「司法書士」と「土地家屋調査士」はどちらも登記業務に絡む資格のため、両方の資格をあわせ持つとより活躍できるようになります。司法書士と土地家屋調査士のダブルライセンスで得られるメリットや注意点についてご紹介します。
司法書士と土地家屋調査士をあわせ持つメリット
司法書士と土地家屋調査士をあわせ持つメリットは、ズバリ「登記業務の幅を広げられる」ということです。
司法書士が行える登記業務は「権利の登記」に限られます。権利の登記とは、その不動産の所有者はだれか、銀行の抵当に入っているかなどの部分の登記を指します。
一方、土地家屋調査士が行える登記業務は「表題登記」に限られます。表題登記とは、土地の広さは何㎡か、木造なのか鉄骨なのかなど、不動産の物理的情報の登記を指します。
司法書士と土地家屋調査士をあわせ持つと、この権利の登記と表題登記両方の登記業務を行えるようになりますので、より仕事の幅を広げていくことができます。クライアントにとっても、いちいち司法書士と土地家屋調査士に別々に依頼する手間が省けるので喜ばれるでしょう。
司法書士から土地家屋調査士は目指しやすい
土地家屋調査士は司法書士よりも難易度が低めです。司法書士に合格した方であれば比較的土地家屋調査士は目指しやすいでしょう。
また、民法や不動産登記法の部分が共通しているため、この部分の勉強時間が省けるのもうれしいところ。土地家屋調査士は数学が必要となるためそこに不安を感じている方も多いかと思いますが、土地家屋調査士の扱う数学は一部に限られているため、そこまで壁とはなってきません。
一方で、土地家屋調査士から司法書士を目指す場合は、難易度が跳ね上がるので注意が必要です。無職や学生などが勉強に専念したとしても合格できないケースも多々あります。それなりの勉強時間と覚悟が必要になると言えます。
【参考】土地家屋調査士試験 ガイダンス
【参考】司法書士試験 ガイダンス
ダブルライセンスの注意点
司法書士と土地家屋調査士を取得すると、それぞれでの資格で協会への登録料や会費を支払う必要があります。どちらも年間辺り20万円~30万円となってくるため、それなりに大きな出費となります。この点はダブルライセンスを目指す際、頭に入れておきたいところです。
いかがでしたでしょうか。司法書士と土地家屋調査士をあわせ持てば登記業務では鬼に金棒です。特に登記業務を中心にしている司法書士や土地家屋調査士であれば、ダブルライセンスのメリットはより大きくなるかと思います。
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