合格体験記|「土地家屋調査士 新・最短合格講座2020」を受講して|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

「土地家屋調査士 新・最短合格講座2020」を受講して

体験記

大平 孝次朗さん


 体験記

 土地家屋調査士の受講を志望した理由は、土地家屋調査士について知りたかったため、自己啓発のためです。

 12月初旬に新・最短合格講座の通信制に申し込みをしました。理由は最も大手だったのと、1年で合格すれば全額返金されるのが理由でした。近くに通学できる場所がなかったので、通信制で申し込みました。教材が届いた第一印象は、量に圧倒され、「なんてものに手を出してしまったんだろう」と思いました。しかし金額も金額なので何とかやり遂げてやろうと思い、学習が始まりました。

 国家資格の通信制予備校の講座を受講したのは今回が初めてです。4月から答練が始まります。それに向けて一通り学習を終えなければなりません。その中での学習は精神的にかなり酷でした。12月頃は「これで模試までに間に合うのか、合格できるレベルになるのかな」と不安に思いながら学習を進めていました。


 学習の進め方ですが、最初のガイダンスで、内堀先生が「テキストを読んで予習をしてください」と仰ってました。しかし、予習をせずに講義ビデオを視聴しながら学習していきました。動画を視聴しながらテキストを読みラインマーカーを引いた箇所を中心に頭に入れていきました。また、板書された事項や、板書していなくても大切だと思った解説については都度テキストに書き込んでいきました。講義は他の方は繰り替えし視聴している方が多いようですが、私は一度視聴して内容をテキストに書き込んだら、再び同じ講義を視聴することはなく、テキストを読み返していました。

 

 記述式の学習が始まると、再びここで壁にぶち当たりました。慣れない様式の申請書に加えて、普通には見ない単語がたくさん出てきます。講義では、申請書の書き方について大切なところを中心に教えてくれます。しかしどうしても穴ができて漏れができてしまうので、自分で申請書をしっかりと読み込んで、例えば「なぜその添付書類を添付しないといけないのか」、「申請書と各階平面図の所在の欄は何を記載するのか」、「建物の合体による登記等で登記の目的が変わる理由」、などを自分で理解できるようになるといいと思います。

 質問票については、一通りの学習を終えたあとに本当に分からない箇所だけ送っていましたが、答練が始まると追加で質問票をくださったので、分からないことが出てくる度にもっと問すると良かったと思います。

 

 3月までに何とか書式過去問マスター以外は一通り学習を終えることが出来ました。択一過去問マスターは3 周しました。
 4月から答練が始まると、択一式はそれなりに点数を取ることが出来ましたが、記述式対策が不十分で、毎回あまり良くない判定でした。そこで、「不動産表示登記申請マニュアル」を用いて、申請書のひながたを覚えていくことにしました。ある程度覚えたら、「事例の概要」に今回の申請の内容が書いてありますので、それを見て申請書を書けるように努力しました。
 すると答練においても、問題文を読んで、今回の登記の目的が何なのかを早く把握できるようになり、必要な情報を求められるようになりました。結果、記述式でも安定して点数が取れるようになりB判定が増え、A判定が取れることもありました(もちろん学習が不十分な範囲が出題された場合はC判定などもありました)。

 答練で記述式学習がある程度取れるようになり、合格のために何をしないといけないか分析すると、択一式が大体12問?14問しか取れていないので、択一式で足切りに合わないようにするためにも、記述式で点数を取れなかった時のためにも、択一式で安定して高得点を取る必要があることが分かりました。そのために、「土地家屋調査士新・合格データベース」で対策を取りました。過去問マスターでは5 択なので何となく解けても、合格データベースでは肢別になっているので解けない問題がありました。それらの間違えた問題を解けるように繰り返しました。また、合格データベースは条文の順番に問題が収録されているので、それをうまく利用して、頭の中を整理して覚えました。択一式について目標は17問以上とし、過去に出題された問題は全問正解し、過去未出の問題については間違えてもいいので時間をかけないことを目標にしました。

 記述式と択一式の両方の対策ができると、残る問題は試験時間でした。2時間30分という時間の中で解くのは時間ギリギリです。問題に慣れてくると、ある程度速くはなってきましたが、もう少し速く解けるようになる必要がありました。
 答練のときは必ず択一式、土地記述式、建物記述式はそれぞれの時間を計っていました。その傾向から、択一式40分、土地50分、建物50分、予備10分を目標にすることにしました。解答する順番は、一般的には択一式→建物記述式→土地記述式で解答する方が多いようですが、私の場合は土地記述式→建物記述式→択一式の順に解答することにしました。その理由は、記述問題は時間に迫られると焦って問題が頭に入らなくなってしまうからです。一番時間のかかる土地から手を付け、建物を終わらせて、最後に択一式をやるつもりでいました。

 

 試験本番、土地記述式から解きました。本年の問題は「土地分合筆登記」だったのですが、最初は分筆と合筆を一件の申請で行うような申請書を書きました(本当はそのような申請はできません)。申請書を書き、地積測量図を書いたところで、土地分合筆登記であることにきづきました。そのため、登記申請書を丸々訂正して書きなおしました。また、地積測量図にも間違いがあることに気づき、訂正しました。
 土地の記述式の答案が出来た時には試験開始から70分経過していました。予定では50分で終わらせたかったので、20分のロスです。この20分を巻き返すためにどうしようか水を飲んで一瞬考え、建物ではなく、択一式を解くことにしました。その理由は2 つあります。一つは択一式が最後まで終わらず正答数が足りなければ足切りにあってしまうこと、もう一つは択一式では時間短縮ができる可能性が高いことです。
 択一式は5肢から正しい肢(または間違っている肢)を2つ選びますが、正解の2つの肢を見つけることができれば、残りの他の肢は読むのを飛ばすことで時間短縮できます。ほぼ確実に正解だと思った場合は残りの肢を読み飛ばして時間短縮を図りました。その結果、択一式は20分で終わらせることができ、最後の建物記述式に50分を残すことが出来ました。
 時間配分を当初の予定通りの状態に戻すことができたので、後は建物記述式を落ち着いて解くだけです。しかし、本年の建物記述式の問題は文章が例年に比べて異様に長く、しかも滅失する建物や建て替えた建物が分かりにくい問構成になっておりました。一瞬焦りましたが、自分を信じ、自分を支えてくれた家族を思い出して、問題の条件から必要な情報を吸いだし、申請の概要を理解しました。それが分かれば特に難しいところはなく、申請書と図面を書き終え、短文記述を解答したところでちょうど試験終了となりました。
 結果は記述式は45.5点で全国3位を取ることが出来ました。択一式は時間短縮を図ったため、20問中15問正解に留まりましたが、合計83.0点と十分に良い成績を取ることが出来ました。
 家族のサポートもあり、毎日時間の許す限り必死に勉強し続け、合格することが出来ました。この体験は一生の宝だと思います。

 

 当初は令和2年度の測量士補試験を受けて土地家屋調査士試験に挑む予定でしたが、新型コロナの影響で測量士補試験が延期になりました。そのため、午前の部も受けることにしました。午前の部については、ネットで解説してるブログを見つつ独学で勉強しました。大体の人は測量士補を取った状態で午前の部は免除で土地家屋調査士試験に挑むと思いますが、午前の部の試験を受けてみて、午前の部を受けることにもメリットがあると感じました。
 まず、関数電卓を使用できる点です。複素数を用いて計算すれば、土地の座標値や角度などは簡単に計算することができます。その点で測量士補よりも簡単です。ちなみに午前の部の試験は全部問題を解いてから1時間以上時間が余りました。点数も択一は1 問ミス、記述は満点という結果でした。
 次に、午前の部から受けることで、場慣れすることができる点です。午後の部で初めて受けるとなると、緊張から、試験が始まっても最初は集中するまでにエンジンが掛かりますが、午前の部から受けておくと午後の部の最初から緊張せずに集中して問題に取り組むことが出来ました。

 通信制で学習される後学者のためにアドバイスするならば、@しっかりと学習スケジュールを立てて自分で学習をすすめること、A答練においてはしっかりと時間を計り本試験の時間配分を検討すること、B成績表はなんとなく全体の判定を見るのではなく、何の分野ができていないのか、どういう対策が必要なのか考えて、学習をすすめることが大切かなと思います。私の体験記を読まれた方が学習の参考になり、合格の手助けとなることを祈ります。
 また、これから学習される方のために、土地家屋調査士の最大手予備校として、東京法経学院の講座を受けて良かった!東京法経学院の教材で学習して良かった!と思ってもらえるような教材づくり、体制づくりしてくださることを心から期待しています。この度はありがとうざいました。

 

(参考)「学習方法」
(12月~3月)
・不動産登記法・土地家屋調査士法については予習をせず動画を見ながら学習(予習はしなかったと言うよりは出来なかった)。動画を視聴したのは1回だけ。板書はテキストに直接書き込んで、テキストを読み返せば理解できるようにした。
・動画を見たらその日のうちに過去問マスター(択一)を解く。結果的に3周した。それで解けなかった問題は付箋をつけておき、7月以降に解いた。
・記述式はその分野(例えば土地分筆登記)を学習したら書式合格ノートを解いた。記述式過去問マスターは時間がなくて手を付けれず、4月以降に取り組んだ。
・都度、提出課題を提出

 

( 4月~)
・実戦答練、復習
・過去問マスター(記述式)を解く。解けなかった問題はその理由をメモしておいた。
・登記申請マニュアルにて申請書のひながた覚えた
・過去問マスター(択一)の付箋のついている問題だけ解く
・合格データベースを解く。解けなかった問題は付箋をつける
・条文の読み込み
・解けなかった問題、忘れていた知識などをルーズリーフにまとめて独自のノートを作成した

 

「学習時間」

(12月~3月)約450時間
講義、書式ノート、過去問マスター(択一のみ)、提出課題
( 4月~)約850時間
過去問マスター記述式、過去問マスター択一
(反復)、登記申請マニュアル、登記申請マニュアルの記述式問題、合格データベース

 総学習時間 約1300時間