1カ所でも計算を間違えると求積全体に,さらには作図にも影響を与えかねません。
であれば,問題によっては図面の一部が描けない場合もあるので,不完全ながら,まずはできるところまでの図面を作成する「作図優先方式」でいこうとの思いに至り,急遽平成18年の終盤の答練より実践しました。
その手順は,[1]問題文の(注)をチェック,[2]問題文の図解に与えられた座標値を記入,[3]問題全文を読み,登記の目的・所有者・申請人等の把握,[4]作図,[5]申請情報・記述式解答,[6]求積,[7]申請情報・記述式及び作図の解答補充の順に切り換えました。
平成18年度の本試験についての解答順及び時間配分は,[1]択一40分,[2]建物45分,[3]土地60分,[4]予備5分を目安としましたが,最終的には択一が45分,建物が55分かかり,土地は50分での勝負となりました。結局,土地は,作図,記述の解答,そして求積の入口にさしかかった時点で時間切れとなってしまいました。
またしても書式で足切りされるとの思いに至り,発表までの2か月が長く不安でしたが,合格することができました。
一番辛かったことは,好きなゴルフもやめ,お金と時間を調査士試験に集中し,初めの頃は家族が応援しくれたのですが,5年も過ぎた頃からは年をとっていくばかりで,健康上のこともあり,「もう止めたら
」との声が出はじめ,近年その声はますます増大し,家族に応援者がいなくなったことでした。
開き直って「ボケ防止に必要なんだ。」と孤軍奮闘した次第です。
でも最終的に一番喜んでくれたのは,やはり家族であり,大いに,改めて感謝しています。皆様方,わけても高齢者の方,2ケタ挑戦の方にエールを送らせて頂きます。継続は力なり!