この試験の最大の難しさは試験時間の短さにある。|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

この試験の最大の難しさは試験時間の短さにある。

合格体験記

Y・F さん


 合格体験記

 私は46歳で不動産会社に勤務している者です。 2023年1 月頃から土地家屋調査士試験の勉強を開始し、一発合格を目指していましたが1 年目は不合格となり、2 回目の試験で無事合格しました。私の体験記が皆様の参考になるかはわかりませんが、私の勉強方法や時間の使い方等を書かせて頂きます。
 私は売買専門の不動産会社に勤務しており、土地の分筆登記や地積更正登記、建物の表題部変更登記等の業務を土地家屋調査士に発注することも多く、その業務を身近に感じていたので以前から土地家屋調査士に興味がありましたが、数学が苦手なので敬遠していました。
 しかし、昨今の不景気や建築資材の物価高等での買い控えもあいまって、コロナ過以前より比較的高額な不動産の売れ行きが芳しくない状況が続いており、将来的に不安を感じたので資格取得を決断しました。幸い二級建築士の資格を所持していましたので、午前の部を免除できるということも受験をする後押しとなりました。
 独学では難しいと考え講座を受講することにしましたが、私は土日の仕事が多いため、通学講座は当初から考慮しておらず、通信講座を受講することに決めました。
 そこでいくつかの資格学校の資料を取り寄せ検討した結果、合格率や実績、費用対効果を考 え2022年に東京法経学院の「土地家屋調査士新・最短合格講座(通信)」を申込みました。

 1 回目(不合格)
 学習当初は不動産登記法をはじめ、知らない法令や規定が多々あり、また大改正後の民法は目にしていなかったので覚えることが多く、勉強開始時は戸惑うこともありましたが一発合格を目指していましたので、講義の動画を視聴し、その分野ごとに過去問を繰り返し解き、知識の定着に努めました。
 同時に数学が苦手であったため、講座に同梱されている「測量・面積計算&図面作成」の問題や過去問を繰返しました。それでも意味が分からないときは大学生で工学部に通う息子に聞いたりしていました(笑)
  平日の勉強時間はスキマ時間を入れ約3 時間、休日の勉強時間は最低8 時間くらい確保していたと思います。というのも多くのサイトに「土地家屋調査士試験の必要勉強時は1,000時間」とあるので単純に試験日までの日数(約10か月)× 1 月あたりの勉強時間(100時間超)で1,000時間以上確保でき合格できるであろうと安易に考えていました。
 実際に通信での答練や模試ではほとんどA判定であったため、より一層自信を深めておりました。しかし、ここに通信講座特有の落とし穴があり、1 回目の試験当日にそれを痛感しました。この試験で最も難しいのは試験時間の短さです。
 講義でも何度か触れられてはいましたが、2時間半の限られた時間の中でこの試験問題を全て解くには訓練が必要です。私は答練や模試の問題を解くのにも特に時間を気にせず、なるべく正解を導くよう解いていました。今思うと、そりゃA判定になるなと思います。大学生になったばかりの息子が「大学受験では模試A判定なのに結構落ちてるやついるよ」と言っていたことを思い出しました。
 令和4 年度の択一は比較的簡単で、満点をとることができました。ほぼ答練の問題がいくつか出題されてびっくりしました。(約35分)次に問22(建物)ですがこれも比較的簡単であり穴埋め問題を何個か取りこぼしてしましましたが、想定内でした。(約55分)問題は問21(土地)で問題文のボリュームに戸惑い、深読みしすぎ復元計算と勘違いし、また電卓のメモリ登録をミスし、無駄に時間を多く使ってしまい、結果作図が間に合わず、図面は白紙に近い状態での終了となりました。(帰宅後、改めて問題をみると、とても簡単でした)(製図ほぼ白紙で時間切れ)
 令和4 年度の試験結果は択一50点、記述式土地12点、建物21点で記述式合計33点、合わせて85点で合格点は超えていますが、記述式で基準点34点に1 点足らず、不合格となりました。

 2 回目(合格)
  前回わずか1 点差で不合格となってしまったため、しばらくモチベーションがあがらず、勉強が手につかずダラダラとすごしていますが2月頃にこのままじゃいけないと奮起して再スタートを切ることにしました。
 問題傾向や自身の実力の把握のため東京法経学院の「スーパー模試THEゴールドウィン 」「ハイレベルVロードプレミアム答練」「スーパー直前模試THEパーフェクトウィン」と前年に民法の一部改正があったので「土地家屋調査士2023民法改正対策講座」を申込みました。
 記述式では今まで出題されたことのないような形式で出題されることもあり、頭が真っ白になり実力を発揮できないまま終えることも考えられるため、まず意識したのは試験時間内( 2時間30分以内)に終える訓練をすることです。例えば記述式で分からない部分があってもわかる部分のみを記入し、とりあえず答案を埋めることにしました。また、時間短縮のため択一を20分以内で終わらせるように意識して取り組みました。
 あまりおすすめはできませんが、肢の全てを確認せずあらかじめ選択肢を見て問題文を読み、正解を導けた段階で他の肢を読まず次の問題に進むといった大幅な時間短縮を試みました。記述式も無駄をなるべく省き、穴埋め問題もとりあえず埋めて、後で間違いに気づいても2重線で抹消し書き直したりするように試みました。
 ちなみに、最近の問21(土地)の試験問題では筆界点が多いことが傾向としてあったので、心のゆとりのため関数電卓をメモリ数が少ないカシオfx-JP500から19個メモリ登録できるキャノンF-789SGをメイン電卓としました。
 試験本番では、択一式のレベルが明らかに昨年度より上がっていると感じ、全ての肢を検討する問題が多々あり、難しい問題もあったので約30分弱の時間を要しました。次に問22(建物)に取り掛かりましたが、最近出題されていない問題であり、意外に手数が必要な問題であったので思ったより時間がかかり55分使いました。(建物図面の建物位置を間違えて記入したため抹消部分を×印を複数個つけて書き直したので、なんとも見にくい図面となりましたが、その部分の減点はなかったようです。)
 最後に問21(土地)ですが、新傾向の問題であり登記の目的を把握するのに長考した結果、やはり時間が足らなくなる恐れがでてきたので、かなり自信はありませんでしたがシンプルに考えるようにして何とか時間内に終えることができました(今年度の問題は各資格学校によって解答例が異なる問題でした)。
 正直試験終了後は、またしても土地で盛大にやらかしたと思いかなり自信はありませんでしたが、結果2 回目の試験では択一式19問47.5点、記述式の問21(土地)14点、問22(建物)24点、合計85.5点で無事合格することができました。

※土地は筆界点の座標値をミスしていたため、連鎖的に地積等も間違えていたため低得点でした。土地家屋調査士試験の最大の難しさは試験時間の短さにあると考えます。ゆっくり時間をかければそれなりに解答できるレベルの方は多いかと思いますが、その時間の短さ故に判断が鈍り実力を発揮できず終えてしまうこともあります。
 特に通信生や独学の場合は日頃から時間制限を設けて学習することが重要であると考えます。