ダブルライセンスの組み合わせにはいろいろありますが、土地家屋調査士と行政書士はとても相性が良いと言われています。
理由としては、共通する分野の業務が多く、受け持つ仕事に広がりが出ることにより、収入増や独立開業への期待が高まるからです。また、資格取得の際も、土地家屋調査士と行政書士は資格勉強の方法が似ている部分もあり、すでに片方の資格を持っているならば、もう片方の勉強もしやすいでしょう。
そこで今回は、土地家屋調査士と行政書士について、ダブルライセンスを取得することで得られるメリット、そしてダブルライセンスに向けた資格勉強のポイントについて、ご紹介いたします。
土地家屋調査士と行政書士のダブルライセンスのメリット
土地家屋調査士も行政書士も不動産に関する業務が多く、どちらの必要も業務に活かすことができます。
土地家屋調査士の業務には役所への申請が多くあり、書類作成や手続きの代理を行政書士に依頼しますが、ダブルライセンス取得後は、一連業務を一人行えるようになります。
ダブルライセンスによって業務の幅が増える具体的な業務としては、以下のものが挙げられます。
1.相続の遺産分割に関する業務
遺産相続では、現金だけでなく土地など不動産の遺産分割も行われます。その際に土地家屋調査士は、土地を分筆したり境界を確定させたりという測量業務を担います。もし、行政書士の資格も所持していれば、遺産分割協議書の作成や不動産分割による登記申請の業務までを行うことができます。
2.農地転用に関する業務
農地を宅地や駐車場などに転用したい場合には、許可や届出が必要となります。その際に土地家屋調査士は土地を測量して分筆したり、土地の利用目的を示す「地目」を変更する業務を担います。その際に、行政書士の資格も所持していれば、許可申請や届け出についても一緒に行うことができるようになります。
3.開発許可に関する業務
開発許可とは、都市計画が定められている区域内での一定規模の宅地開発を行う際に必要となる許可申請です。その際に、土地家屋調査士は、区画の分筆または合筆、確定測量や建物表題登記などの業務を担いますが、やはり行政書士の資格を有することで、開発許可に関する書類作成や申請も一貫して行えるようになります。
また開発許可については、土地家屋調査士の業務を滞りなく行うためには、行政書士の知識も有しておくことが求められます。より専門性の高い業務をこなし、顧客の信頼を得るためにも、ダブルライセンスが役立つでしょう。
土地家屋調査士と行政書士 資格の共通点と勉強のコツ
土地家屋調査士と行政書士の試験科目で重複しているのは、民法に限られています。しかし、行政書士試験において大部分の受験者が苦手意識を持つ法律の分野において、土地家屋調査士試験で学んでいるということは、大きなアドバンテージとなります。
基本的には、行政書士の法律分野の資格勉強については、土地家屋調査士の際の学習方法と同じやり方で進めていけば良いでしょう。
ただし、土地家屋調査士試験の民法では、「総則」「物件」「相続」に出題が限られていたのに対し、行政書士試験では新たに「債権と親族」の分野が加わるなど、新たな学習も必要となるので注意しましょう。
土地家屋調査士と行政書士のダブルライセンスのメリットや、ダブルライセンス取得に向けた資格勉強についてご紹介いたしました。
もともと共通する業務が多いだけに、ダブルライセンスによってワントップでの仕事が可能となります。
土地家屋調査士の資格を有しているなら、ぜひ行政書士とのダブルライセンスを目指してみませんか?
コラムの運営会社
株式会社東京法経学院は10年以上にわたり、土地家屋調査士・測量士補・司法書士・行政書士など、法律系国家資格取得の受験指導を行ってきました。
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