合格率が低いものの、持っていれば転職やキャリアアップに有利な資格はいろいろあります。
「土地家屋調査士」もその内の1つです。
多くの人が予備校や通信教育を利用していますが、独学で合格をした人もいます。
ここでは、独学で合格するためのポイントをご紹介します。
土地家屋調査士試験
土地家屋調査士の仕事は不動産の状況を正確に登録・記録し、財産の明確化と不動産の取引を安全に行えるようにすることです。
この試験は合格率は例年8%台と決して簡単なものではありません。
受験に条件はなく、誰でも受けることが可能です。筆記試験と口述試験によって構成され、筆記は午前の部と午後の部に内容を分けて行われます。
午前の部では測量計算や作図問題が出題され、午前の部で不動産登記法や民法の多肢択一と書式問題が出題されます。
午前の試験においては「測量士・測量士補」または「1・2級建築士」の資格を持っていれば免除されるため、多くの人が測量士補の資格を取ってから午後の試験だけ受験しているようです。
また、口述試験は受ければほぼ間違いなく合格する傾向にあるので、実質的にこの資格の難関は午後の筆記試験となります。
独学で土地家屋調査士試験に合格するために
1.測量士補の資格を得る
測量士補の試験の方が、土地家屋調査士試験の午前の部よりも簡単な問題が出る傾向があります。まずは測量士補の試験を受けて合格しましょう。
測量士補試験対策は、過去問から文章問題は暗記をし、計算問題は解き方を理解し公式を覚えていくようにしましょう。
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午後の部の対策
午後の部の試験では択一式が20問の50点満点で、書式が2問で50点満点の合計100点満点で行われます。
最近の傾向では民法から3問、土地家屋調査士法から1問、不動産登記法から16問が出題されています。
書式問題は「土地」に関する問題と、「建物」(またはマンションなどの区分建物)の計2問が出題され、出題されるジャンルは広くないものの高度な知識が必要です。というのも、不動産登記は歴史が古く、問題が出ては実務上で改変運用がされてきたからです。実務上の運用の記録を「先例」と呼びますが、この先例の知識と法律の知識の両方を十分に活かせなければ合格は難しいでしょう。
まずは、作図方法や電卓の使用方法についての解説がされている基本テキストを探してみましょう。また過去問題集も勉強に活用しましょう。
過去問題をやる際は、問題の論点を完璧に理解し、解説も理解してください。そして、過去10年分の問題を覚えるくらい繰り返し解けば、合格の確率も高くなりますよ。
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試験のときは
午後の試験は、問題の内容にしては試験時間が短く感じられるかもしれません。
正確に読み取る力とスピードが要求されます。書式では土地よりも建物の方が比較的安定して点数を取りやすいため、問題を解く順番は、択一問題→記述(建物)→記述(土地)が良いでしょう。
失敗しないために
・基本テキストは途中で変更しない
基本テキストをひとつ決めたら、テキストを別のものに乗り換えることはしないようにしましょう。
書式問題などでは見解が異なる場合があるので、新たに別のテキストで勉強すると混乱してしまう恐れがあります。
・書式を毎日1問解く
独学では書式対策が重要になるでしょう。書式の勉強は毎日欠かさず行うことが重要です。
また、定期的に模擬試験を行い、書式の勉強量を調節すると良いでしょう。
土地家屋調査士試験を合格するためには、どれだけ理解しスピーディに解けるかがポイントです。試験は年に1回ですから、次の機会とならないように質の良い勉強スケジュールを立てて準備をしてくださいね。
コラムの運営会社
株式会社東京法経学院は10年以上にわたり、土地家屋調査士・測量士補・司法書士・行政書士など、法律系国家資格取得の受験指導を行ってきました。
通学・通信講座の提供だけではなく、受験対策用書籍の企画や販売、企業・団体の社員研修もサービス提供しています。