試験後にわかった低迷期を脱出する3つの徹底項目|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

試験後にわかった低迷期を脱出する3つの徹底項目

体験記

庭野 彰太さん


 体験記

 私が短期で一発合格するまでの生活や勉強の過程、実践した勉強法をご紹介したいと思います。これから土地家屋調査士の試験勉強を始める方、現役受験生の皆様の参考になれば幸いです。

 

●志望動機
 親が土地家屋調査士兼測量士だったこともあり、測量業界に興味を持ち、高校卒業後に測量の専門学校へ進学しました。この時はまだ、土地家屋調査士になることや親の事務所を継ぐことは考えていませんでした。専門学校卒業後、測量会社に就職、 5 年ほど経ってから事務所を継ぐ決心が付き、資格取得を目指して試験勉強を始めました。

 

●勉強スタートから合格発表まで
 既に測量士の資格を持っていたため、午後の部に絞って勉強を始めました。11月に東京法経学院に通信講座受講の申し込みをし、とりあえず来年度受験してみようというくらいの気持ちで始めました。しかし残業が多く、なかなか勉強に時間を割くことができず、気がつけば本試験まで残り半年になっていました。
 仕事が落ち着いてからは、学習スケジュールに大きく後れをとりながら「多分今年の試験は歯が立たないだろうな。」と思いつつ、パソコンで講義を受ける日々を過ごしていました。お盆を過ぎた頃にようやく基本テキストを終了し、合格直結答練に取り掛かることができました。(この時点で学習スケジュールの半年遅れでした。)本試験に間に合わせるため、毎日答練 1回分を解いては郵送することを繰り返していました。(先生やスタッフの皆様には大変ご迷惑をお掛けしました…。)この頃、全く問題は解けず、点数も取れずに毎回落ち込んでいました。まず問題を理解することが難しかったため、テキストを読み返したり六法で参照条文をひいてみたり、復習に時間をかけて勉強しました。今となってはこれが有効であったと感じています。「間違えたところや疑問点は次の日に残さない。」これを徹底して実践していました。


 一通り答練が終了し、もう一度答練をすべて解いた段階で知識の紐付けができ、 8 割程点数も取れるようになっていました。土地家屋調査士の出題範囲はそこまで広範囲ではないため、出題者が何を答えさせたいのか考えながら解答していくことで、徐々に点数が伸びていきました。しかし、未熟な知識であったため、解いたことのないような問題が出題されたときや少し難易度が高い問題では 5 割程しか得点することができませんでした。答練で間違えた所を復習しても上辺だけしか理解できず、試験 1 か月前になると毎日のように就寝前は気分が落ち込んでいました。「 2 、 3 回受験して受かったらいいな。」と思っていたのが、「これだけやったのに落ちたらどうしよう、来年もこんな生活は絶対に嫌だ。」という心境の変化に。勉強が進むにつれて徐々に腰や首の痛みが強くなり、湿布を貼ったりストレッチをしたりと自己メンテナンスも行っていました。

 

 勉強時間は長ければいいというものでは全くないです。時間は短くても集中して取り組むことが重要です。疲れた時には休んで、思い切って好きな事をしたらいいと思います。私はジムに行ったり、ゲームをしたりしていました。そうしているうちにふと、昨日学習した求積方法を思い出し電卓を叩く→地積測量図を描いてみる→申請書はどうなる?と自然に勉強モードに入り、気分転換することで効率も上がっていきました。自分で自分をコントロールすることも受験生にとって大切なことです。気分転換も取り入れながら自分を追い込んで勉強したことが1 年かつ一発合格につながったのだと思います。


 そしてついに本試験当日。問題冊子を開いた瞬間、緊張で手が震えました。建物でつまずきましたが、答練で本試験を意識した時間配分の練習をしていたこと、予備の時間を多めにとっていたことで、なんとか乗り切ることができました。(択一20分、土地50分、建物70分、見直し10分。)
 解答速報で確認すると択一15問正解、記述もあまり自信がなく、「力及ばずだったけど初めてにしては頑張ったほうだな。」とやりきれない気持ちのまま 1 月 8 日(筆記試験合格発表の日)を迎えました。午後 4 時法務省のホームページにてあと 1 クリックで結果が見えるとこまで進み、深呼吸。覚悟を決めクリックすると、自分の受験番号を確認、飛び上がりました。その夜家族から筆記試験合格祝いをしてもらい、とても嬉しかったことを覚えています。

 

●学習法

@択一式対策
 「講義」⇔「基礎テキスト」この繰り返しに尽きると思います。東京法経学院の講義とテキストは試験に必要な範囲の全てを網羅しているため、これを極めれば相当な実力をつけることができると思います。過去問は15年分やってみることをおすすめします。ただ、問題を繰り返し解くことで言い回しや表現を覚えてきてしまうため、そればかりやるのは良い方法とはいえません。ハイレベルな問題を解けるよう、答練をやってみましょう。

 

A記述式対策
 私自身、記述式テキストを見た瞬間はこれを書けるようになるには何時間勉強したらいいのだろうと思いました。初歩的な分筆登記が論点になる問題に 3 時間以上時間がかかっていました。申請書は登記の目的ごとにひな形を作り、何度も見返しました。申請書の書き方のパターンを覚えて、共通点と規則性を見つけ出すと自然と得点が伸びていきます。求積はあまり苦労しませんでしたが、苦手な方は過去問の年度毎の求積部分だけ集中して解いてみてください。解説を見ると年度毎に考えるべきことや用いる公式(内分点や余弦定理など)が分かります。それらを何年分か整理するとそんなに覚える公式は多くないことに気付くはずです。

 複素数について今後法務省と学院がどのようなスタンスをとるかは不明ですが、近年の試験内容の難化や論点の多さに対応し、試験に合格するには複素数の導入は必須だと考えます。始めればすぐものになると思いますが、複素数の基本的な知識なくして手を出すのは絶対にお勧めしません。万が一記述式で真数表の出題があったときに全く勉強せず本試験に望んだのなら、悲惨なことになるのは目に見えています。ベースがあっての複素数という選択肢であることを忘れてはいけないと思います。

 

●本試験を終えて思ったこと
次の 3 つを徹底していれば試験勉強の効率が上がり、低迷期の脱出につながったのではないかと考えます。

 

『計画』

 新・最短合格講座を受講されている方であれば学習スケジュールに沿って学習をすること。私もそうでしたが、受験生の 8 割近くは働きながら学習をされています。忙しくて遅れをとることもあるかもしれませんが、短期合格するには余裕をもって学習するようにしたほうが良いです。

 

『自己分析』

 何がわかっていて、何がわかっていないのか、詳細かつ正確かつ頻繁に分析してください。学習を深めていくと自分の得意科目と苦手科目が分かってくると思います。私は過去問や答練で間違えた問題専用のノートを作り、 1 日の勉強の最後にそのノートを見返して復習をしていました。(例えば平成30年度本試験の第 5 問を間違えたり理解できていなかったりしたら、「H30− 5 」のようにノートに書いておく。ノートに何も残らなくなったら全体的に理解している目安になる。)


『わかったふりをしない』

 学習初期の頃は曖昧な理解のまま答練に挑戦し、択一式記述式共にボロボロだったことがありました。実際に令和元年度の土地の記述式で出題された筆界特定の問題は、わかったふりをしたまま本試験に臨んだため、 3 分の 1 しか合っていませんでした。後でテキストの該当箇所を読み返したら基本的な事を問われていることに気づきました。本試験では大して難しい問題ではないのにも関わらず、択一式を 1 問でも落としてしまうのは致命的です。なんでもっと勉強しておかなかったのだと試験終了後にいくら後悔しても無駄です。

 

 東京法経学院は最高の問題や解説、アドバイスを提供してくれます。あとは皆さん次第です。嬉し涙を流す日まで諦めず頑張ってください!