●土地家屋調査士を目指す動機
私が土地家屋調査士を目指すようになったのは、父親の影響が大きいです。
私の父は、私が幼い頃はサラリーマンでしたが、父が37歳の時に土地家屋調査士の資格を取得し開業しました。土地家屋調査士となった父は、忙しい中でも時間を作り、家族揃って夕飯を食べ、父がキャッチボールや習い事の送迎をしてくれた記憶があります。夕方に時間を作り、夜にまた仕事をしていました。
私は大学卒業後、民間企業に就職し、サラリーマンをしていました。待遇や仕事の内容には満足していましたが、仕事が忙しく、子供達と過ごす時間はほとんどありませんでした。私は、このままサラリーマンとして将来は単身赴任となり、子供達とほとんど接する時間がないまま過ごすことが幸せなのか疑問に思うようになりました。家族で一緒に夕飯を食べたり、子供達と遊んだりすることが大切だと考え始め、父と同じようにサラリーマンを辞めて、自分で時間の調整ができる土地家屋調査士を目指そうと思ったのです。
●目標設定
サラリーマンを辞めて、父の事務所で補助者として働くことになりましたが、家族を養っていく為には、急いで資格を取得し開業する必要がありました。そこで、2019年 5 月に測量士補を合格し、2019年10月に土地家屋調査士を一発で合格することを目標としました。
●学習方法
2018年 7 月より東京法経学院の「通学講座・本科2019」に入校し、土地家屋調査士試験の学習を開始しました。
@ 2018年 7 月〜 9 月数学の復習
数学の問題を解くのは高校生以来の約20年振りで、試験で必要となる公式は自分でも驚く位忘れており、数学が全く分かりませんでした。これではマズイと思い、まずは数学だけ徹底的に学習することにしました。まず、使用する公式(10個程度)を紙 1 枚に記載し暗記し、「書式過去問マスター@土地編」に掲載されている記述式問題の座標計算のみを解きました。その結果、座標計算は得意となり自信が持てるようになりました。
A 2018年10月〜 2019年 1 月
週末に講義を聞いて、平日に講義で聞いた範囲のテキストを読んでいました。正確には、テキストを眺めていただけで、地目、建物種類とか頭に入り易い項目だけ覚えていただけです。その他には、「書式攻略ノートT〜V」を 1周解きました。この時期の学習時間は、週10時間程度でした。記述式の記載例を少し覚えただけで、択一式問題を解けるような知識は全く身に付いていませんでした。
B 2019年 2 月〜 3 月
「ベストセレクト答練」が開始になりましたが、 3 割程度しか正解できませんでした。択一式は当て勘でマークし、記述式は土地の座標だけ計算して、登記の目的や添付書類も中途半端な知識で適当に埋めるだけでした。そこで、自分の学習ペースが遅いことに気付き、焦りを感じました。学習開始時は、15カ月もあるからどうにかなるだろうと楽観的に考えていましたが、残り 8カ月となり、計画的に学習しないといけないと反省しました。
C 2019年 4月〜 5月
4月になると「実戦答練」が開始になりました。計画的に学習をしようと思ったものの、測量士補試験が近づいていた為、測量士補試験の学習に専念しました。土地家屋調査士試験への焦りはありましたが、測量士補試験に合格しないことには、土地家屋調査士試験合格に向けて、余計に遠回りをしてしまうと思いました。
測量士補試験の学習は独学で、市販のテキストを何回か読んだり、テキストに掲載されている過去問を解いたりしました。結果的に、測量士補試験は 1 カ月程度の学習で無事に合格できました。しかし、当然ながら実戦答練の成績は上がらず、C判定かD判定でした。
D 2019年 5 月〜 10月
測量士補試験が終わり、本番の試験までは残り半年です。毎日、子供達が寝た後の21時〜 24時まで勉強することにしました。(実際、サボらずに毎日勉強するリズムができるのに 1 カ月掛かりました。)
まずは、土地の記述式を完璧にすることを考え、記述式の記載例をパターン毎に暗記しました。そして、答練で持ち帰った問題を全て解き直し、「書式過去問マスター@土地編」も順番に全て解きました。すると、答練でも土地の記述式問題は解けるようになり、自分自身でも日々の成果がでている実感が沸いてきて、やる気も上がりました。次に、 7 月から建物の記述式を、土地の記述式と同じ方法で勉強を始めました。また、同時に「択一過去問マスター@、A」を解き始め、 2 周しました。
択一式対策としては、まず過去問マスターを解いて、解説を読むというシンプルな方法です。解説を読んでも全く内容が理解できない場合だけ、テキストと六法を確認しましたが、「まとめノート」のような物は作成しませんでした。なぜなら、時間が足りない状況になってしまったので、問題を解くので手一杯だったからです。
その成果が出て、 8 月頃には、「総整理・速答答練」でB判定になり、 9 月の「スーパー模試THEパーフェクト・ウィン」では 7 〜 8 割解答出来るようになりました。
しかし、本試験まで残り40日で課題が残っていました。それは、区分建物の記述式です。区分建物の記述式問題は答練の復習しかできておらず、基本形の問題以外は解けないという状態でした。ただ、この時点での私の択一式問題における実力は14問前後しか正解できていない状態でした。試験の足切りは突破できても、合格は厳しいと思い、区分建物の記述式には注力せずに択一式対策に時間を使うことにしました。むしろ、残り時間を考えると、それしか選択肢がありませんでした。
10月に入り、残り20日間となり答練の択一式問題を解き直し、過去問は 7 年分を解きました。過去問はインターネットから印刷して、本番と同じ 2 時間半で解きました。空いた時間で、区分建物の記述式対策として「書式過去問マスターA」を解きましたが、区分建物は全ページできませんでした。
本試験直前の自分の実力は、択一式は16 〜18問、記述式は土地 9 割、建物 8 割、区分建物6 割解ける程度でした。
学習開始から15カ月あったにも関わらず、最初の10カ月を真剣に勉強しなかったことを後悔しましたが、「最後の 5 カ月は一生懸命勉強した」と前向きに考え、本番を向かえました。
●筆記試験結果
2020年 1 月 8 日午後 4 時、法務省のホームページで自分の受験番号を見つけた時、嬉しさと安堵感で、涙が出て、妻と抱き合って喜びました。入学試験や就職試験で何度も受験はしてきましたが、合格して泣いたのは初めてでした。
試験の点数は、択一17問、土地23.5点、区分建物15.5点の総合81.5点で、直前の自分の実力がしっかり出せたと思います。逆を言えば、区分建物は予想通りあまりできませんでした。
●最後に
土地家屋調査士試験は、作図もある為、試験時間との勝負になり、経験が必要な試験です。しかし、試験範囲が絞られている為、短期合格ができない訳ではありません。色々と複雑に考えずに、東京法経学院の講義、教材をシンプルに使うことで、一発合格も可能です。
最後に、東京法経学院の皆様、合格に向けたサポートをありがとうございました。