合格体験記「通信教育でも合格できる!」|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

「通信教育でも合格できる!」

体験記

 体験記

M.O さん(静岡県)

 土地家屋調査士をめざし,実際に行動に移ったのは,平成14年2月のことでした。仕事の関係上,測量士の免許は取得していたものの補助者の経験はなく,法学部出身でもないため,まったくのゼロからのスタートでした。
まずは,参考書探しから始まりました。しかし,地元の書店をいくら探し回っても,調査士の参考書は1冊もありませんでした。不動産法律セミナーの存在を知り,東京法経学院で講座があるとのことで受講することにしました。
講座には通学と通信教育があったのですが,最寄りの学校が東京…(費用的に当然不可能)。通信教育の最短合格講座を選択しました。
教材が届き,合格テキストを読み込みました。何度も繰り返したのですが,ほとんど理解できませんでした。そこで,合格テキストに掲載されている条文が重要だと考え,今度は六法のその条文の脇に赤線を引く作業をしました。最初はその作業が終わると重要条文だけが目立つようになり,これを必死に覚えれば8月の本試験に間に合うと思い,ひたすら線を引いたところ,最後には不動産登記法のすべての条文に線が引かれていました。その考えが浅はかだったと気づいたのは4月,本試験まで残り4ヵ月でした。
本試験までの4ヵ月,択一式と書式の過去問を数え切れないほど繰り返し解きました。ほとんどの問題と解答の理由を丸暗記したところで,1回目の本試験を迎えた結果,択一式20問中正解9問,書式は採点すらしてもらえず…。
自分の考えの甘さと,その結果のショックから立ち直ったのは,翌年2月でした。2年目ということもあり,答練を受けて万全の状態で本試験に臨む予定でしたが,前年に半年間かけて詰め込んだ知識は,半年間で影も形もなくなっていました。ようやく1回目の試験と同等のレベルに戻ったのは,本試験2ヵ月前のことでした。結局1年目プラスアルファの知識で臨んだ本試験は,択一式20問中12問正解でまたも足切り。

◆情報収集の大切さ

 3年目は,2年目の反省を活かし,1ヵ月の休養のあと勉強を再開しました。基本答練と実戦答練を万全の状態で受講することを目標として,年内に択一式は「合格データベース」,書式は「合格テキスト」で2年間の総復習をしました。また,知人から譲り受けた2003年度の東京法経学院の実戦答練を3回解きました。
そして,通信講座の基本答練を受講しました。今までは自宅で1人でコツコツと勉強していたため,ライバルというものを意識したことはなく,勉強していることで自己満足していたと思います。1回目の答練の結果が届き,順位と偏差値という2つの数字で現実を突きつけられました。択一式,土地書式,建物書式ごとに順位と偏差値が記載されているので,どの分野をどのくらい強化すれば合格できるかということを考え,ひたすら弱点の克服に努めました。弱点を克服でき,満足のいく結果が得られるようになった頃,1回目の全国模試を迎えました。
幸い,宮城県仙台市が会場の一つとなり,ここまで通信教育一本だったので,本試験の緊張感を味わうために,会場受験を選択しました。そこでみた生のライバル──みな同じ定規を使っている!
試験後に本屋で調べ,それが『すいすい君すらすらちゃん』であることを知りました。試験の結果以前に,とてつもない敗北感に襲われました。情報が不足していることを痛感し,ようやくインターネットで情報収集を開始しました。その結果,なんと関数電卓には,交点計算やメモリー機能があることを知りました。それまでは,交点計算は連立方程式を用いて解いていました。関数電卓の関数とは,三角関数(sin,con,tan)のことだとばかり思っていたのです。そこで,マニュアルを見ながら交点計算を試みたのですが,何度やっても答えが合わない…。結局,使いこなせず挫折。当然本試験では,関数電卓の便利な機能を使うことはなく,定規も使い慣れた市販の三角定規と三角スケールで挑みました。

◆プレッシャーとの付き合いかた

 答練を受けるようになってからは,様々なプレッシャーと戦いました。そういったプレッシャーとうまく付き合うために採った方法を,3つお知らせします。
一つ目は,カレンダーの使い方です。週単位や月単位で予定を立てて学習するという方法をよく耳にしますが,3年間で1回もそういったことはしませんでした。
書き込み式のカレンダーに,その日勉強したことを箇条書きし,勉強しなかった日は空白にしました。スケジュールを立てても,実際には予定通りにならないのは当たり前なので,逆に自分にプレッシャーをかけるネタを作るようなものだと考えたからです。カレンダーが全体的に白っぽいときは,“何かさびしいからもう少しやろうか”とか,“黒っぽくなってきたから少し休もう”というくらいに漠然と考え,カレンダーを眺めているくらいでした。
二つ目は,仕事をしながらの勉強だったので,帰りが遅く勉強時間が思うように取れない時期の過ごし方です。そんな時は残業代を稼ぐことに徹して,繁忙期が過ぎたら残業代で美味しいものを食べ,思いきりリフレッシュして勉強を再開すればよいのです。合格者の8割が有職者なので,条件はみな一緒です。
三つ目は,眠れないときの過ごし方です。本試験直前の時期には,眠れないときが結構ありました。そんな時は勉強をし,眠れない憂鬱な時間ではなく,日中の細切れの時間と同一視しました。直前でおろそかにしがちな基礎を勉強しました。つまり,六法を読みました。唯一の誤算は,すぐに眠くなることですが,それはそれでよしとしました。
そんなこんなで,3回目の受験で合格することができました。
住んでいる場所によっては通学が困難で,通信教育でしか受講することができない人もいらっしゃるとは思いますが,通信でも合格できます。ただし,情報を積極的に集める努力を怠ってはいけませんが。
私がやったことは,調査士本科実戦答練基本答練・実戦答練全国模試だけです。これで十分です。