●書籍概要
内堀 博夫〔東京法経学院 専任講師〕
土地家屋調査士試験のハイレベルな過去問を理解することは合格のための必須の条件ですが、過去問題集の解説は直接正解の根拠となることしか記述されていないため、時間をかけて取り組んでも、単に正誤を覚えるだけに止まり、本試験では高得点を取ることができない受験生が多いのが実状です(過去問と全く同じ問題は出題されません)。これは、過去問集の解説には記述されていない正解を導くまでのプロセスが理解されていないことが原因であると考えます。しかしハイレベルな過去問について、そのプロセスをも理解するためには、過去問題集の解説のほかに、正確な表現と高い技術をもって行われる講義を受け、また、他の複数の教材にも取り組まなければならず、大変な時間を費やすことになります。そこで本書では、過去問の中から重要、かつ、ハイレベルな問題を選び、その正解を導くまでのプロセスにおける法令や先例を順次 Q(question)&A(answer)方式で解説をすることとし、そのQ&Aについては、特に、理解していく順序を重要視して並べています。したがって、そのQ&Aを繰り返し読むことで、ハイレベルな過去問が本書だけで理解できるようになっています。なお、本書で示す法令と先例につきましては、六法を使い精読することで、より理解が深まることでしょう。最後に、本書を利用されるすべての受験生が、本試験において遺憾なく実力を発揮し、合格を果たされることを祈念いたします。
本書のコンセプト(発想による基本的考え)は、「苦労をせずにハイレベルな過去問を理解する。」ということですので、持ち運びに便利なサイズで製本されています。ご自宅のみならず電車内等でも気軽に読んでほしいと思います。また、本書を使用するにあたって大切なことは、Q&Aを繰り返し読むということです。 Q(question)を読んで、A(answer)に書かれていることを大体思い出すことができるようになればOKです。
過去問題集を利用する際は、正誤を覚えるための記憶力しか用いないことが多いのに対し、Q&A方式の学習は、Q(問い)に対する思考力と表現力を高め、ハイレベルな択一式問題対策になるほか、記述式の論述問題対策にもなると信じます。