◆合格までの追体験・・・学院長から
司会 今日はお忙しい中,出席いただきましてどうもありがとうございます。
まず東京法経学院の里見哲夫学院長の挨拶から始めたいと思います。
学院長 今日はお忙しいところご参加いただきまして本当にありがとうございます。内堀先生も講義がご多忙な中,このような時間をつくっていただいて恐縮でございます。お二人の合格者を迎えての座談会ということですが,合格者の座談会というのはこうした雑誌の誌面を飾るにふさわしい内容です。これから試験を受けられる方が「追体験」できる,お二人の体験をたどっていけるということは,なかなかこういう座談会でしかできないんですね。体験談の本もありますが,本というのはなかなか,読み方もありますので…。生の声が文章になっている合格者座談会というのは非常に役に立ちます。それはこの土地家屋調査士だけではなくて,あらゆる資格について合格者の座談会はいい影響があります。
今日はお二人に蛮勇を奮ってご参加いただきまして(笑),本当にありがとうございます。
思っていることをどんどんお話いただきたいと思います。
後輩たちのためにも,忌憚のないご意見を遠慮なく言っていただければ役に立つと思います。
しかも,お二人は一度目と二度目で合格されたということで,たいへん貴重な体験ですから。
当学院に関しては,これからもまたいろいろな面でよろしくお願いしたいと思います。司法書士を継続してやられるということもありますから,なお一層です。私たちはOB会というかたちで具体化はしていませんが,合格された方はOBとして一種のパートナーといいますか仲間として認識していますので,たとえば学友といいますか社友といいますか,そういうかたちで今後とも当学院に向けて「ああしたらどうか」とか「こうしたらどうか」と遠慮なく言っていただければ,カリキュラムの面でも教材の面でもいい方向になればと思っています。「自分の学校だ」というくらいに思っていただき,今後も遠慮なく意見を投げかけていただければありがたいです。今日はその第一歩ということでよろしくお願いいたします。
◆父が調査士を開業していたから
司会 それでは合格者の方の,受験の動機や受験回数などを含めた自己紹介からお願いします。
林 林昌紀です,茨城県で父の土地家屋調査士事務所に勤めています。受験回数は1回目で合格しました。受験の動機は家業を継ぐためということで,なるべく短期で合格することを目指して受けました。
司会 お父様は何年前に合格なさったんですか。
林 20年以上前だと思うんですけど。いま63歳なので,30年まではいかないですけれど。
司会 やはり東京法経学院の卒業生ですか。
林 そうです。
司会 それはどうもありがとうございます(笑)。
土井 土井翔と申します。千葉にある父の土地家屋調査士事務所で補助者をやっています。受験回数は2回です。受験した動機は,父の働く姿を見て。父が土地家屋調査士であることに誇りを持てたことだと思います。
司会 内堀博夫先生,今回はたまたま二人ともお父様が土地家屋調査士ですが,こういった受験生の方は増えているのでしょうか。
内堀 最近は増えていますね。以前はまったく違う分野の方が多かったのですが,獲らなければいけないという受講生の方が増えてきました。そういうところが最近の特徴ですね。
司会 受験勉強を始めるにあたって,当学院に結びつくまでの経過をうかがいます。
林 以前に父が通っていたということで東京法経学院自体は知っていました。まず,いつから通うかということに迷いました。実務に慣れようと思って,「法規専門科」という通学クラスを2月から受講しました。それまでは書店で売っている参考書などを買ってみたりしたんですけれども,全部読み切ったりはしませんでしたね。頭に全然イメージが湧かなかったので,2月までずっとダラダラと過ごしていて,2月にやっと基礎講座が開講したあとに本格的に試験勉強が始まったという感じです。
土井 やっぱり父がここの卒業生ですから,勧められました。まず測量士補を獲らなければと思って,本学院の土地家屋調査士基礎講座と,東京法経学院と提携している国土建設学院の測量学科の講座の両方を受講するダブルスクールから始めました。
司会 国土建設学院の測量学科を1年間で卒業して測量士補資格を獲られたのですね。ダブルスクールの間は,ハードだったんじゃないですか。
土井 いや,そうでもなかったです。学校が午後4時に終わるので,そのあとの時間は土地家屋調査士の勉強に回せましたから。
司会 午前の部の免除のための測量士補の獲り方のコツみたいなものはあるのでしょうか。
内堀 ひとつは測量の専修学校に通われると,卒業と同時に測量士補の資格を取得することができます。ただし,課題が多く出ますので,学習時間がかなりとられますね。ですからいまおっしゃっていたダブルスクールですけれども,よくこなされたと思います。もうひとつは試験で取得するという方法がありますね。それは半年くらいあれば何とか取得できるという試験ですね。
司会 林さんは測量士補の資格はどうやって獲ったのですか。
林 測量の専修学校で1年勉強して測量士補は持っていましたので,すぐ土地家屋調査士の勉強に移ることができました。
パートナーとして当学院に提案を 里見学院長
◆基礎講座でイメージが湧く
司会 受験勉強に入って講座の最初のころは法律に慣れていないから大変だったと思うのですが,いかがでしたか。
林 本当に講座が始まるまでは単語の意味がわからなかったので,何もつかめない状態でした。それが,基礎講座が始まってやっとイメージが 湧くようになりました。内堀先生の授業の中では図を書いて説明してくれるので,頭の中で理解して,また読み返せるようにテキストに書き込むようにしていました。それを何度かやっているうちに全体のイメージがつかめて,やっと問題が解けるようになってきたという感じでした。
司会 テキストである「調査士合格ノート」はけっこう文字がびっしり入っていますよね。そ
こに書き込んでいくのですか。
林 よく自分のノートをつくるということを聞きますが,正直言って自分は字が下手なので読
み返したときに字が読めないんですよ。だからいまある教科書に小さく書いて,大事なところに丸をつけたり,先生が図を書いたところはテキストの空いているスペースに書いたりして,読み返せるようにしていました。
司会 土井さんも基礎講座から受けられたのですね。
土井 最初は本当に意味がわからなかったですね(笑)。民法なんですけれども,読んでいて意味がわからなかったですね。ベストセレクト
答練(毎年2月開講)ぐらいに入ってから,やっと少しずつ理解ができるようになってきました。復習の仕方は林さんと一緒で,メモ欄とか余白に先生が板書してくださったものを書き込んでいました。それから,「不動産法律セミナー」とかで宅建の民法のやさしめの記事があったので,それを読んで照らし合わせてやっていくという感じでした。
司会 用語を理解するために,何かご自分で努力なさいましたか。
林 辞書を引くということと,先生が説明してくださったことをメモしておいて何回も読み返
すということですね。
司会 内堀先生,実務はお父様の仕事を見て何となくつかんでいるかもしれませんが,法律の
世界は初めて接するというときの受講生の心構えというのはどのようなものでしょうか。
内堀 講座の形態には基礎講座と答案練習会がありますが,受験生の中には基礎的な学習は独学ですませて答案練習会から参加される方がいますが,やはり苦労されていますね。
まず基礎講座を受講して,先生方のかみ砕い
たやさしい言葉を使った説明を受けて,基礎的なところをしっかりと理解することがいちばん大切です。この試験は入り口を間違えますと,やはり数年間の受験期間になってしまいますので,お二人がまず基礎講座から入ったことは間違いではなかったと思います。それから法律用語や,そのほかにもたくさん一般用語がでてきますので,私はよく生徒さんに言うのですが,六法のほかにたとえば広辞苑などを用意して,わからなければ積極的に意味を調べる姿勢が大事ですね。
司会 基礎的なことの理解があとあと大きく影響するということですね。
内堀 そのとおりです。
◆根拠は何だと考える
司会 お二人とも1回,2回という結果的に非常に短期間で合格なさっているのですが,それでもどこからか「ああわかってきたな」とか,または学習に対する踏み込み方が変わるきっかけがあったのではないかと思いますが,いかがですか。
林 最初は参考書を読んでいたんですが,内堀先生が「問題を解いてみて下さい。」と言われ
たので,まず問題を解いてみようと思いました。わからなかったらすぐ答えを見てしまって,答えを覚えてしまうのでダメという人もいますが,私はわからなかったらすぐに答えを見て,それを何度か繰り返しているうちに応用力がついてきて,問題が解けるようになりました。私は参考書を読むよりもなるべく問題を多く解くほうがいいと思います。基礎講座で基礎を固めて,すぐ問題を解くようにしたのです。
過去問もありましたし,「不動産法律セミナ
ー」も毎月いただいているのを最後まで全部やっていました。
実務で使わないものは出ない 林さん
土井 1年目は「合格データベース」をやっていたんですけれども,答えを覚えてしまって,○だなとか×だなとかわかった気になったという感じでやっていました。それで21年の本試験を受けたんですが,全然わからなくて頭が真っ白になってしまったんです。それで○×勉強はやめました。問題を解いたらテキストの「調査士合格ノート」を見て,六法を引いてテキストに載っていないことは全部書き移して読みこむようにしました。いつも根拠は何だと考えてやるようにしていました。
内堀 初学者の方には,積極的にテキストと並行して東京法経学院で出版しているデータベース化された過去問題集を早い時期からどんどん
こなすということを勧めています。しかし,中・上級者の方には,単に問題と答えを覚えただけでは合格できませんと言っています。受験生の方は1問1問もっと時間をかけて,なぜ正しいのか,なぜ誤りなのかをテキストや六法を引いて十分調べていかないとやはり本試験では合格ラインに乗らないですね。
ですから,途中でそういったていねいな学習
に切り替えることが大事ですね。
司会 初めはとにかく過去問を解いていって,漠然とでいいから頭に入れていって,途中から
は一肢一肢の根拠を確認していくという感じでしょうか。
内堀 そうですね。受講生のなかにはまだ早いということで,学習を始めて3か月くらい経っているのに過去問題集に入らない方がいるので
すが,そうではなくてどんどん積極的に問題を解いてほしいです。最初は問題を解くというよりも,どういう問題が出題されているのか確認するという意味で問題に取り組んでほしいです。そうすることでテキストに戻ったときに,重要な点が見えてくると思います。
ただし,それだけではまだ不十分なんです。
力がついた段階でもっと深く学習するということが必要になります。
◆科目別学習のポイント
司会 それでは科目別の学習法に入って行きたいと思います。民法と不動産登記の二つに分けていきたいと思います。まず民法の学習法はい
かがだったでしょうか。
林 難しかったですね,イメージがつかめなかったので。ただ,択一なので机に向かって勉強
している時間はほとんどなくて,外出時の移動時間とか休み時間に本を開いて何回も読んで,先生の授業で再確認するという形でやっていきました。
土井 平成21年の本試験のときに民法がガタガタだということがわかりました。それで,「ベ
ストセレクト答練」を秋から直前までやっていました。それから東京法経学院で出版されている司法書士の書籍「コンプリート」民法1と民法2を使いました。教材の「調査士合格ノート」を基本線にしてそこから離れないようにして「コンプリート」と照らし合わせながらやりました。「合格ノート」に出ていないことを「コンプリート」から吸収していくという方法です。本当に土地家屋調査士用の民法の問題は少ないんですよね。だから司法書士のテキストに載っている問題と,あと法学検定4級。父がADRの講習のときに買ってきたというのを借りて,だいたいこのくらいのレベルかなという感じで,それを基本にしてやっていきました。
司会 内堀先生,民法は出題数の割に学習範囲が膨大なもので,受験生の方は非常に苦労なさると思いますが,学習法についてアドバイスを
お願いします。
内堀 初学者は,テキストと並行してほかの国家試験の問題でもよいので,なるべくやさしい
問題をたくさん解答することで理解が早まると思います。それと最近の出題を見ていますと,中・上級者の方は判例をよく学習してほしいですね。そのときに判例の趣旨を要約した判例要旨だけを読むのではなくて,事案の概要であるとか判決の理由なども読むことによって裁判所の考え方が理解できます。そうすればそれを素材とした問題というのはかなり解答できると思います。
司会 中心になる不動産登記法の表示登記と記述式を含めてどう学習していきましたか。
林 択一は民法と同じでほとんど隙間の時間を利用してやっていました。テキストも,東京法
経学院のものだけを使いました。それから過
去問を何回かやっていると覚えてしまうので,次に新しい問題をやってみようと「不動産法律セミナー」なども利用しました。記述式は,計算と作図を完全に分けてやりました。ひとつながりでやると時間がかかって自分としては時間が足らなかったので,いろんな問題を解いてみながらひたすら計算だけをやりました。全部解いたあとで次に作図を練習しました。何回かやっているうちにコツを覚えました。周りの人を見ているとすごく早い人がいて,何で早いのかなと研究してみたりもしました。それで,定規の動かし方とか自分なりの方法を見つけまして,かなりスピードアップにつながりました。
司会 2月に基礎講座に入られて8月に試験だったので実質半年間の学習期間ですか。
林 ですから,記述式の勉強時間は少なかったですね。苦手意識があってなかなか手がつけら
れなかったので,しばらく計算だけをやっていました。もともと測量の知識があったので,計算のほうはだいたいできました。どうやってスピードアップしようかと思っていて,それで自分なりに複素数をやってみて,複素数と普通のやり方と手計算を全部マスターしました。計算のほうはそれで完璧になったと思って,作図の方法に移っていきました。先生の授業を受講しまして,座標の変換の仕方などを教わって,かなりつかめた感じがしました。
司会 その間の半年間というのは仕事はなさっていて大変でしたね。
林 でも,その前の仕事がもっと大変だったので,かなり楽になったなと思いつつやっていました。
司会 1日の勉強時間はどのぐらいだったのですか。
林 やらない日もありましたが,やっていたのは学校がある日ですね。学校があるときは学校
へ行くまでと帰りと,1日おきくらいですが平均して1時間くらいだと思います。
司会 それで受かるというのはすごいですね。
林 とにかく効率を重視して,択一は,迷わないようにすぐに答えを見てしまって,繰り返し
問題をやるようにしていました。記述式もつっかえたらすぐ答えを見て。テストでは考えている時間はないので,迷わないように,スムーズにいくように工夫していました。
司会 短期合格の勉強法について,これから受けるみなさんにアドバイスをお願いします。
内堀 調査士の受験生の皆さんはお仕事を持たれているので,自宅での学習時間は限られています。ですから,講座を受けた帰りの電車の中
で,テキストを開かなくてもよいですから講師の話したことをちょっと振り返るとか,そういったことで足りない時間を補う努力が必要ですね。復習はあまり時間を空けてしまうと,せっかく板書事項をノートに取ったのに,そのときに講師の先生が何を話したかを忘れてしまうんですね。復習はとにかく早く行ったほうがよいですね。あとは,基本書をひと通り読み終えましたら,もう一度読むべき箇所を空き時間を利用して見つけるのです。例えば,基本書の目次に記載されている大項目に中項目や小項目を追加して記載したものを持ち歩き,電車での通勤時間や会社の休み時間を利用して,各項目ごとにそこに記述されていたことを何でもよいから思い出してみるのです。そして,帰宅後に思い出せなかった記述箇所をよく読むのです。このようなことを毎日続けていけば無駄な時間をすごすことなく基本書の全内容を覚えることができると思います。また,これによって項目も自然に覚えることになりますから,頭の中に項目
ごとに仕切られた整理箱ができるので,例えば,問題集に取り組んだときに,「これは土地分筆登記の申請人に関する問題」,「これは建物表題登記の添付情報に関する問題」というように,整理して記憶することができるのです。大きな器に何でもかんでも放り込んでもなかなか覚えられるものではありませんし,混乱や混同を招くだけです。まずは整理箱を作っておいて,そこに体系的に整理して記憶させるのです。
司会 土井さんは不動産登記の学習はどのようなかたちでされていましたか。
土井 1年目は量だけやって安心感を持つ感じで○×の勉強をしていたんですけど,2年目はそれをやめて答練の1回分の20題をていねいに
復習していくようにしました。先生が板書したものを写したノートと答練の解説を読んで,それを「調査士合格ノート」で確認して,さらに六法で確認してという形です。そしてどんどん「調査士合格ノート」に書き加えていきました。解説などを読んだり問題を解いているときに,何でこうなのとかどういう方法で,こういうことになるのかなどと,自分でいろいろ問いかけながら学習していきました。
司会 最初は問題を○×で解いていって,それがだんだん頭に入ってきたけれども,今度は根拠を確かめていくということですね。それは記
述式でもそうでしたか。
土井 記述式は,パターンが決まってきたというか,見えてきたんです。計算をする上で必要な公式と,問題文でその公式を示唆してくる条
件を照らし合わせて,小さい単語カードに公式とその証明とか条件を書いていって,電車の中でカードをめくりながらイメージしていくという方法で学習しました。
根拠を集めて体系化する 土井さん
◆正解の根拠をよく調べる
内堀 意外に思われるかもしれませんが,短期で合格される方はあまり問題数をこなしていないんですね。ただ,やはりひとつひとつていね
いに取り組まれていますね。最初は答えを覚えてしまうかたちでよいのですが,大切なことは正解の根拠をよく調べるということです。記述式に関しては,まず求積については,最近は電卓の機能がどんどん発達してきていますが,電卓の機能に頼る学習では,なかなか本試験では解答できないですね。やはり測量計算の理論や数学についてしっかりと理解することが大切です。その上で,許される電卓であればいろいろな機能がありますので,それを活用することはよいと思います。記述式問題は,本試験の問題文の構成に一定のパターンがあります。よく答案練習会で受講生の方にお話しするのですが,過去問を利用して何回も何回も繰り返し問題文を読むようにすると問題文の読解力がつきます。この試験はいかに短時間で問題内容を把握するかにかかっています。そのためにも,「今日はペンを置いて答案用紙に書かずに問題文をゆっくり3問読もう」,あるいは「早く読もう」と
いうことで,何回も読むことによって読解力をつけるわけです。問題文のパターンはだいたい決まってきますから,それを把握するというのもひとつの方法だと思います。
司会 半年間での合格は,測量には自信があるということが大きかったですか。
林 でも,測量はある程度の基礎はできていた
ので,自分はそこの部分をほかに割こうと思っていました。その割けた時間というのはプラスになったと思いますね。測量をやっていない人はイメージがつかめませんからそこに時間がかかると思うんです。私はイメージ自体はつかんでいましたし,測量の公式も頭の中に入っていましたので,それはミスしないと思っていました。あとはそれをいかに早くやるか,と考えたときに電卓の速さということになりました。それでも,電卓もそれほど速くは打てませんので,いろいろなパターンを試して,インターネットでも調べてみて,自分に何が適しているのかを考え,最終的に行きついたのが複素数計算だったんです。だからといって,それだけに頼ると急に違う問題を出されたときに応用力がないので,全部できるようにはしていました記述式は毎日は解いていなかったですね。平日はほとんど時間がなかったので,学校に来たときに「不動産法律セミナー」とかを読んで,空いている時間に計算をしていました。内堀先生が,記述式はまとまった時間をつくってそのときにやったほうがいいとおっしゃったので,何問も用意して記述式を書く練習はしていました。
内堀 初学者の方は解答を見てもよいから積極的に問題をこなすべきですね。それから基本的なパターンというか,ひな型が書けるようにな
りましたら,なぜ申請書のここにこのようなことを書くのかという根拠を調べることです。記述式の学習は受験生の多くは1日に1問というノルマを課して,「今日は土地」,「明日は建物」,「次は区分建物」というようにこなしているのですけれども,だんだん何となくノルマをこなすだけになってしまいます。たとえば記述式の問題集といっても手持ちの問題集ですから何回も解答していると書きながら仕事のことを考えてしまったり,また,終わったら何をしようかなといったいろいろな雑念が入ってくるんですね。ですから週に1回でもよいので,「今日は作図だけの日」としてその代わり2問こなすとか,「今日は求積の日」とか,「今日は問題文をよく読む日」,「今日は見取り図の下の求積に関する注意書きを過去10年分調べてみる日」というように変化をつけてみると刺激があって
よいと思います。
司会 林さんは,記述式などで法律的な根拠を見つけるということはおやりになったわけでしょうか。
林 正直に言うと,六法は一度も開いたことが
ないんですよ。先生の授業の中で理解していたものと,あとはいただいたテキストの中に根拠なども全部書いてあるので,それを直接覚えるようにしていました。参考書を読むよりも早いですから。それを繰り返しているうちに,出題傾向は同じですから,新しい問題をやっても応用力がついていて,法律なども頭に入っているので解けるようになりました。私は,問題そのものではなく解答を覚えるのがいいと思うんです。それが応用力につながって徐々に解けるようになっていった気がします。そうすると勢いが出てくるので何回も解いてみたりしていました。
◆ていねいな学習を心がける
司会 二人とも早く合格できましたが,勉強生活には波があったのではないでしょうか。
土井 ベストセレクト答練でけっこう実力が上がっていって実戦答練で問題の難易度が変わったときに,ガクッと落ちこんだことがあります。そのときにはベストセレクト答練で上がっていった「おごり」のようなものがあって,自分がやっていることは絶対に間違いがないんだという感じになっていたんだと思います。それで基礎に戻って,プロット(注)も線の引き方もひとつひとつ確認してやっていくようにしました。
(注)プロット(plot)とは,「図に記す」という意味ですが,調査士の土地記述式問題では,図面に筆界点の位置を点で記すという意味で使われます。これは,まずX軸とY軸を記載し,筆界点の座標値(XとY)を用いて行われます。そして,プロットした後に結線(点と点とを直線で結ぶこと。)することによって,土地の形状(筆界線)が完成します。
司会 1回目の受験が終わってから,発表までの間はどうなさっていたのですか。
土井 1年目は,終わった瞬間に落ちたとわかったので,1か月くらいへこんでしまって何もやらなかったですね。そのあと東京法経学院の
択一書式攻略講座に毎週日曜に通いました。それをモチベーション(動機付け)に変えて少しずつ盛り上げていった感じでしたね。
司会 林さんは,短期間ではありましたが,波のようなものはありましたか。
大事なことはイメージできること 内堀先生
林 4月ぐらいまでは全然だめで,問題を解き
始めたのは5月ごろからでした。それまでは問題をぜんぜん解いていなくて,家に教材が山積みになっていました。それを見て「元はとらないとな」と思って,授業はちゃんと集中して聴いたので,まずそちらを全部こなそうと思いました。一応全部こなしていきましたが,その中で答練にも通ったのですけれどもぜんぜんだめで,最高でランクはCだったのです。けれど,受けたからには活用しようと思って,全部復習をして3回以上は解きましたね。初めは波がありましたね。本当に頑張ったのは最後の3か月間です。集中してやりまして,8月の1週間ぐらい前にやっと合格レベルに達しているというところまでいって試験を受けて,終わった瞬間に合格したと思ったんです。けれども,いざ解答を見てみると予備校ごとに答えが分かれていて。「何だこれは!」と思いました(笑)。それで「これはまずいな」と思って,ずっとドキドキして過ごしていました。
内堀 受講生の方の中には5回,6回と受験されてもなかなか結果が出ない方もいらっしゃいます。そういうときはおそらく学習が雑になっ
ていると思うのです。すでにテキストは何回も読んでいますし,問題集もやりなれた問題ばかりですので。
そういうときにもう一度ご自分の取り組み方を確認して,ていねいな学習に切り替えていくとまたやる気が湧いてくると思います。学習が雑になりますとどうしても合格したいという気持ちも薄れていきます。そういうときはていねいにやることです。学習時間を少し減らしてもいいから,ていねいな学習に切り替えることによって,「こんなに学習しているのだからどうしても合格したい」という気持ちがまた芽生えてくるはずです。また心に火がつくというか。それがひとつの対策だと思いますね。お二人の場合は非常に短期で合格されたので,そういうことはなかったと思いますけれども。
司会 ていねいな学習の具体例を,挙げてください。
内堀 まず学習記録を毎日きちんとつけることですね。「今日は何をやった」という記録をつけることで偏ったところや弱点が見えてきます。偏らないようにまんべんなく学習するためにも学習記録を日記のように毎日つけていただきたいです。とくに記述式問題は好きなパターンの問題を多くこなすことになってしまって,いざ本試験でふたを開けてみたら「あっ,3か月ぐらい前にやったきりだ」という話になってしまいがちですので,とくに記述式は学習記録が大事ですね。あとは,先程話をしました頭の中に整理箱を作ってから覚えるということも,ていねいな学習方法のひとつです。
◆あまり手を広げすぎない
林 ぼくはかなり勉強する部分を絞ったんです。先生に「豊富な知識をつくるよりも,まず合格しなければ意味がない」と言われたので,まず合格する勉強をしようと思って,けっこう研究しました。だいたいどんな問題が多く出されているのかとか,時間配分なども考えて,「21年度は難しかったな。じゃあ22年度はどんなものが出るかな」と考えて,だいたい均等なレベルのものが出るんじゃないかと思いました。実務で使わないものはたぶん出題されないと思っていました。そういったものも予備知識程度には覚えて,テストに出ても解けるようにしておきました。でも,中心的にやったのはおそらく実務に出るだろう,現実的にあり得るといったものを中心にチェックしていました。問題も全文を読んでいたら自分としては時間が足りないので,解答パターンなども組み合わせを見て,たとえば最初の問題でアが○だったら,残りはその組み合わせの方しか出ないわけですから,イだけを読んですぐ次の問題に行ってしまうと
いったふうに,そこまで確実な知識がないとできないと思うんですけど,それぐらいのレベルに達するまではやっていました。
司会 組み合わせ問題で全部を読まないですますためには1肢目の正確な知識が必要になると
いうことですか。
林 そのためには繰り返しで覚えていくという感じでした。
司会 短期合格ができた理由として,いろいろ学習にはあまり手を出さないということがあり
ますか。
林 メリハリをつけることだと思います。長い間ずうっと勉強しているとモチベーションが下
がってきます,集中力は30分が限度だっていいますから。あまり長くやらないで休憩を入れた方がいいです。1時間やったら10分休憩するなど自分なりの方法でやっていました。
司会 教材に対しては,不安なくこれでいけるという感じはありましたか。
林 学生時代からこれまでの傾向を振り返ってみると,参考書は買うんですけど読まないんで
す。そうだったら,いまあるものを完璧にしようと思いました。東京法経学院から配付された教材を全部やりきろうと思いました。あまり手を広げすぎないのがいちばんいいんじゃないかなと思います。それを全部覚えていれば,たぶん合格するレベルに十分達していると思うんです。
司会 土井さん,1年目は苦しかったわけですけれども,2年目で合格できた大きなポイントは何だと思いますか。
土井 1年目の試験の後,秋に民法をやって貯金をつくれたということがよかったです。あとは,やはり根拠をどんどん集めていったことで
すね。根拠を集めていって体系化していく,というか,どんどんつながりをつくっていったのです。それがよかったんだと思います。
内堀 ある法令と他の法令との関係などという
ことですね。
土井 そうです。まず民法をつくって,問題に対しては根拠を問いかけながら,学習してきたから合格できたと思います。
司会 土井さんも組み合わせ問題はアを読んで,という感じですか。
土井 はい,まずアを解いて,次にアと同じ選択肢になっているところを見て,次に,アと,たとえばイが○だとすると,今度はイと同じ選
択肢を見るような保険をかけてというやり方をしました。だからだいたい4つくらいは読んでいました。
司会 内堀先生,合格できる方と不幸にしてなかなか合格できない方といらっしゃいますが,その大きな分かれ目というのはどういうところ
だと考えますか。
内堀 生徒さんを見ていて,まず学習に対して素直な方が合格が早いですね。あまり考えすぎないことも大切です。生徒さんには,よく,学
生時代に戻ったつもりで素直にどんどん吸収したほうがよいということをお話しします。例えば,答案練習会は一喜一憂するものではないと言われてますが,私は大いに感動したり悲しんだりしてほしいと思います。私みたいに年をとりますと感動がなくなってしまって,感動がないと覚えないんですね。感動するとずっと覚えているものです。だから,いくつになっても国家試験を受験する場合には子ども時代に戻って,わかったらすごくうれしい,わからないと悔しい,あの人がライバルだという気持ちを持って,本当に学生に戻ったつもりで素直に学習すると合格率は高くなってきますね。あとは,見ていますと,講義でも集中されている方は早いですね。生き生きしていますね。やはりたいへん失礼ながら,ちょっとお疲れかなという方は何年間かかかってしまうという印象がありますね。
1回で合格される方は基礎講座を受講されて,答案練習会に参加されるだけですが,その間使った教材は,基礎講座の教材と過去問題集,答案練習会の問題ぐらいで精いっぱいですね。それでも取り組み方がうまいので,やはりいい結果が出るんでしょうね。
司会 その取り組み方のうまさを具体的に話していただけますでしょうか。
内堀 そこがいちばん難しいところですね。たとえば,「私はどのように勉強したらよいのですか」とか「何が欠けているのですか」といっ
た質問があるのですが,私自身正直申し上げて,その方にとって,どのような学習方法が合っていて,そして何が欠けているかということを具体的にはアドバイスすることはできません。一般的なアドバイスはできるのですが,具体的にその方にとって何が欠けているかは,ご自分で見つけるしかないですね。
そのためには,やはり合格したいという気持
ちをまず強く持っていただいて,あとは講義を受けるとき,ご自宅でテキストを読むとき,問題を解くときなどに,10分間でもいいから周りの音が聞こえないくらい集中してほしいのです。そうすると自分なりの取り組み方が見えてくると思いますし,どこが欠けているのかということも発見できると思います。そこは受験生の方の各自の考え方とか意気込みによってご自分にあった取り組み方というものを発見していくというのがいちばんよいと思いますね。
◆テキストに書きこんで完成させる
司会 口述試験はほとんど落ちないと言われていますが,やはり試験である以上,緊張もされ
るでしょうし,土地家屋調査士法についてどのような学習法をとっていましたか。
林 緊張しないことをいちばんに考えていました。まだ内容は覚えていましたし。東京法経学院でいただいた口述対策用のテキストだけを覚えていきましたね。あとは,リラックスできるように,何時間か前にコーヒーを飲んで落ち着いてみましたり,とにかくあまり考えないようにしていました。
土井 学院からいただいたテキストを読んでいました。それから,自分がずっと書き込んでい
た「調査士合格ノート」と照らし合わせて,自分の言葉で答えられるようにしていました。
内堀 口述試験は筆記試験と違って,試験官に対して説明しなければなりません。ですから,筆記試験対策と同じ受験対策ですとあまりよい
結果にならないですね。東京法経学院では過去の受験者の方々の協力を得まして,過去問をデータベース化していますから,それを利用していただいて,実際に声を出して答えてほしいと思います。友人と一緒にお互いに問題を出し合って答えるといちばんよいですね。当学院でも口述模試をやりますので受けておくと自信につながります。
司会 受講なさっていてお二人とも本に書き込むとおっしゃいました。ノートを取っていらっ
しゃる人もいるでしょうが,本に書き込むことがいちばんいいのでしょうか。
内堀 私の講義ではまず,重要な箇所にはアンダーラインを引くように指導しています。そし
て,それに関する補足を脇に書いてもらうようにしています。「受験テキストは買った段階では未完成品だ」ということをよく言いますね。それをどう完成させるかということについてアドバイスをするという意味でアンダーラインを引いて脇に補足を書いていただくんです。また,学習をしていていちばん大事なことはイメージできるようになるということです。イメージできる段階で理解できたことになりますから。そのために図解を多く取り入れた講義をします。それはもちろんノートに書いていただいて,テキストとノートを見ながら復習していただくというかたちをとっています。
講義内容が書きこまれた教材
◆今後の抱負
司会 見事に合格なさったのですが,今後の抱負について,お願いします。
林 父と母が土地家屋調査士事務所をやっていまして,事業に成功して茨城でもトップクラス
にあります。父と母の顔に泥を塗らないようにしたいです。といっても同じやり方はできませんので,自分のやり方で父と母を越えられるように,そして父ができなかったことを目指してやっていきたいと思っています。
司会 お母さんも一緒に事務所をやってらっしゃるんですか。
林 母は行政書士なんです。父と二人で会社を大きくして,大手企業から仕事をもらえるくら
いになりました。そういう信頼を裏切らないように守っていくことも大切ですが,父と母ができないことは自分がやって顧客の信頼を裏切らないやり方をしていこうと思っています。
内堀 ますます発展しそうですね。
林 父は,29歳ですぐ開業しなければならなかったということで時間がなかったということも
あって司法書士を獲れなかったんです。そで
父を越えようという意味もあって司法書士を獲りたいと思っているんです。自分は一からではないので,父が獲れなかった資格を獲って,事業をより大きくするというわけではないですけれども,自分ひとりで頑張っていけるぐらいになりたいのです。それで今日,東京法経学院の司法書士コースに申し込みました。
司会 いいですね。お母さんが行政書士で,お父さんが土地家屋調査士で,林さんが調査士と
司法書士を兼ねたら,業務は総合法律事務所になっていきますね。
林 私の彼女がいま行政書士を目指しているんですよ。
一度は行政書士をやってからと思ったんです
けれども,それは彼女に任せ,土地家屋調査士をやっていたら延長線上のところに司法書士があったので,そちらをまず先に獲ろうと思いました。父と母を越えられるように頑張っていきたいと思っています。
司会 最初の動機に戻ってしまうんですが,ご両親が家業をやっていて,すんなりそこには行
こうとしなかったですよね。
林 思いませんでしたね(笑)。私はもう本当に道が定まらなくて,自分の好きな方向に行っ
てみたんですけれども。お金の面で家族を守れるほどの稼ぎもありませんでしたし,土地を守れる自信もありませんでした。それで完全に方向転換をして測量のほうに進みました。正直に言うと,3年間修行をしてから土地家屋調査士の方をやろうと思っていたんですが,父と母が高齢なので余裕がないということですぐに試験を受けることになって,幸いにも短期に合格することができました。とはいっても自分ひとりの力ではなくて,周囲の助けがあってのことなので,環境としてはとても恵まれていたので,すんなりいきました。
土井 父はまだ開業して10年くらいで,やっと仕事が多くなってきて信頼を持ててきたという
ところなので,自分がもっと責任感を持って助けてあげられたらと思います。
父の信頼を裏切らないように,かといってそれだけでは成長しませんから。うちは田舎なので調査士だけで食べていくのは難しいので,やはり土地家屋調査士につながる資格をもっと獲って総合的にできるようにしたいです。今日は東京法経学院の行政書士コースに申し込みました。
司会 内堀先生,お二人はたまたま親御さんがしっかりした調査士業をやっていらっしゃいますが,合格者の中にはそのような環境にない方
もいらっしゃると思います。合格後のイメージをどうつくっていったらいいか,アドバイスをお願いします。
内堀 土地家屋調査士試験の合格者の方は開業を前提として受講されていますので,開業され
る方が多いですね。ただ,こういう時代ですので,迷われている方も大勢いらっしゃると思います。でも,最終的には開業したいと考えると思いますね。
私は父親が土地家屋調査士であるということではありませんでした。当初は事務所にいても仕方がありませんので,まずは近所の司法書士の先生方にご挨拶にうかがって,あとは銀行を回りましたね。たまたま都市銀行が近くに出店してくるということで,開業準備室を探し当てて,やはり同期に開業された司法書士の先生と一緒にお酒を持って挨拶に行きました。そうしたら,「そういえば必要だった」ということですんなり入れてしまったんです。それで,その銀行さんにはいろいろと仕事をいただきました。このように積極的に営業をしていけば,土地家屋調査士や司法書士は道が開けていくと思いますね。
◆基礎固めで不安を埋める
司会 今一生懸命勉強なさっている受験生の方たちに,アドバイスをお願いします。
林 勉強を長く続けていくということはストレスになりますし,すごく大変なことだと思いま
すので,メリハリをつけてやっていかないと難しいと思います。ずっと机に向かっている時間を作るよりも集中できる時間を大切にすべきなので,適度な休憩やリラックスする時間というのは,学習の中ではとても大切になってくると思います。気負わずに自分なりの勉強法を見つけて集中してやっていけば合格につながるのではないかと思います。
司会 気分転換の方法とか,不安の解消方法とかはご自分なりにあるんですか。
林 彼女の住まいが遠かったので,土日はいつも通っていたんですよ。それが自分のなかでは
いちばんリラックスできる時間でした。それで帰りとかに「しっかり休めたから勉強しよう」という気持ちになれました。その時間というのがとても大事だったなと思います。彼女にも協力してもらい,問題を出してもらったりということがあったので,自分ひとりでは合格というのは考えられなかったと思います。
土井 合格するまでは不安なところがありましたので,その不安感を埋めるためには○とか×
が合っているかどうかではなくて,根拠をしっかりすることだと思いました。そうした基礎固めを大切にしていただきたいと思います。
司会 不安は受かるまでは消えないでしょうけれど,やるべきことをやっていくということで
しょうか。
土井 答練で間違えたところをていねいに復習して,記述式だったらほかに類似問題がないかを探して徹底的に克服するようにしました。
司会 いま勉強中の受験生に内堀先生からアドバイスをお願いいたします。
内堀 まず最後まで諦めないでほしいということですね。この試験は本試験の日の朝に何を食べたかによって2,3点変わってくる試験なん
ですよ。
ですから,当日消化のいいものを食べていた
だいて。かえってもたれるようなものを食べてしまうと頭が働かなくて,やはり何点か下回ってしまうんですね。最後までチャンスはあると考えて諦めないでほしいですね。
あとは,合格したいという気持ちを強く持ってほしいです。そうしますと睡眠時間とか食事にも気を遣うことになりますから。いい生活習慣を続けながら合格していただきたいと思います。体を壊してしまったら何にもならないので。
それと,みなさん仕事をされていますから,
お仕事から帰って机に向かうとどうしても仕事のことを思い出すんですね。家庭の面でも仕事の面でもみなさん問題を抱えているのが普通ですから,やはりそういうことを考えてしまうのです。そういうときは,許されれば少し運動をして軽く汗を流して頭の中を空っぽにした状態で学習に取り組めば,多少時間が短くなったとしても集中できますので効果的だと思いますね。司会だらだらやるよりも集中した時間が大切だということですね。本日は,貴重な体験をお話しいただき,ありがとうございました。